先日第2章からいくつか引用したが、引用を忘れた個所があった。
1963年10月飯島耕一、谷川俊太郎などとバリを訪れた大岡は、「同行した現代美術コレクターの山村徳太郎の依頼で一緒に画廊などを周り、ジョアン・ミロ、エルンスト、フェルナン・レジェ、ジャクソン・ポロックなどの作品を選んだ。山村がこの時買ったうち七点は、のち国立西洋美術館に寄贈された。」(第2章「越境、また越境」の「1 美術という沃野」)
国立西洋美術館の常設展の第12室に展示されている以下の諸作品がこれに該当する。
ジョアン・ミロ《絵画》(1953年)、
マックス・エルンスト《石化した森》(1927年)、
フェルナン・レジェ《赤い鶏と青い空》(1953年)、
ジャクソン・ポロック《ナンバー8,1951 黒い流れ》(1951年)
画像と作品解説は、国立西洋美術館の公式ガイドブック3より。レジェは同美術館のホームページより。
いづれの作品も展示されているときは、私は必ず立ち止まって見ることにしている。特にミロの作品は、20代初めに見てとても印象に残った。エルンストの作品は不気味であると同時に小さいころの住んでいた近くの森の奥行きのある闇への恐れが思い出された記憶がある。
レジェの作品には惹かれなかったのだが、今年横浜美術館でレジェの3つの作品を見てあらためて感銘を受けた。それから国立西洋美術館にもレジェの作品があることを思い出し、検索してみた。機械的な都市風景ではなく、このような自然の風景に触発されたような作品を見て、私なりに再評価している。
ポロックの作品の中では、この西洋美術館にある作品には惹かれる何かがあるが、まだよくわからない。
私はこれらの美術作品が国立西洋美術館に収められ展示されていることについて、大岡信に感謝したい。