Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

「万葉の歌びとたち」から柿本人麻呂論2

2022年03月01日 21時42分05秒 | 読書

 雨にはならずに雲間には星が見え始めた。雨雲接近中というメールも届いた。しかし残念ながらというべきか、気象庁のレーダーによる雨の予報は外れてしまったようだ。



 夕食後は、「万葉の歌びとたち」(中西進)の第2章の最後の「人麻呂終焉歌の周辺」を読み終わり、第3章の最初の「天平の四歌人」を少々読んだところで、本日の読書は終了。

人麻呂作歌のあり方、後代の物語享受のあり方の中から、おのずからに紡ぎ出された人麻呂像が、死を刑死として語り伝えたのである。それが人麻呂の事実としての生涯と一致するかどうかは、今の私に判定する材料がない。伝説はもっとも有力なその生の暗喩であって、かりに生身の死が刑死でなくても、それに近いものであったことは認めなくてはならない。‥こうした死の伝説を作り出す所以を尋ねることによって得られる人麻呂の宮廷歌人としてのあり方、また人麻呂像を享受する万葉人の趣向までも、暗示的に示してくれるのが人麻呂の終焉歌であろう。」(「人麻呂終焉歌の周辺」末尾)



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