鹿児島の自然と食

鹿児島の豊かな自然(風景、植物等)、食べ物、史跡を紹介します。

豆腐とこんにゃく

2021-08-28 | エッセイ

日本料理を代表する豆腐とこんにゃくについて考察してみよう。

豆腐の原料は大豆である。

大豆は、花もきれいであり、実も丸くて愛らしい。

豆腐は、御壁(おかべ)という雅(みやび)な名前でも言われるように、色が白く、木綿や絹にも形容される。

豆腐料理は、生でよし、煮てよし、焼いてよし、揚げてよしと万能選手である。

酢飯と組んで、稲荷寿司という、いい仕事もする。

レシピは何百とあるだろう。

庶民的な食べ物であると同時に、京都では高級料理としても供される。

このように、豆腐は日本料理界のトップスターといっていいだろう。

 

一方、こんにゃくはどうか。

こんにゃくは漢字で蒟蒻と書くが、誰も書けない字である。

こんにゃくの原料はこんにゃく芋であるが、植物のこんにゃくはマムシグサに似ており、新芽はやや不気味である。

同じ芋仲間のじゃがいもやさつまいもは、愛らしさもあるが、こんにゃく芋は黒くごつごつした形で、不細工である。

芋から加工されたこんにゃくも、色が黒くて見栄えが悪い。

豆腐は良質な植物性たんぱく質の食べ物だが、こんにゃくは栄養的にはほぼゼロである。

こんにゃく料理といえば、おでんや煮物がほとんどである。

おじさん好みの食べ物であり、おしゃれな食べ物とはいいがたい。

 

これではいけないと、こんにゃくは考えた。

栄養がないのを逆手にとって、ノンカロリー食品、ダイエット食品として売り出したのだ。

飽食の国ニッポンではこれが女性に受け、こちら方面に活路を見出しているようだ。

コメント (6)
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