正月の二日というのは元日よりものんびりした気分があり、いいものである。元日はどことなくよそよそしく、そして意外と慌ただしい。
二日というのは何かを始める日、ということになっているらしい。現役で仕事をしているときは、4日からの出勤にそなえて気分を仕事モードにもどす日でもあった。しかし今はそのような焦りはない。
俳句の歳時記を見ても乱暴な区分けではあるが、何かを始める句と、そうではなくものをじっくり見る句と二通りに分けることも出来る。確かに書初め、稽古始、初湯、初荷などは二日といわれる。特に仕事がらみの「‥はじめ」などは小さい頃から「そんなに慌ただしくしなくてもいいのに」と思っていた。
冬休みの宿題も二日目になると急かされたものである。
★庭隅の幹に日のある二日かな 桂 信子
★浮島や鴨を二日の景として 佐藤鬼房
★ゆるやかにとぶ鳥見えて二日かな 永田耕一郎
★老しづかなるは二日も同じこと 高浜虚子