Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

「ブラームス」三昧

2020年04月30日 22時50分32秒 | 読書

 夜は、引続き「ブラームス」(吉田秀和、河出文庫)を読んでいる。吉田秀和独特の飛躍と断定は、ついていくのは難しいが、このような独特の飛躍と断定は好みである。
 楽譜を元に楽典を読むような分析からひょいと飛躍して、言葉が自由に飛翔し始める。この飛翔がある地点まで行くと、再び楽譜の分析に戻る。この行きつ戻りつが魅力である。

「‥dis-fis-aとh-dis-fisの二つの和音しかなく、これが3回交代して、終止となる。この手法も完全に印象派であって、古くて、しかもまったく新しい響きの音楽をつくるところの、正真正銘のブラームスが、ここにいるわけである。ブラームスは保守的だったが、反動的では、全くなかった。彼は、古い音楽を熱愛したが、それは、彼には、新しいものより新しく響いたのだった。」

 音楽の構成の解説と、芸術評論が混在しているところに読みごたえを感じている。一昨年入院中に「セザンヌ」を読んだが、やはり同じような論調である。

 明日は、久しぶりにブラームスのピアノ協奏曲を聴いてみたい。



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