メランコリア

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ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『風と木の詩』2巻(小学館叢書)

2015-05-31 15:22:38 | マンガ&アニメ
『風と木の詩』2巻(小学館叢書)
竹宮惠子/著

「マンガ感想メモリスト」カテゴリーに追加しました。


2巻以降から生々しい性描写が増えて、改めて、当時のファンですら「ページをいったん閉じてしまった」という衝撃が分かった。
ジルベールの過去が明かされていく様子も興味深い。


【内容抜粋メモ】

[第二章 青春]
クリスマス休暇前の2週間は冬期試験で、夏期試験と同様に進級を決める試験だけに、この時ばかりは皆、勉強に専念する。
とくに最上級(7年生)のバカロレア(中等教育修了資格をとる大学入学資格試験)準備級へ進級する学生にとっては、教授たちの推薦を促すかどうかの大事な試験。

ジルベールは、答案用紙を白紙で出して退室し、ロスマリネに手紙を要求するが何もきていないと言われてひどく落胆する。



音楽教師のルイ・レネは、ルーシュ教授に取り入るため、クリスマスプレゼントとしてセルジュが父と同様、ピアノの才があることを告げる。



ルーシュは父のピアノ教師をしていたことを話す。
「父上は、コンセルヴァトワール(パリ音楽院)に入れたいほどの才能だった」
ルーシュは弟子をとらない主義だが、「年が明けたらレッスンをみてやろう」と言って去る。

ロスマリネは、ジルベール宛ての手紙を「ギリギリに渡せ」と言われてじらしている。
ようやく叔父オーギュスト・ボウからの手紙をジルベールに渡すと
「制裁には礼を、そういう規律じゃないのか?」と言って握手を交わす(キリストのもう片方の頬を出せ的な? 制裁にお礼まで言い合ってるし
手紙には「休暇はローマに旅行に行く。今日の早朝に発つ」とあり、また裏切られたと知ったジルベールは正気を失う。

 

セルジュは、せっかくの休暇なのに家には帰らないと聞いたパスカルは、自宅に招く。
パスカルの家庭は子沢山でほぼ女性! 長女ドロシー、姉メイ、妹のパトリシア(画家志望で美人コンプレックス)、
双子のリラとソニア、ニナ、そして腹違いで体の弱い一番下の男の子ミシェル。父はリヨンン市庁舎の役人。



パスカル「この機会に女の子ってものが、飾るだけの人形じゃなくて生きものだってことを知るんだな。
     父親の半身と、母親の半身で子どもはできる。生殖ってのはその作業なんだから恥じることなどなにもない。偉大なものさ!」



セルジュは、パトリシアが自分の裸を写生しているのを垣間見てしまい戸惑う。

パトリシア「今が一番きれいな時だから描きとめておこうとしたの。でも私の絵の腕では無理だわ。だからどうせなら見ておいてほしいのよ。
      私がきれいだと思うなら、その証拠を。あなたは誠実な人だわ」

セルジュはパトリシアとキスをして、体のほてり、コントロールできない衝動を知る。
パトリシアは、その日から女性らしいドレスを着て、見違えるように変身する。



パスカル「オヤジの夢はオレなんだよ。長男のオレがあの学校を首席で出て、この町かリヨンで最上の官吏職につく。
     平々凡々の出世コース。そして、ごく普通に結婚して、家庭を持つ。最高のレディか、ドタ足のロバがいい。
     オレはドタ足のロバでいい。そこに嫁に来る女がいたら結婚するよ。
     オレの夢は、オレの夢を果たす天才児を持つことなんだ。天才児っていうのはね、幼い頃から“全人教育”が大切なんだぜ


セルジュは、パスカルが首席で卒業するために落第し続けていることを知る

“だけど自分はそうではない。この平和は自分のものではない気がした。
 そのせつな心に描いた私の世界は、壮絶な孤独の未来を予知していたのかもしれない。
 咲き誇る花も、燃えさかる炎も、はるかかなたの、漠々たる荒野だった・・・”

スケート場で氷の裂け目から落ちたミシェルを助けたセルジュ。
パスカルは心配のあまり、しばらく休暇を延ばすという。

パスカル「人間って産んだほうに責任があると思うか? それとも産まれた人間に?
     ミシェルはオヤジの浮気で産まれた子さ」



[第三章 SANCTUS聖なるかな]
休暇が終わってすぐに寮に戻るのはセルジュくらいで、皆遅れてくるのが通例だった。
家にいるのは窮屈だというセバスチャンに会う。



そして、まるで食事もとらずに幽霊のようなジルベールに再会し、裸のまま力ない様子で抱きしめられたところを
タイミング悪くセバスチャンに見られて、彼は逃げる。

 

「裸でいっしょに寝てくれ。なにもしない神に誓って」というジルベールの尋常ではない様子に従うセルジュ。
その晩は2人で眠り、翌日、元に戻った様子のジルベール。



セバスチャンから理由を聞かれ、いっしょに眠ったこと以外を話すと、
「ジルベールは、休暇の前になると必ず、ゆううつ病のような状態になって、ある時期を越えると元に戻る繰り返しなんです。
 だれが彼とあなたの間をとやかく言おうと、あなたがはっきり否定するかぎり、僕はあなたの言葉を信じます」

ジルベールは、ブロウに「息絶えるまで毎日抱け」と言ったせいで、所構わず裸になったり、キスをしたりして周囲を驚かす。



最上級監督生ジュール・ド・フェリイは、家柄はロスマリネより上だが、没落貴族で、ロスマリネの権限で学費免除をしてもらっている。

ロスマリネは、オーギュスト・ボウと、ジルベールがどうやっていつもの危機を乗り越えたのかを話す。
ジュールは、この学院に多大な寄付をしている影の実力者ボウと知って驚く。

ジルベールは、前に自殺未遂を2回、町の浮浪者を挑発して暴行を幾度となく受けている。
 つまり、彼が例のショックから立ち直るのは、それ相当の自虐行為によってなんだ。
 それがなんの自虐行為もなく立ち直ったのは、誰かに受けとめられたとしか考えられん」

ロスマリネは、セルジュではないかと疑いうろたえる。“仮にも子爵だ”と考え、時間をくれとボウに頼む。

ブロウがジルベールに与えた鞭の傷が酷く、ジュールは
「この鞭傷は十分に虐待の証拠だ。学生裁判にかけられたくなければ手をひけ!」と助ける。

医務室でジュールは
「ロスマリネは友人ではない。ロスマリネは支配する者、僕は支配される者。
 金、権力、地位、身分・・・友情なんて、そんな介在物が入らない純潔なところにだけ存在し得る夢みたいなもの。
 すべて人は自分のためにだけ行動する。無償の親切や、犠牲的行動も、結局は自己満足のためだ、例外なしに!



セルジュは、教師のシューリンまでがジルベールを追いかけ回すのを見てショックを受け、校内の教会に懺悔に来る。
しかし、ここの牧師ですらロスマリネの影響下にあり、セルジュが話したことをすべて報告するようにと言われる。
そうとは知らず、ジルベールとキスしたこと、一緒に裸で眠ったことを話すと、

「上級生や下級生と口づけしたことを懺悔する者は多い。だが、一晩ともに抱き合って過ごしたなどと、恥しらずな!
 ジルベールはいけない。彼は成長しないからだ。これから先もよくならない」

“パスカルの言う通り、自分の体が勝手に反応するのは子孫を増やすため?
 それなら女の子に対してだけ反応すればいい。そうでないのはなぜ。なぜなんだろう?”

ジュールの個室に行くジルベール。
「君だって個室にしようと思えばできるのに、好きこのんであのトビ色の少年をかくまっているんじゃないのか?」

ジルベールは、父が貧しくなって、亡くなってからは、母一人、子一人なことなどを話す。

1年に2度しかない父兄の面会日で騒がしい校内。
ジルベールは、これまでブロウに頼んでいた来年1年分の授業のノートと引き換えに、他の生徒に体を預ける。

ロスマリネはボウに何を見ていると聞かれ、
「息子を持つ親たちの奇態を。とくに自分がこの世で一番、息子とつながっていると信じている母親たちを」



ボウは、セルジュが森で昼寝をしているのを知りつつ、ジルベールとの関係をわざと見せつける。
叔父との関係に衝撃を受けるセルジュ。

ジルベール「最初、僕をここへ入れた時、何と言った? 1年・・・1年の辛抱だって?
      あれからもう3年だ。僕をこんな牢獄へ放り込んで。
      あんたも世間体が大事な年になったってことさ。35にもなって一人身でいるのは、いろいろとまずいんだろ?
      知ってるよ。オーギュ。あんたは名士の娘と約束するつもりなんだ。世間並みに結婚して、子どもを作って、平凡に暮らしゃいいさ」

ボウ「学校は、世間に適応するために必要だ」



ジルベールは、セルジュと鉢合わせになる。ボウは自己紹介をして、ホテルでジルベールと食事の約束があるから招待するという。
ジルベールは、セルジュが来ることを知らずに、顔を見て蒼白となり、ボウがセルジュに話すたび嫉妬で燃え上がる。

 

ボウから無視されてジルベールは去る。ボウはセルジュを酔わせて部屋に運ぶ。
セルジュがボウと同じホテルで泊まる許可が下りていると点呼で聞き、夜中に寮を出ようとして、ロスマリネに見つかる。

「門限破りは自室謹慎。外出時間外の脱出は禁固3日。夜間脱出は鞭20!」(まるで囚人か兵隊だ・・・

何も知らず戻ったセルジュは「あの人が、君の故郷のマルセイユへ招待してくれたよ。君がよければ一緒においでって」

ジルベール「僕の部屋へ帰ってくるつもりなら忘れるな。お前を憎む者が同じ部屋の中にいることを!」

セルジュ「それは出て行けということか? それならそうとはっきり言うがいい。
     憎むというなら、その理由を聞きたいものだ。最初から君はまっすぐ僕へ要求をしたことがない。
     “不当なこと”を要求するのは、プライドが許さないのか?」

(こういう深い愛情をもって、冷静な理論で、堂々と相手と向き合えるところを尊敬するなあ・・・



[第四章 ジルベール]
1872年、マルセイユ。ジルベール5歳。
ボウは、社交界仲間とともに“海の天使城”と呼ばれる実家に戻る。
そこで少女のように美しい子どもを見て、まさかと思う。

ジルベールの両親は東南アジアに行ったきり。代々勤めている執事は
「この家にはすでに“ぼっちゃま”と呼ばれる人間ができてしまいましたから、
 私めも、今はその方にお仕えするしかございません」



ボウは、マルセイユ一の貿易商に養子として孤児院からひきとられた。
養父母が亡くなり、名実ともに継いだ兄の政略結婚の相手はアンヌ・マリー。

実は、兄はソドミーの性癖があり、エスカレートするのを恐れて、養父がボウを連れてきたのだった。
ボウは兄の遊び道具と化し、そうとは知らず、孤独だった妻アンヌはボウを誘惑し、出来た子どもがジルベール。
その浮気現場を目撃した兄は、ボウの腹に炎が燃える薪を押し付けて生涯消えないアザを作る。



兄は、子どもを殺そうした妻に初めて愛情を抱き、妻の精神療養も兼ねて東南アジアに発った。
ボウはパリへと逃れた。





残されたジルベールは、使用人に囲まれ、誰にもしつけられず、まるで狼に育てられた少年のようになった。
野山を駆け回り、動物に「ぱぱ」と名づけ、裸で毛布にくるまって、毛布を「ママ」と呼ぶ。

ボウらが楽しげに食事する姿を見て、初めて「孤独」を知って泣いているジルベールを見たボウは、
この野生児を手なずけようと思いつく。


「命令を受ければ素直に従う。犬として手なずけるのも思いのまま。私だけを信じさせることも!」

社交仲間のソフィアはボウが好きで、ボウの親友はソフィアを愛している気持ちを伝えようとし、
ボウがジルベールにキスする姿を垣間見てしまう。



“生きものは、生まれて初めて目をあけると、一番初めに母親、あるいは、それに似たものを求めるという。
 やわらかく、やさしく、暖かいもの。彼の場合、それはあの寝乱れた毛布だったのだろうか?”

ボウはジルベールをこの城の当主だと紹介する。
ジルベールは、すっかり人気者となり、ソフィアを母のように慕う。



ボウは親友に、「昨夜のことを黙っていてくれたら、ソフィアを君にあげる」という。



ボウはジルベールを酔わせ、ソフィアにキスをさせたため、驚いたソフィアは子どもを突き飛ばし、自分を責める。
親友はソフィアを連れてパリに戻る。

“私は彼の母だ。そして父。教師、友人、頼る者、愛する者、嵐からの隠れ場所、そのすべて・・・
 これでジルベールを存分にしこめる。
 思いのままの人形から、賢く忠実な猟犬へ、賢く忠実な猟犬から、高貴なシャム猫へ”



[巻頭のカラーページ・巻末イラスト集]
 



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topics~5/30夜の地震 ほか

2015-05-31 14:46:56 | 日記
最近の気になるトピックス。

5/30夜の地震は怖かった/涙

この2、3日前にも同じ震度4があって、前の晩0:44頃にも1度少し揺れて、
いつもの縦揺れな感じは慣れてきたけれども、
この日のは、横揺れが長く続いて、船酔いみたいな気分の悪さと、
いつまで続くのか分からない不安、止まってもしばらく揺れが続いているような感じがして、
慌ててソラナックス1錠飲んだ。

ネットですぐ速報を見たらまた震度4。震源地は小笠原諸島。マグニチュードが8とかって。
2~5強のマークが日本列島全体についていて、その割に震度に地域差があるのがいつもフシギ。

いつもは夕方の「遊んでいる子どもたちは帰りましょう」って自動放送しか聞いたことがないのに、
「○○区民のみなさま。強い地震がありましたので気をつけてください」という注意報が流れて、さらに不安増強。
気をつけろと言われても、具体的にどうしていいやら、こういう時って一人でいると本当に不安

友だちにメールしたけど、誰かと話さずにいられなくなって、長野の友だちに電話して、しばらく話してから、
今度はF氏に電話。長々と話しちゃってゴメンナサイ。でも、本当に助けになって有り難かった/深謝

JRや地下鉄が止まったりしてるニュースを見てゾッとした。
昼間、図書館に出かけて、夕方帰ってきたからよかったものの、
もし、ライヴとかで足止めになったり、地下鉄のトンネル内で止まったり、
よく電車で一晩過ごしたとかのニュースを見るたび、都内の交通網の弱さにどうにも不安感がぬぐえない。
その後の余震がなかったのが唯一の救いだった。

噴火する山も多いし、、、地球さん、どうなってるの?


その他のトピックス。主に『ZIP!』から。

サザンオールスターズ、9年半ぶりの東京ドーム!
 

 

 

♪栞のテーマ いいねえ! 今のサザンもいいけど、やっぱ初期の曲が好き。レゲエとか、いろんな要素を試していた気がする。


TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL メトロック 2015
あら、在日も出てたのね。フェスの数が増えて、もうなんだか分かりません

 

Q:フェスの必勝法は? A:ストレッチ だってw

 


東京うたの日コンサートvol.10
B.Y.Gはもちろん、クアトロや、O-EASTにまで広がってスゴイなあ! 出演者も多彩/驚


錦織圭@全仏オープン
 

 




真央ちゃんの美肌の秘訣は?
 
撮影は先月

 

・休養中に聴いていたのは・・・?
 

Q:次のプログラムに選曲しますか?
A:去年からボーカルがOKになったので・・・でも、しないですねw


“ドローン少年”の資金源は? ネット社会の“囲い”の実態

「囲い」配信者に熱心に取り付いているファンのこと

 
運営会社から「星風船」を購入→動画が面白かったら配信者にプレゼントするシステム

 
配信者によっては1カ月10万円稼ぐ人もいる

 
儲けるためにエスカレートして、法律に違反することもやってしまえという勢いがついてしまう


映画『攻殻機動隊 新劇場版』6/20公開

これはヤヴァイぞ。実写版など吹き飛ばせっ!
『攻殻機動隊ARISE border:3 Ghost Tears』(2014年6月28日公開)でメンバが揃うところまではやったけどね。


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ドキュメントロマン『山岳救助犬ララ』(世界文化社)

2015-05-31 14:11:33 | 
ドキュメントロマン『山岳救助犬ララ』(世界文化社)
上條辰夫/写真 加藤由子/文 1991年初版

 

これまでも、ヒトを助けてくれるいろんなお仕事をしているイヌたちを紹介してきたけど、
「山岳救助犬」っていうのもいるのね、初めて知った。
日本に1頭もいないって書いてあるから、知らないのも当然か。
マンガ『岳』にもわんこは出てこなかったし!

本書にもある通り、スイスでセントバーナードが助けてくれるっていう話は、なんとなく聞いたことがあったけど、
警察犬に向いているシェパードは、たしかに「山岳救助犬」にも向いているかも!
本書は1991年だから、今の状況が気になる。


【内容抜粋メモ】

「山岳救助犬」の誕生
中世。サン・ベルナール峠で、近くの修道院で飼われていたバリーという名のセントバーナードが
雪の中で迷っていた旅人を助けたのが、最初の山岳救助犬だった。

現在の山岳救助犬のほとんどはシェパード。
警察犬の多くがシェパードだが、その機敏さが買われている。
スイス、オーストリア、フランスなどには、何百頭もの山岳救助犬がいるが、日本にはまだ1頭もいない。

山岳救助犬の仕事
雪崩に遭って、雪に埋まった人を見つけること。
雪崩発生直後なら、生存率は80%、1時間後は60%、2時間後は30%と生存率は落ちる。
いかに早く見つけるかが、救出の大きなカギとなる。

長野県穂高町、北アルプスの麓で警察犬の訓練所の所長さんをやっている磯本隆裕さんは、
開設当初、ヘリコプターが遭難した遺体を運んでくるのを見た時、
「日本にも山岳救助犬を」「一人でも多くの人命を救うため、山岳救助犬をこの手で育てよう」と決めたという。

山岳救助犬として一番必要なのは、どんな場所だろうと、怖がらずに行くこと
犬は元来、平地にいる動物のため、急な岩場、ヘリに乗るのは苦手。それを徐々に慣らしていく。
磯本さんは、自分の休日を山岳救助犬の訓練日にあてて頑張っている。

「山岳救助犬が、雪山で重要な役目を果たすことが定着するには10年くらいかかるでしょう。
 長期戦を覚悟にやっていきます」(磯本さん)



ララとバルドー

 

シェパードのバルドーは、訓練所の優等生。磯本さんをとても信頼している。

セントバーナードのララは、まだ訓練を始めたばかり。気立てがよくて「見込みがある」と磯本さんは思っている。
磯本さんは、この2匹に、最初の山岳救助犬訓練を始めた。


 

イヌの嗅覚はヒトの100万倍と言われる。
まずは、山の中で、土に混じったニオイを嗅ぎ分ける。イヌたちにとっては楽しい遊び。

 

次は、どんな所でも平気で行く訓練。
イヌは高い所、狭い所が怖くて、なかなか歩けない。
ララはなんとか突破した。


  

次は、実際の山に行っての訓練。
ヤル気が出たララも、急な岩場は怖くて、足の裏も痛くて尻込みをしてしまった。


 
ごうごうと流れる川の、グラグラする橋、ゆらゆら揺れる高い吊り橋も渡る




バルドーは黙って磯本さんを見ているだけでなんでも分かってしまうようだ。
ヒトの顔を見ただけで、何をすればいいのかが分かるようになった時、人と仕事のできるイヌになれる。


 

冬になり、最後の訓練は、雪山で、雪をかきわけて進む訓練、そして、雪に埋まったヒトを探し出す訓練。
深い雪の中、夜の雪渓、バルドーは先頭に立って走り、ララにお手本を見せてくれる。

 

「サーチ! サーチ!」という磯本さんの声。「探せ」という命令です。
どんどん雪を掘り続けるのは「ここに人が埋まっている」という合図。

山岳救助犬は、鳴き声で雪崩が起きるのを防ぐため、決して吠えてはいけない。
ヒトが来て、いっしょに掘りはじめてくれるまで、息もつかずに掘り続ける。

 



 

雪崩救助犬と耐えて待つ

災害救助犬育成支援
「雪崩救助犬」と言っているのかな、今は

災害救助犬(レスキュードッグ)とは

人とはたらく犬たち
盲導犬、聴導犬、介助犬、災害救助犬、警察犬、麻薬探知犬、検疫探知犬、牧羊犬、猟犬、そり犬、訪問活動犬、タレント犬など。

【ブログ内関連記事】
『動物たちが開く心の扉 グリーン・チムニーズの子どもたち』(岩崎書店)
『地雷のない世界へ はたらく地雷探知犬』(講談社)
『ばっちゃん 助けられた繁殖犬たち』(小学館)
老犬介護&災害救助犬、盲導犬への虐待・差別
なるほどデータブック3『ペットの幸福度』(大月書店)




盲導犬同伴、宿泊先なく 室蘭・障害者の卓球交流会中止に
まだまだ、フツーのスーパーでも「衛生上のため動物お断り」って書いてあるところもあるし、日本の意識は低いんだ


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