・譬喩の結婚式――ウクライナとルーマニアのはざまにて
みやこうせい
・永遠の途上で 竹内万里子
「写真を見るということは、永遠に途上でしかあり得ないこの身を、実際に出会うはずのない誰かの途上と重ね合せことるだといえるかもしれない。そうやって今ここに生きていることの奇跡に触れ、自らを変容させること。」
・ゆうやけ七色 近藤ようこ
・洋画抜きの東京美術学校開校と洋画家たちの悲嘆
新開公子
「五姓田義松はあまりにも時代の動向に無関心過ぎたのか、帰国後に清新な作風を展開することはなく悲しい晩年だった。むしろ留学しなかった妹の渡辺幽香の方が着実に生きた時代の表現に成功している。‥その存在はもっと知られてよいと思う。」
「私が一番同情を禁じ得ないのは‥1878年のバリ万博事務雇の職を得て10年も滞在した山本芳翠である。滞欧作数百点は託した軍艦「畝傍」の遭難によりすべて失われた。フランス社交界の寵児でも、日本に帰れば農民出身の山本によう役割はまわってこない貴族氏族中心の明治文化界だった。山本は画才と上流の家柄を兼備した若い黒田清輝をパリで発見し、画家に転向させたのだった。」
この連載は私にとってはいい勉強になる。
・時間どろぼうとともに 森田真生
今月号はこれにて綴じることにした。16編中12編を読んだ。