杖をついて歩いていて気がついたことがある。自然とうつむいて歩いてしまうこと。当然前をしっかり見ていない。1mほど先の足元を見て歩いている。スマホ歩きに似た歩きになっている可能性があるかもしれない。目の前にスマホ歩きの若者が現れ、ハッとすることも多くなった。しかしスマホ歩きよりは視界は広い。たいていこちらのほうが先に気がつく。スマホ歩きのほうが後から私に気がつくようだ。
暑さが少し和らいできたので、バスも横浜駅の一つ手前で降り、地下街を歩かずに喫茶店や公園のベンチまで歩いてみた。人通りは少なく、直射日光にも晒されず、10分ほどならば汗もかかずに歩くことが出来た。
帰りは、書店や家電量販店をのぞく必要があったので、地下街や人通りの多いところを歩かざるを得なかった。しかし早くは歩けないものの、できるだけ時間をかけることなく歩いた。
本日は久しぶりに茶碗にウーロン茶葉を直接入れ、熱い湯を注いで飲んでいる。最高気温が26.9℃、現時点では23℃を下回っているらしい。熱いお茶が美味しく感じるような気温になったのが嬉しい。
★古稀の杖つけば新涼集まれる 竹下陶子
★新涼の水の重たき紙コップ 山本紫黄
第一句、暑さにたじろいでいたものの、思い切って杖を突いて外に出ると、以外に暑さを感じない。風、太陽、草の色、蝉の声など自分を包む大気が、すでに秋を漂わせている。そんな風に取ってみた。
第二句、喫茶店で出される水も暑さでグイっと飲むのではなく、一口ずつ飲むようになる。コップを持つ手に水の重みを認識する瞬間が生まれる。秋の重みというべきか。