さて、この曲は今の私の心に響くであろうか。あるいはそのような演奏なのだろうか。演奏はシュロモ・ミンツ、ピアノはポール・オストロフスキ―で1986年の録音。いつ購入したかは覚えていない。
作品4のソナタは1823年メンデルスゾーン14歳という若さの作品。
作品番号のついていないヘ長調の曲は1953年にメニューインが発見した1838年、メンデルスゾーン29歳のころの作品。解説によれば、第1楽章に、のちの再現部の処理にヴァイオリン協奏曲の萌芽が窺われ、第2楽章は無言歌のスタイルという。フィナーレは無窮動形式。
私は、ヘ長調の曲のほうが何度も聴きたくなった。第1楽章の旋律は印象に残る。さらに第2楽章は美しい。無言歌形式ということ、単独で聴くのも悪くない。フィナーレとの落差も驚きである。