■語ろうよこころ・からだ・いのち3『自立ってなんだろう』(岩崎書店)
北沢杏子/著
かれこれ20年以上前に刊行された本だけど、
性差別の問題は、今もさほど変わっていないんじゃないかって不安がよぎった。
自立を4つに区分する考え方は分かりやすいと思ったけど、
もうその先の社会のシステム、経済、「働くってそもそもなんぞや?」っていう根本から
日常生活の認識を捉え直して、幸福や充実、平等の質を考える時だ。
男女の不平等、モノの平等分配問題などに苦しむのは、私たちの世代でラストにして、
子どもたちの頭がまだやわらかいうちに認識を変えられたら
未来は今からでも十分変わり得ると思う。
【内容抜粋メモ】
これまで、たくさんの学校で講師をしてきた北沢さんが、
実際にある中学校3年生の男女に講義した時の様子を1冊にまとめたもので、
1989年当時の子どもたちの生の声が分かる。
●4つの自立
自立の基本は、自分の「衣食住」を、自分でまかなうこと。
経済的自立
自分で働いて得たお金で生活できること![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0180.gif)
生活的自立
生きるために必要な日常生活が自分でできること。
食事を作ったり
、ボタンをつけたり、洗濯など。
精神的自立
自分の行動を自分で考え、選び、実行すること。
性的自立
自分や異性の心と体をよく知り、お互いの“人権としての性を尊重できる”こと
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hiyo_s.gif)
●男に生まれてよかった人 21/21人、女に生まれてよかった人 1/22人
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/ee/d6eda070529331ca21d0f072d8d2f22d.jpg)
▼男に生まれてよかった理由の例
・家事、育児をしなくていい
・男のほう知能指数が高く、すべての点ですぐれている(
)
▼男に生まれてわるかった理由の例
・失敗したとき責任をとらされる。
・料理
や家事をしたくてもできない
▼女に生まれてよかった理由の例
・結婚したら働かずに家にいられる![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/house_red.gif)
・経済面の心配をせずに気楽に生きていける
・好きな人に尽くせる
▼女に生まれてわるかった理由の例
・女は顔で選ばれてしまう
・性被害に遭うのはいつも女
・男子がエロ本を見せびらかしたりするからイヤだ
などなど
●質問の答えの違いから社会を見つめ直す
・女はトイレに時間がかかる、並ばなくてはならない
→かかる平均時間を割り出し、それに比例して女性のトイレの数を多くすべき。
オーストラリアの空港では、トイレに赤ちゃん連れのためのコーナーがあり、お父さんもお母さんも使える。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4a/e2/cd2205fd23e82d6a21b37ce28809df78.jpg)
・男子「嫁にいって三食昼寝付きが出来ないから損」
家でいちばん睡眠時間が短いのは、だれか調べてみる。
・男子「料理や家事をしたくてもできない」
→自分でご飯を作れず、お母さんに「お茶をだせ
」などいいつけるお父さんはまだ多い。
また、お母さんが全部やってしまい、男にやらせないという家庭も多い。
●日本国憲法における男女平等
法律上では、「結婚生活は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して制定されなければならない」とされている。
夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない(日本国憲法)
いかなる制限をも受けず、男女は婚姻に際して平等の権利を有する(世界人権宣言)
●なぜ女子は「女に生まれてよかった」より「わるかった理由」のほうが多いのか?
・女子「女だからと甘えられる」「女を武器にできる」
→「女だと甘くみられる」「責任あるポストにつかせてもらえない」につながるのでは?
・女子「かわいこぶりっこすると好きになってもらえる」
→日本社会が長い間、男性優位だったため、「早く結婚すれば、経済面の心配をしなくて済む」につながる
「性別役割分業」
「男は仕事、女は家庭にいるべき」という考え方。
男女平等を実現するには、まずこの考え方を変えることが必要。
女性の経済的自立、家事の分担などが男女平等の第一歩。
・女子「好きな人に尽くせる」
→“尽くす”という言葉がすでに平等の関係じゃない。→“思いやり”に変える。両方が対等な関係が“いい関係”。
・男子「妻子を養わなくてはならない」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/28/a1/2144a37088010aec2c775524ddc886f9.jpg)
→日本人は他国より、年間30日~60日も余分に働いている。日本人の働きすぎが貿易摩擦などの国際問題にまで発展している。
お父さんの残業を減らして、お母さんが社会で収入を得、夫婦で楽しむ時間を生むのが今後の課題。
「女は男に養われている」という意識をまず捨てる→働けるほうが働いて収入を得ればいい。
・男子「女の自立といってもタレントなどの一部。女のわがままにすぎない」(
)
→昔から、女性は農村、漁村、工場、商店など「カッコよくない仕事」もして生きてきたことを知る。
「家父長制」
代々、長男が一家のあるじとして財産や家の相続権など、すべての実験を握っていた制度。
女性はずっとそういう殻に押し込められてきた。
人間は、表現・自己主張をする特性を持っている。表現することで人は解放される![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/body_jump.gif)
だが、「女が自己主張するのははしたないこと」「黙っているのが美徳」とされてきた。
・女子「女はお茶くみをしなくてはならない
」
→1979年に国連が決めた「婦人に対するあらゆる形態の差別撤廃条約」に日本も賛成したが、
いまだに賃金差別、昇給、昇進、定年、お茶くみ、コピーとりなどの差別があるのも事実。
「子の養育には男女間のおよび社会全体の責任の分担が必要であることを認識し、
社会および家庭における男子の伝統的役割および夫人の役割の変更が、
男女間の完全な平等の達成に必要であることを認識する」(「婦人に対するあらゆる形態の差別撤廃条約」)
・女子「生理がめんどう」
→月経がくるたびに健康だという合図だと見方を変えてみる。
・女子「女らしくしろと言われるのがイヤ」
女子には人形
、男子には車のおもちゃ
が与えられ、男らしく・女らしくと親や社会が子どもを型にはめてつくってきた。
これからは「人間らしく生きる」ことが課題。
1986年から施行された「男女雇用機会均等法」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/0e/190153e04bc1afba56f84c3d30d595b0.jpg)
日本の現状では、男性100とすると、女性の賃金は52.3![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_sup.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/atten.gif)
日本の場合、働く女性の3/1がパートタイマー。理由は家事・育児・介護が全部女性の肩にかかているから。
保育所が少ない、老人の養護施設が少ないなどの「福祉切り捨て型社会」も、女性の経済的自立を困難にしている。
●日本女性の働きかたはM字型
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/bb/a6641b22e3ff3f5032987668a68386a9.jpg)
学校を出て就職しても、結婚して子どもが産まれると、辞めて育児に専念する。
育児から手が離れるとまた働きにでるがパートタイマー。
その頃になると、歳をとった親たちが病気で倒れる。また職場を離れて看病する。
気がつくと、また働きたくても年齢制限がかかり、ボランティア活動などに転ずる。
こんどは夫の定年、病気、看病とつづく・・・
●誰が得する?
・仕事を辞めて育児に専念する→国や自治体は保育所に支払うお金が少なくて済む![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0186.gif)
・パートタイマーで働く→企業は、時間給、諸手当・賞与が浮く![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0186.gif)
・老親介護→国や自治体は老人の養護施設に支払うお金が少なくて済む![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0186.gif)
こうした矛盾だらけの日本の労働環境のからくりをよく知って、変えていかなければ女性の自立の道はいつまでたっても険しい。
●日本の結婚適齢期
親が言う「世間体が悪い」など、適齢期という女性蔑視の言葉が通用するのも日本の特徴。
→「自分の結婚の年齢は自分で決める」とはっきり意思表示すること。
●性的自立とは?
・女子「男子がエロ本を見せびらかしたりするからイヤだ」
エロ本は、女性を“性の対象物”としかみない女性を蔑視した本。
露出狂、痴漢、卑猥な言葉をかけられたという体験で、女性は一生忘れられない傷を負う。
・女子「女は顔で選ばれてしまう」
そう思わない男子もいる。顔で選ぶような男性には「さようなら」と言えばいい。
これからは、自立した男と、自立した女が対等で、“横並びの関係”で一緒に暮らしていくのが結婚生活。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/61/587797b920cedfc24a2e5684bbc41fdb.jpg)
男子「男は女子と違って、興奮すると自分がコントロールできない。好奇心や興奮してキスや性交してしまうこともあると思う」
女子「イヤと断ったら嫌われてしまいそうだから言えない」←「尽くしてあげたい」という意見の裏側
男子「ほんとうに相手が好きなら、相手を傷つけたくないから、イヤならそう言ってほしい」
女子は男子の気持ちが分からない、男子は女子の気持ちが分からない。
もっと話し合えば「男女の性心理の違い」も分かり合えることがたくさんあって、行動を選択することができる。
それで望まない妊娠や中絶も減らせる。
我慢できるのも性的自立、「ノー」と言えるのも性的自立。
男子「最初は、女は男のためにいるんじゃないかって思ってたし、男女差別も仕方ないと思ってたけど、
性とは人間らしく生きることで、愛することだって感じてきたことが新しい発見だった。
ぼくも将来、自分の親を見習ってやっていきたい」
女子「愛するっていうのは、なんでも話しあって、いろんなことを学んで、
お互いが分かり合えて初めて生まれるものじゃないかなと思った」
【著者あとがきメモ】
国連が定めた経済的自立の基礎である「労働権」を「すべての人間の奪うことのできない権利」と規定している。
女性にも経済的自立
、男性にも生活的自立
を持って成長してもらいたいが、
両親が日本の伝統的な「男は仕事・女は家庭」という考え方だと難しい。
「子育てが終わって、社会から取り残された不安に日々苦しんでいる」という女性からの悲鳴にも似た悩みを毎回聞いている。
これからの女性は社会に出て、持っている能力を十分に活かして働くべきだし、
男性には、働く女性が職場で家庭で毎日ぶつかる矛盾や苦しみを分かち合って欲しいという願いを込めて本書を出した。
「男らしく」でも「女らしく」でもなく「人間らしく自立すること」が大切。
北沢杏子/著
かれこれ20年以上前に刊行された本だけど、
性差別の問題は、今もさほど変わっていないんじゃないかって不安がよぎった。
自立を4つに区分する考え方は分かりやすいと思ったけど、
もうその先の社会のシステム、経済、「働くってそもそもなんぞや?」っていう根本から
日常生活の認識を捉え直して、幸福や充実、平等の質を考える時だ。
男女の不平等、モノの平等分配問題などに苦しむのは、私たちの世代でラストにして、
子どもたちの頭がまだやわらかいうちに認識を変えられたら
未来は今からでも十分変わり得ると思う。
【内容抜粋メモ】
これまで、たくさんの学校で講師をしてきた北沢さんが、
実際にある中学校3年生の男女に講義した時の様子を1冊にまとめたもので、
1989年当時の子どもたちの生の声が分かる。
●4つの自立
自立の基本は、自分の「衣食住」を、自分でまかなうこと。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/star.gif)
自分で働いて得たお金で生活できること
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0180.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/star.gif)
生きるために必要な日常生活が自分でできること。
食事を作ったり
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/rice_eating.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/star.gif)
自分の行動を自分で考え、選び、実行すること。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/star.gif)
自分や異性の心と体をよく知り、お互いの“人権としての性を尊重できる”こと
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hiyob_eye.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hiyo_s.gif)
●男に生まれてよかった人 21/21人、女に生まれてよかった人 1/22人
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/ae/a9908db4fb9b27962d19cbc73c7b77b5.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/ee/d6eda070529331ca21d0f072d8d2f22d.jpg)
▼男に生まれてよかった理由の例
・家事、育児をしなくていい
・男のほう知能指数が高く、すべての点ですぐれている(
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/atten.gif)
▼男に生まれてわるかった理由の例
・失敗したとき責任をとらされる。
・料理
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/silver.gif)
▼女に生まれてよかった理由の例
・結婚したら働かずに家にいられる
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/house_red.gif)
・経済面の心配をせずに気楽に生きていける
・好きな人に尽くせる
▼女に生まれてわるかった理由の例
・女は顔で選ばれてしまう
・性被害に遭うのはいつも女
・男子がエロ本を見せびらかしたりするからイヤだ
などなど
●質問の答えの違いから社会を見つめ直す
・女はトイレに時間がかかる、並ばなくてはならない
→かかる平均時間を割り出し、それに比例して女性のトイレの数を多くすべき。
オーストラリアの空港では、トイレに赤ちゃん連れのためのコーナーがあり、お父さんもお母さんも使える。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4a/e2/cd2205fd23e82d6a21b37ce28809df78.jpg)
・男子「嫁にいって三食昼寝付きが出来ないから損」
家でいちばん睡眠時間が短いのは、だれか調べてみる。
・男子「料理や家事をしたくてもできない」
→自分でご飯を作れず、お母さんに「お茶をだせ
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/drink_hottea.gif)
また、お母さんが全部やってしまい、男にやらせないという家庭も多い。
●日本国憲法における男女平等
法律上では、「結婚生活は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して制定されなければならない」とされている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/square_p.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/square_p.gif)
●なぜ女子は「女に生まれてよかった」より「わるかった理由」のほうが多いのか?
・女子「女だからと甘えられる」「女を武器にできる」
→「女だと甘くみられる」「責任あるポストにつかせてもらえない」につながるのでは?
・女子「かわいこぶりっこすると好きになってもらえる」
→日本社会が長い間、男性優位だったため、「早く結婚すれば、経済面の心配をしなくて済む」につながる
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/square_p.gif)
「男は仕事、女は家庭にいるべき」という考え方。
男女平等を実現するには、まずこの考え方を変えることが必要。
女性の経済的自立、家事の分担などが男女平等の第一歩。
・女子「好きな人に尽くせる」
→“尽くす”という言葉がすでに平等の関係じゃない。→“思いやり”に変える。両方が対等な関係が“いい関係”。
・男子「妻子を養わなくてはならない」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/28/a1/2144a37088010aec2c775524ddc886f9.jpg)
→日本人は他国より、年間30日~60日も余分に働いている。日本人の働きすぎが貿易摩擦などの国際問題にまで発展している。
お父さんの残業を減らして、お母さんが社会で収入を得、夫婦で楽しむ時間を生むのが今後の課題。
「女は男に養われている」という意識をまず捨てる→働けるほうが働いて収入を得ればいい。
・男子「女の自立といってもタレントなどの一部。女のわがままにすぎない」(
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/atten.gif)
→昔から、女性は農村、漁村、工場、商店など「カッコよくない仕事」もして生きてきたことを知る。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/square_p.gif)
代々、長男が一家のあるじとして財産や家の相続権など、すべての実験を握っていた制度。
女性はずっとそういう殻に押し込められてきた。
人間は、表現・自己主張をする特性を持っている。表現することで人は解放される
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/body_jump.gif)
だが、「女が自己主張するのははしたないこと」「黙っているのが美徳」とされてきた。
・女子「女はお茶くみをしなくてはならない
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/drink_hottea.gif)
→1979年に国連が決めた「婦人に対するあらゆる形態の差別撤廃条約」に日本も賛成したが、
いまだに賃金差別、昇給、昇進、定年、お茶くみ、コピーとりなどの差別があるのも事実。
「子の養育には男女間のおよび社会全体の責任の分担が必要であることを認識し、
社会および家庭における男子の伝統的役割および夫人の役割の変更が、
男女間の完全な平等の達成に必要であることを認識する」(「婦人に対するあらゆる形態の差別撤廃条約」)
・女子「生理がめんどう」
→月経がくるたびに健康だという合図だと見方を変えてみる。
・女子「女らしくしろと言われるのがイヤ」
女子には人形
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/fashion_dress.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/cars_red.gif)
これからは「人間らしく生きる」ことが課題。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/square_p.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/0e/190153e04bc1afba56f84c3d30d595b0.jpg)
日本の現状では、男性100とすると、女性の賃金は52.3
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_sup.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/atten.gif)
日本の場合、働く女性の3/1がパートタイマー。理由は家事・育児・介護が全部女性の肩にかかているから。
保育所が少ない、老人の養護施設が少ないなどの「福祉切り捨て型社会」も、女性の経済的自立を困難にしている。
●日本女性の働きかたはM字型
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/bb/a6641b22e3ff3f5032987668a68386a9.jpg)
学校を出て就職しても、結婚して子どもが産まれると、辞めて育児に専念する。
育児から手が離れるとまた働きにでるがパートタイマー。
その頃になると、歳をとった親たちが病気で倒れる。また職場を離れて看病する。
気がつくと、また働きたくても年齢制限がかかり、ボランティア活動などに転ずる。
こんどは夫の定年、病気、看病とつづく・・・
●誰が得する?
・仕事を辞めて育児に専念する→国や自治体は保育所に支払うお金が少なくて済む
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0186.gif)
・パートタイマーで働く→企業は、時間給、諸手当・賞与が浮く
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0186.gif)
・老親介護→国や自治体は老人の養護施設に支払うお金が少なくて済む
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0186.gif)
こうした矛盾だらけの日本の労働環境のからくりをよく知って、変えていかなければ女性の自立の道はいつまでたっても険しい。
●日本の結婚適齢期
親が言う「世間体が悪い」など、適齢期という女性蔑視の言葉が通用するのも日本の特徴。
→「自分の結婚の年齢は自分で決める」とはっきり意思表示すること。
●性的自立とは?
・女子「男子がエロ本を見せびらかしたりするからイヤだ」
エロ本は、女性を“性の対象物”としかみない女性を蔑視した本。
露出狂、痴漢、卑猥な言葉をかけられたという体験で、女性は一生忘れられない傷を負う。
・女子「女は顔で選ばれてしまう」
そう思わない男子もいる。顔で選ぶような男性には「さようなら」と言えばいい。
これからは、自立した男と、自立した女が対等で、“横並びの関係”で一緒に暮らしていくのが結婚生活。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/85/6de738ffb5b0814310de3ac7acb929cf.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/61/587797b920cedfc24a2e5684bbc41fdb.jpg)
男子「男は女子と違って、興奮すると自分がコントロールできない。好奇心や興奮してキスや性交してしまうこともあると思う」
女子「イヤと断ったら嫌われてしまいそうだから言えない」←「尽くしてあげたい」という意見の裏側
男子「ほんとうに相手が好きなら、相手を傷つけたくないから、イヤならそう言ってほしい」
女子は男子の気持ちが分からない、男子は女子の気持ちが分からない。
もっと話し合えば「男女の性心理の違い」も分かり合えることがたくさんあって、行動を選択することができる。
それで望まない妊娠や中絶も減らせる。
我慢できるのも性的自立、「ノー」と言えるのも性的自立。
男子「最初は、女は男のためにいるんじゃないかって思ってたし、男女差別も仕方ないと思ってたけど、
性とは人間らしく生きることで、愛することだって感じてきたことが新しい発見だった。
ぼくも将来、自分の親を見習ってやっていきたい」
女子「愛するっていうのは、なんでも話しあって、いろんなことを学んで、
お互いが分かり合えて初めて生まれるものじゃないかなと思った」
【著者あとがきメモ】
国連が定めた経済的自立の基礎である「労働権」を「すべての人間の奪うことのできない権利」と規定している。
女性にも経済的自立
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0180.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/udon.gif)
両親が日本の伝統的な「男は仕事・女は家庭」という考え方だと難しい。
「子育てが終わって、社会から取り残された不安に日々苦しんでいる」という女性からの悲鳴にも似た悩みを毎回聞いている。
これからの女性は社会に出て、持っている能力を十分に活かして働くべきだし、
男性には、働く女性が職場で家庭で毎日ぶつかる矛盾や苦しみを分かち合って欲しいという願いを込めて本書を出した。
「男らしく」でも「女らしく」でもなく「人間らしく自立すること」が大切。