昭和58年 初版 昭和62年 再版 中島河太郎/監修 山村正夫/訳 秋田書店
表紙デザイン/岩尾収蔵 表紙・口絵・挿絵/彩田あきら
※「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します
【注意】
トリックもオチもネタバレがあります
極上のミステリーなので、ぜひ読んで犯人当てをしてみてください
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/7f/b6cf22caf7e4c854f23e7c36a4d0b0f2.jpg)
読者の間で物議が交わされたという本作
今回も4時間ほどで一気読み
面白かった! アガサは天才
絵は前から刺されているが、文には後ろからとあるけど???
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/7a/7423f6e72e31dcb2b80b89d3fb99f26f.jpg)
ポワロの絵も前回と全然違うテイスト
昭和発行の本が借りられたのは良かったが
挿し絵が微妙w
みんなが騙されたとなると
文の中で疑われている人物は犯人じゃない
夫人が養子をかくまったとも考えたが
電話は誰がかけたのか?
聞こえた声が『』つきで、文章みたいで録音だと確信
録音機を買ったこと、医者が機械いじりが趣味なのが繋がる
一番意外なのは筆者では?
ポワロがやけに医者に証拠品を見せるのは
小説の進行のせいにしては変だし
でも動機が分からない
そもそも殺人事件が起きた家の隣りに
ポワロが引退して越して来てるなんて偶然が可笑しい
犯人はついてなかったね
【内容抜粋メモ】
■はじめに 山村正夫
長編推理の名作を選ぶベストテンに必ず上位に入る
アガサの巧みなミス・ディレクション(読者を誤った方向に導く記述)に
まんまとひっかかる
<登場人物>
ロージャー・アクロイド ファーンリー荘の主人
ラルフ・ペイトン ロージャーの亡妻の連れ子
フロラ・アクロイド ロージャーの姪
ジョン・パーカー 執事
シェパード医師
カロライン シェパードの姉
エルキュール・ポワロ 名探偵
■密室殺人
シェパード医師はロージャー・アクロイドの住むファーンリー荘を訪ねる
室内でカタンという妙な音を聞き
家政婦ラッセルが慌てていてぶつかりそうになる
ラッセルは今朝、診察に来たが
薬品棚の麻薬についてやたら聞いていたのも気になる
銀のテーブルはガラス張りのフタになっていて
いろんな貴重なモノが飾られている
ロージャーの姪フロラは、ラルフ・ペイトンと婚約したと話す
ロージャーの亡妻の連れ子でトラブルを起こして家出したきり
アクロイドの友だちファラーズ夫人と歩いていたのを見たと話すと
今ロンドンにいるはずと驚くアクロイド
急性胃炎で死亡したアシュレ・ファラーズは
夫人に毒殺されたと明かすロージャー
ファラーズ夫人から1通の青い封筒が来て
脅迫者の名前が書いてあると思われる
シェパード医師が帰ろうとすると、執事のパーカーが立ち聞きしていた
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/28/85/dd482eff2036d721eeedb57910311de6.jpg)
帰宅する途中で道を聞く怪しい男とすれ違う
その夜、パーカーから主人が殺されたと電話があり駆けつけるが
パーカーは電話していないという
2人でドアを蹴破ると、ロージャーは胸をひと突きされて死んでいる
友人ブラント少佐、秘書のレイモンドは玉突き室にいた
ファラーズ夫人の封筒は消えている
■ラグラン警部の捜査
窓が開いていて、外に男の足跡を見つける
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/78/38fb92f12ab59fed5b6d8f5460da47de.jpg)
9時半に話し声を聞いたレイモンド
金銭上の話だった
フロラが9時45分に父におやすみを言ったと証言
部屋の見取り図
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/19/83a4c56bcaf13fa6918cad69936f4bd2.jpg)
パーカーを怪しむシェパード医師
凶器の短剣は、ブラント少佐がロージャーに贈ったもの
銀のテーブルにあったはずがない
■名探偵エルキュール・ポワロ
フロラが隣りに住んでいるのは、名探偵ポワロだと明かす
引退して毎日カボチャを作っている(!
シェパード医師がラルフが泊まる村はずれのホテルに行ったことを知り
それきり行方不明のため、一番に疑われるのを心配して
ポワロに捜査をお願いする
ポワロ:
どんな結果になっても、最後まで仕事を投げ出さない
引退した身だから、自分の名前を出さない
ことを条件に引き受ける
■安楽いすの位置
部屋の安楽いすの位置が少しズレていることに目をつけるポワロ
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/0b/89a962c9344a79991e9f2f7a2722cbf8.jpg)
ポワロ:
みなさん、なにかしら秘密をお持ちのようですな
窓が開いていたのは、誰かを引き入れるためか?
シェパード医師への電話はキングス・アボット駅の公衆電話からかけられたと分かる
ラルフが犯人で逃げたのだろうか?
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/20/34d9842aa8c48b51585cc3da7b836f38.jpg)
■白い布の切れ端
警部は足跡とラルフの靴のサイズがピッタリだと調べる
ガーデンハウスに入ると犬のように這って
ガチョウの羽と白い布の切れ端を見つけるポワロ
池からは「R」とイニシャルの入った結婚指輪を見つける
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/47/273a944f991149746d122e57cde45637.jpg)
■遺産
ロージャーの遺産分配を調べると、セシル夫人に毎年1万ポンド
フロラに2万ポンド、ラルフに残りが渡る
昨晩、ロージャーが100ポンドを現金化して
寝室のケースに入れたのを確かめると40ポンド盗まれている
女中頭のアーシュラ・ボーンだけアリバイがなく
すぐに辞めたいとロージャーに言ったと分かる
ポワロ:
ガチョウの羽はアメリカの麻薬中毒者が鼻にあててかぐのに使う
ラルフの動機が3つもあることで、逆に無罪を信じている
■セシル夫人の証言
銀のテーブルを開けたのはセシル夫人
中の銀製品を古道具屋に見せるため
あの晩の再現をフロラとパーカーに演じてもらう
ファラーズ夫人はこの1年間に2万ポンドもの株券を売り払っていた
脅迫犯に渡していた模様 夫殺しを後悔して自殺した
ブラント少佐は最近、2万ポンドの遺産が入った
■麻薬中毒者ケント
リバプールで麻薬中毒者のケントが捕まった
シェパード医師が庭で道を聞かれた男
ガーデンハウスに行ったのは認めるが、9時25分には出たと証言
その後、酒場で大金を見せびらかしていたアリバイが証明される
ポワロ:
私は若いお嬢さんのおっしゃることは信じないたちなんです
パーカーはフロラがドアの前に立っているのを見たが
部屋から出て来るのを見たわけではない
ロージャーは金にうるさい人だった
フロラが40ポンド盗んだことを明かす
ラルフが家を出たのもロージャーがあまりにケチだったから
フロラをかばうレイモンドを見て、2人が愛し合っていると告げるポワロ
■アリバイ
ラルフがリバプールで逮捕されたとウソを新聞に載せることを思いつくポワロ
シェパード医師は趣味の機械いじりを自慢して見せる
病院にラッセルを呼び、ケントが逮捕されたと教える
ケントは息子で、ガーデンハウスで2人で会ったことを明かす
麻薬中毒をなんとか治したいとシェパード医師にいろいろ聞いた
ポワロは夜9時にパーティーを開くから
関係者をみな呼んで欲しいとシェパード医師に頼む
フロラはレイモンドと婚約
■秘密の結婚
アーシュラはラルフと結婚していたと指摘するポワロ
ラルフは多額の借金を返すためにフロラと婚約
アーシュラは取り乱して、ロージャーに結婚のことを話したのが9時半
(なぜみんなそんなにしっかり時間を覚えてるの?
シェパード医師がこれまでの記録を文章にして
小説として発表しようとしていた原稿をポワロに見せると喜ぶ
■ポワロのパーティー
みんなが揃い、ポワロはここにいる全員が容疑者だと話す
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/2c/d732f7fcb646ed23fb313485e139eb2b.jpg)
ポワロ:
ガーデンハウスでは2人の男女が別々に会っていた
アーシュラとラルフ、ラッセルとケント
白い布は女中がつけるサロン前かけ
その部屋にラルフが入ってきて、無実だと言う
シェパード医師がホテルにラルフを訪ねて
このままだと疑われるため、精神病院に患者として入れてかくまっていた
ラルフ君を助けるには、ここで真犯人が自白すればいい
明日には、私の報告書が警部に届くでしょう
私には自信があります 犯人は絶対逃げられない
誰も自白することなく、パーティーはお開きになる
■真犯人
ポワロ:
ドアが破られた時、自分がその場に居合わせることで容疑を免れようとした
レイモンドが聞いた声は、ロージャーが買った録音機の声
それが現場に残っていたため、窓から持ち去るために安楽椅子が動かされた
ロージャーは9時半にはもう死んでいた
パーカーが警察に連絡する間、書斎にいた者
すなわち、シェパード先生が犯人!
家まで徒歩5分と言ったのに、10分かかったのは
ラルフの靴で足跡をつけていたから
先生は株で大金をすった
診察に来た患者にアメリカ航路の給仕がいて
ロージャーに手紙を出し、駅から電話するように頼んだ
それをパーカーからの電話のように見せかけた
例の手記は最後まで書くことをすすめます
警察が来る前に、自分で始末をつける
例えば、睡眠薬の飲みすぎとか
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/40/6c27bec1e24978293c428840334ec767.jpg)
■シェパード医師の小説
ポワロの失敗を記録するつもりだった医師は
手記の原稿をポワロ宛てに送るてはずをつけて自殺を決意する
いまいましくてならないのは
引退したエルキュール・ポワロが
この村へカボチャ作りなどに来なければ良かったということだ(w
■解説 山村正夫
本書に対して、ヴァン・ダインはフェア・プレーではないと非難したが
イギリスの女流作家ドロシイ・セイヤーズは
「作者のトリックにかかった悔し紛れ
推理に必要な材料はすべて示されていた」と作品を支持した
江戸川乱歩もアガサの代表作として今作を挙げている
アガサは20年来、メリー・ウェスマコットという別名でも普通の小説を書いた
本格推理小説には厳しい制約があり
初期に名作を発表した推理作家の晩年は見劣りする作品が多いが
アガサは80歳を過ぎても
1年に1度、クリスマス前に長編を発表した
半世紀に85冊の小説、17冊の戯曲を残した
表紙デザイン/岩尾収蔵 表紙・口絵・挿絵/彩田あきら
※「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します
【注意】
トリックもオチもネタバレがあります
極上のミステリーなので、ぜひ読んで犯人当てをしてみてください
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/7f/b6cf22caf7e4c854f23e7c36a4d0b0f2.jpg)
読者の間で物議が交わされたという本作
今回も4時間ほどで一気読み
面白かった! アガサは天才
絵は前から刺されているが、文には後ろからとあるけど???
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/7a/7423f6e72e31dcb2b80b89d3fb99f26f.jpg)
ポワロの絵も前回と全然違うテイスト
昭和発行の本が借りられたのは良かったが
挿し絵が微妙w
みんなが騙されたとなると
文の中で疑われている人物は犯人じゃない
夫人が養子をかくまったとも考えたが
電話は誰がかけたのか?
聞こえた声が『』つきで、文章みたいで録音だと確信
録音機を買ったこと、医者が機械いじりが趣味なのが繋がる
一番意外なのは筆者では?
ポワロがやけに医者に証拠品を見せるのは
小説の進行のせいにしては変だし
でも動機が分からない
そもそも殺人事件が起きた家の隣りに
ポワロが引退して越して来てるなんて偶然が可笑しい
犯人はついてなかったね
【内容抜粋メモ】
■はじめに 山村正夫
長編推理の名作を選ぶベストテンに必ず上位に入る
アガサの巧みなミス・ディレクション(読者を誤った方向に導く記述)に
まんまとひっかかる
<登場人物>
ロージャー・アクロイド ファーンリー荘の主人
ラルフ・ペイトン ロージャーの亡妻の連れ子
フロラ・アクロイド ロージャーの姪
ジョン・パーカー 執事
シェパード医師
カロライン シェパードの姉
エルキュール・ポワロ 名探偵
■密室殺人
シェパード医師はロージャー・アクロイドの住むファーンリー荘を訪ねる
室内でカタンという妙な音を聞き
家政婦ラッセルが慌てていてぶつかりそうになる
ラッセルは今朝、診察に来たが
薬品棚の麻薬についてやたら聞いていたのも気になる
銀のテーブルはガラス張りのフタになっていて
いろんな貴重なモノが飾られている
ロージャーの姪フロラは、ラルフ・ペイトンと婚約したと話す
ロージャーの亡妻の連れ子でトラブルを起こして家出したきり
アクロイドの友だちファラーズ夫人と歩いていたのを見たと話すと
今ロンドンにいるはずと驚くアクロイド
急性胃炎で死亡したアシュレ・ファラーズは
夫人に毒殺されたと明かすロージャー
ファラーズ夫人から1通の青い封筒が来て
脅迫者の名前が書いてあると思われる
シェパード医師が帰ろうとすると、執事のパーカーが立ち聞きしていた
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/28/85/dd482eff2036d721eeedb57910311de6.jpg)
帰宅する途中で道を聞く怪しい男とすれ違う
その夜、パーカーから主人が殺されたと電話があり駆けつけるが
パーカーは電話していないという
2人でドアを蹴破ると、ロージャーは胸をひと突きされて死んでいる
友人ブラント少佐、秘書のレイモンドは玉突き室にいた
ファラーズ夫人の封筒は消えている
■ラグラン警部の捜査
窓が開いていて、外に男の足跡を見つける
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/78/38fb92f12ab59fed5b6d8f5460da47de.jpg)
9時半に話し声を聞いたレイモンド
金銭上の話だった
フロラが9時45分に父におやすみを言ったと証言
部屋の見取り図
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/19/83a4c56bcaf13fa6918cad69936f4bd2.jpg)
パーカーを怪しむシェパード医師
凶器の短剣は、ブラント少佐がロージャーに贈ったもの
銀のテーブルにあったはずがない
■名探偵エルキュール・ポワロ
フロラが隣りに住んでいるのは、名探偵ポワロだと明かす
引退して毎日カボチャを作っている(!
シェパード医師がラルフが泊まる村はずれのホテルに行ったことを知り
それきり行方不明のため、一番に疑われるのを心配して
ポワロに捜査をお願いする
ポワロ:
どんな結果になっても、最後まで仕事を投げ出さない
引退した身だから、自分の名前を出さない
ことを条件に引き受ける
■安楽いすの位置
部屋の安楽いすの位置が少しズレていることに目をつけるポワロ
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/0b/89a962c9344a79991e9f2f7a2722cbf8.jpg)
ポワロ:
みなさん、なにかしら秘密をお持ちのようですな
窓が開いていたのは、誰かを引き入れるためか?
シェパード医師への電話はキングス・アボット駅の公衆電話からかけられたと分かる
ラルフが犯人で逃げたのだろうか?
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/20/34d9842aa8c48b51585cc3da7b836f38.jpg)
■白い布の切れ端
警部は足跡とラルフの靴のサイズがピッタリだと調べる
ガーデンハウスに入ると犬のように這って
ガチョウの羽と白い布の切れ端を見つけるポワロ
池からは「R」とイニシャルの入った結婚指輪を見つける
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/47/273a944f991149746d122e57cde45637.jpg)
■遺産
ロージャーの遺産分配を調べると、セシル夫人に毎年1万ポンド
フロラに2万ポンド、ラルフに残りが渡る
昨晩、ロージャーが100ポンドを現金化して
寝室のケースに入れたのを確かめると40ポンド盗まれている
女中頭のアーシュラ・ボーンだけアリバイがなく
すぐに辞めたいとロージャーに言ったと分かる
ポワロ:
ガチョウの羽はアメリカの麻薬中毒者が鼻にあててかぐのに使う
ラルフの動機が3つもあることで、逆に無罪を信じている
■セシル夫人の証言
銀のテーブルを開けたのはセシル夫人
中の銀製品を古道具屋に見せるため
あの晩の再現をフロラとパーカーに演じてもらう
ファラーズ夫人はこの1年間に2万ポンドもの株券を売り払っていた
脅迫犯に渡していた模様 夫殺しを後悔して自殺した
ブラント少佐は最近、2万ポンドの遺産が入った
■麻薬中毒者ケント
リバプールで麻薬中毒者のケントが捕まった
シェパード医師が庭で道を聞かれた男
ガーデンハウスに行ったのは認めるが、9時25分には出たと証言
その後、酒場で大金を見せびらかしていたアリバイが証明される
ポワロ:
私は若いお嬢さんのおっしゃることは信じないたちなんです
パーカーはフロラがドアの前に立っているのを見たが
部屋から出て来るのを見たわけではない
ロージャーは金にうるさい人だった
フロラが40ポンド盗んだことを明かす
ラルフが家を出たのもロージャーがあまりにケチだったから
フロラをかばうレイモンドを見て、2人が愛し合っていると告げるポワロ
■アリバイ
ラルフがリバプールで逮捕されたとウソを新聞に載せることを思いつくポワロ
シェパード医師は趣味の機械いじりを自慢して見せる
病院にラッセルを呼び、ケントが逮捕されたと教える
ケントは息子で、ガーデンハウスで2人で会ったことを明かす
麻薬中毒をなんとか治したいとシェパード医師にいろいろ聞いた
ポワロは夜9時にパーティーを開くから
関係者をみな呼んで欲しいとシェパード医師に頼む
フロラはレイモンドと婚約
■秘密の結婚
アーシュラはラルフと結婚していたと指摘するポワロ
ラルフは多額の借金を返すためにフロラと婚約
アーシュラは取り乱して、ロージャーに結婚のことを話したのが9時半
(なぜみんなそんなにしっかり時間を覚えてるの?
シェパード医師がこれまでの記録を文章にして
小説として発表しようとしていた原稿をポワロに見せると喜ぶ
■ポワロのパーティー
みんなが揃い、ポワロはここにいる全員が容疑者だと話す
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/2c/d732f7fcb646ed23fb313485e139eb2b.jpg)
ポワロ:
ガーデンハウスでは2人の男女が別々に会っていた
アーシュラとラルフ、ラッセルとケント
白い布は女中がつけるサロン前かけ
その部屋にラルフが入ってきて、無実だと言う
シェパード医師がホテルにラルフを訪ねて
このままだと疑われるため、精神病院に患者として入れてかくまっていた
ラルフ君を助けるには、ここで真犯人が自白すればいい
明日には、私の報告書が警部に届くでしょう
私には自信があります 犯人は絶対逃げられない
誰も自白することなく、パーティーはお開きになる
■真犯人
ポワロ:
ドアが破られた時、自分がその場に居合わせることで容疑を免れようとした
レイモンドが聞いた声は、ロージャーが買った録音機の声
それが現場に残っていたため、窓から持ち去るために安楽椅子が動かされた
ロージャーは9時半にはもう死んでいた
パーカーが警察に連絡する間、書斎にいた者
すなわち、シェパード先生が犯人!
家まで徒歩5分と言ったのに、10分かかったのは
ラルフの靴で足跡をつけていたから
先生は株で大金をすった
診察に来た患者にアメリカ航路の給仕がいて
ロージャーに手紙を出し、駅から電話するように頼んだ
それをパーカーからの電話のように見せかけた
例の手記は最後まで書くことをすすめます
警察が来る前に、自分で始末をつける
例えば、睡眠薬の飲みすぎとか
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/40/6c27bec1e24978293c428840334ec767.jpg)
■シェパード医師の小説
ポワロの失敗を記録するつもりだった医師は
手記の原稿をポワロ宛てに送るてはずをつけて自殺を決意する
いまいましくてならないのは
引退したエルキュール・ポワロが
この村へカボチャ作りなどに来なければ良かったということだ(w
■解説 山村正夫
本書に対して、ヴァン・ダインはフェア・プレーではないと非難したが
イギリスの女流作家ドロシイ・セイヤーズは
「作者のトリックにかかった悔し紛れ
推理に必要な材料はすべて示されていた」と作品を支持した
江戸川乱歩もアガサの代表作として今作を挙げている
アガサは20年来、メリー・ウェスマコットという別名でも普通の小説を書いた
本格推理小説には厳しい制約があり
初期に名作を発表した推理作家の晩年は見劣りする作品が多いが
アガサは80歳を過ぎても
1年に1度、クリスマス前に長編を発表した
半世紀に85冊の小説、17冊の戯曲を残した