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鹿児島の自然と食

鹿児島の豊かな自然(風景、植物等)、食べ物、史跡を紹介します。

山小屋のビール

2011-08-31 | エッセイ

ビールというのは、飲む環境によって味が異なるものである。 

夏の暑い日に、のどを乾かして飲むビールはおいしいが、真冬の寒い中で飲むビールはおいしくない。

 

女性4人と、山小屋に1泊して屋久島を縦走したことがある。

1日目は、九州最高峰の宮之浦岳に登頂し、少し下ったところにある新高塚小屋に宿泊した。

屋久島の山は本格的な登山であり、皆疲労していた。

夕方、食事の支度をしていると、妻が

「実は・・・」

といって、リュックから取り出したものがある。

缶ビール5缶であった。

「みんなには黙っていたけど、これを担いできたの」

 

1泊の登山は、食料や寝袋などで重量が重くなり、少しでも荷物を減らしたいのが人情である。

登る前、一人に1缶づつ持たせてもよかったのに、皆を驚かそうと思ったのだ。

皆、こんな屋久島の山小屋でビールが飲めるなんて思っていなかったので、その根性に驚き、感激した。

早速、近くの湧水で冷やし、ビールで乾杯して食事をした。

宮之浦岳山頂までの苦しさを思い出し、山頂に登ったそのビールは、今まで飲んだどのビールよりおいしく感じられた。

食事も、レトルト食品であったが最高においしいものだった。

その夜の山小屋は超満員で、男も女も入り混じって雑魚寝であった。

 

 

山小屋でビールを飲みながらお食事。

コメント (8)
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