メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

絵本『金の輪』 小川未明/作 架空社

2022-06-03 13:10:51 | 
「小川未明まとめ」に追加します


2006年初版

吉田稔美
1961年 兵庫県西脇市に生まれる
『つづきのねこ』 文と絵 講談社 ほか

ミッフィーみたいな黒い太い線で
とてもシンプルながらカラフルで可愛い

本文では太郎という名前で
思いきり日本人だけれども
絵は教会のような洋風な家と
ふわふわしたマント姿がまん丸く膨張して面白い

マッシュルームみたいな髪の毛が
後ろから見るとまんまるいんだよね

金の輪を回す男の子が金髪だとはどこにも書かれていないけれども
とても不思議な存在で気になっていたら
突然の終わり方にびっくり!!

小川未明さんの絵本ってこうしたびっくりする
突然の終わり方が多いのはなぜだろう?

内田百閒さんも唐突だけど
また違った意味でショッキング


【内容抜粋メモ】
太郎は長い間病気で臥していましたが
ようやく床から離れて出られるようになった

3月の末まだ桜も桃も咲いていないが
梅だけが咲いている










外に出ても友達はみんな遠くのほうまで遊びに行ったようでしょんぼりする

家の前の畑には去年取り残した野菜が緑色に芽吹いている









金の輪が触れ合う音がして
一人の少年が輪を回しながら走ってくる

誰だろうと思って見ると見覚えのない少年
こちらを見て微笑する

まるで知った友達に向かってするように懐かしげに見える
いつこの村に越してきたんだろう?












あくる日の午後
太郎がまた同じ時刻に畑に出てみると
同じ少年が金の輪を回しながら走ってくる

昨日よりも一層懐かしげに微笑む
何か言いたげな様子をしていたが
そのまま行ってしまう











太郎はその行方をいつまでも見送るが
白い道の彼方に消えてしまう

一度も見たことがないのに
なんとなく一番親しい友達のような気がしてならない

明日はお友達になろうと空想する
母親に少年のことを語ると信じない

太郎は金の輪を一つ分けて貰って
二人でどこまでも走る夢を見る











翌日からまた熱が出て
2、3日目に太郎は7つで亡くなってしまう








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映画『しあわせの絵の具』(2016)

2022-06-03 12:47:00 | 映画
映画『しあわせの絵の具』(2016)

監督:アシュリング・ウォルシュ

出演
モード・ルイス:サリー・ホーキンス
エベレット・ルイス:イーサン・ホーク
サンドラ:カリ・マチェット
アイダ:ガブリエル・ローズ
ザカリー・ベネット
ビリー・マクレラン ほか


イーサン・ホーク出演作ということで観てみた
無骨な男を演じてもカッコいい

モードの絵を自分のモノにするサスペンスストーリーかと思っていたら
普通に感動する愛情物語だった
別の映画と勘違いしてたのかも

モードの描く花や動物、自然の絵がとても可愛い
個展があれば間近で観たい!







絵の才能ももちろんだけど
料理や家事ができるのも相当な才能の1つだと改めて思った

ちっちゃな家も可愛くてとっても好み

カリ・マチェットもステキな女優さんだな


【内容抜粋メモ】
不自由な体で絵を描く晩年のモード


回想
兄チャールズ:家には置けない
相続した家を売ったことに反対するも聴き入れずに出て行く

ジャズバンドが演奏してるクラブで飲んで帰ると
叔母アイダ:まだ凝りてないの?

スーパーで買い物
エベレット・ルイス:家政婦が欲しい と掲示板に貼った連絡先を取って訪ねる









魚や薪木を売ったり、孤児院の世話をしているエベレット

カワイイわんこが2人もいる

エベレットも孤児院の出なのか

エベレット:試しに雇う

アイダ:出て行くなら戻れないわよ!

住み込みで週給25セントの条件を出す
外にいるのと変わりない部屋だけどシンプルでイイな

エベレット:怠け者は雇わない! ここはオレの家だ!
いきなり怒り始める

朝食を作って、床の掃除って奴隷みたい

ニワトリもいる
動物が好きなのに絞めちゃうんだ/汗
しかも仲間の目の前で?!


持ってきた絵具で棚を塗り始める
きっとホンモノの絵具だから買えば高いよね








チキンスープをだす
エベレット:オレのルールに従うか?








2階で雑魚寝する2人

エベレット:ここの順番はオレ、犬、ニワトリ、お前だ

アイダ:彼の慰み者になったと噂よ

小さい町だと全員が監視員みたいだな

漁師仲間のフランクと話していると頬を殴られる
泣きながら壁に絵を描く
絵具が心の慰め

モード:
私が必要ないなら今すぐ出ていく
給料を払って 一度ももらってない!

壁に絵をかけたり、花を飾ったりして
2か月ですっかり変わった/驚

持ち物が絵具だけってイイな
缶詰の缶みたいな所に入ってる

サンドラが訪ねて来る
サンドラ:NYから来た 魚を買ったのに届かない








ニワトリの絵を見て
モード:あのコが幸せだった頃を覚えておこうと描いた

ガラス窓にも描いちゃう
住む場所を自分で心地良くできるってステキ


モード:家をキレイにしろって言ったから描いた
エベレット:靴のほかは描いてもいい って可笑しい

モード:
兄もジャズクラブを経営してたけど潰れて
いつも借金とりに追われてた

エベレットに借金している人をリスト化する
ドノバン 魚6匹分

板も絵の材料になるのか
昔から画家はこうして周りに普通にあるものを使っていたんだな

家具もすっかり塗ってキレイになってる
絵具の耐久性ってどれくらいなんだろう
今も残っているのかな

エベレット:結婚は金がかかる 許可証とか

モード:
安くやる 誰も呼ばない
子どもを産んだけど死産だった 障害児だった

サンドラに魚を届ける
モード:これからは誤解がないよう毎回メモをとるから







エベレット:オレがボスだ 仕切ってるのを忘れるな

サンドラ:カードをもっと描いて

1枚10セント払う
絵を描いて暮らせるっていいなあ

窓に描いてあるチューリップもカワイイ
描く題材も花、鳥など周りの自然や風景

スーパーにもカードを売って生活道具を買う
立場が逆転してる

サンドラ:もっと大きな絵を言い値で買うわ

板に描いたのを見せる
全部の季節が入ってる
1枚5ドル

モード:それは未完成で売るつもりじゃない

お金を返すエベレット

サンドラ:
絵の制作を依頼する NYに送って
あなたの世界を見せて

5ドルは高いのか?

エベレット:第1号だな 掃除はやるから他はサボるな


猫の絵カワイイ!
共同経営者として名前を入れる



自分で週給25セント以上稼げるならここにいる意味はないけど
絵を描くほど執着があるってことか

モード:私はあなたが好き あなたには私が必要

ささやかな式を挙げる これで対等?









雪景色もキレイ
題材になる自然が溢れてる

「絵を売っています」と手描きの看板を出す

モードのことが雑誌に載る

チャールズが来る
チャールズ:アーティストだな
モード:昔はバカにしたくせに

チャールズ:
アイダがお前は稼いでないと言ってた
金を管理する人間が必要だ

モード:借金で家を売ったのに



モード:ニクソン副大統領から絵が欲しいと手紙が来た

エベレット:
オレが働いてお前に絵を描かせている
家のことはオレが全部やってあげてる

家に取材が来る
生きている間に有名になる画家はほんの一握り
今はSNSで誰もが表現者になれるけど







小さな家に客が大勢押し寄せる
いつの間に白髪になった?

アイダ:
妻が働いてるのにあなたは文句ばかり
家に来るよう言って

エベレット:
みんな白い目で見やがる
お前がどれだけ手がかかるか知らないんだ

これだけカワイイ絵を描いたら引っ越しも出来ないね



アイダと再会

アイダ:
結局一族で幸せになったのはあなただけね
娘に障害はなかった
死んでない チャールズが裕福な夫婦に売って、私も賛成した

なんてキレイな雲が流れる空!
これは3Dなんかじゃないよね?

エベレット:人がわんさか来るとかウンザリだ

ケンカ別れしてサンドラを訪ねる
突然来た人を泊めるスペースがあるっていいな
スペースじゃなくて気持ちの問題か

サンドラ:私に絵を教えて

モード:
記憶を頼りに描きたいように描くだけ
私は多くを望まない 絵筆があれば満足
窓があれば鳥やハチが飛んで命の輝きが1つのフレームにある




サンドラの家に迎えに来るエベレット
エベレット:オレを捨てるな

どこを走っても絵みたいに美しい場所だな


娘が暮らす家に連れて行く
玄関から出てきた女性と夫を遠くから見る
20代くらいに見えるけど、モードは何歳?

冬に隙間の空いた戸は厳しいな/汗

どんどん足が悪くなって転ぶ
肺気腫でタバコを禁止される
関節炎で絵を描けないから鎮痛剤をもらう

背中が曲がってるのも病気?

冒頭の映像
発作が起きて、雨の中病院に運ぶ

エベレット:お前は最高の女房だった

モード:私はずっとあなたに愛されてた

帰りは1人ってあっけない
病院て結局何をする所なんだろうねぇ・・・

「家政婦求む」のメモを見つける
人生ってこうして観るとあっという間だね
2人で歩んでも最期は1人なんだ



おお! 本人たちの映像!
目が大きくてカワイイ人
エベレットもキュートに笑ってる

エンドロールにはモードの絵が観れる
素朴なテイストはグランマ・モーゼズにも似てて好み
きっと今じゃ名だたる美術館に並んで相当な価値があるんだろう

板に描いた絵って百年、千年ともつのかな
想像してるより昔の人じゃないのか?









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