花好き・旅好き80代北国女性の日記(ブログ開設18年目)

趣味はガーデニングと家庭菜園、外国旅行だが、新型コロナ禍と膝の不調、円安が重なり、今は外国行きは見合わせている。

「チュニジア」旅行(12)

2012年12月12日 | 海外旅行「北アフリカⅠ」チュニジア・モロッコ

《タメルザ渓谷の山岳オアシスを訪ねる》
塩湖を後にした私達は「トズール」の町でランチを食べた後、6人ずつ4WDに分乗して西側の隣国「アルジェリア」との国境近くにある三箇所の山岳オアシスに向かった。
ガイドブックによるとオアシスに向かう一般の交通手段はなく、個人で高額だが4WDをチャーターするしかないと書かれているので、今回の旅行の観光コースに組み込まれている事が嬉しかった。

それぞれが違う光景のオアシスだが、約30年前に起きた大洪水によって住居の大半は離れた場所に移り、今は数軒の土産店と素晴らしい景観だけが残っていた。
不毛の山岳大地の所々に湧き水が出たり、川が流れて地面を潤し、そこだけがなつめやしや野菜、果樹(イチジク、ザクロ、オレンジ、レモン)が育つ光景を見せていた。それがオアシスなのだ。

最初の入り口にある渓谷が「シェビカ」渓谷だ。4WDを降りて暫く渓谷を下って行くと、滝や小川が流れる絵の様に美しい谷が開けていた。
  

次に4DWが向かった「ミデス」渓谷は、上から見下ろすと深い渓谷が見て取れた。
まるでアメリカのグランドキャニオンさながらに地層がはっきりと刻まれていて、幅が狭く深く、水が流れて大地を侵食してできたのだと分かる。
地層を見ると、太古の昔、この地方は海の底にあって海底の土砂が堆積した後の地殻変動で隆起してできた事がわかる。
また、この山は、隣国アルジェリアからモロッコまで続く「アトラス山脈」の東の端に当たる山なのだ。
(そう聞くと数年前モロッコで、バスから降りて20分ほどアトラス山脈越えをした思い出が懐かしく蘇った)
映画「イングリッシュ・ペイシェント」で、主人公が夢の中で砂漠を彷徨うシーンが撮影された所としても有名だそうだ。

  

最後に訪れたのは「タメルザ」渓谷だった。
大きく開けていて滝がある美しい渓谷だが、川はアルジェリアの山から流れて来る水なので、そこが晴れていても急に大水が来たりする危険な場所だそうだ。
高台に土産屋が2~3あって、色々な色の砂をびんに詰めながら画く砂絵を売っていた。

  

  

この日は午前中は「塩湖」を見、午後はなかなか行けない「山岳オアシス」を巡る行程に満足した一日だった。


「チュニジア」旅行(11)

2012年12月12日 | 海外旅行「北アフリカⅠ」チュニジア・モロッコ

《チュニジアの中西部に広がる塩湖》
3日目、「マトマタ」から不毛の山を越えて西の「ドゥーズ」に向かった。
その途中で夕日が沈んだ。バスは日没直前に停車し、降りて沈む夕日を鑑賞した。どこで見る日没も同じ筈だが、チュニジアの大地の向こう(アルジェリア)に沈む陽を見て少し不思議な気持ちになった。

 




翌朝は宿泊した「ドゥーズ」のホテルを出、バスは57kmもの距離の直線道路を西北西の「トズール」目指して走り出した。
間もなく平らな白っぽい大平原が現れた。これが塩湖「ショット・エル・ジェリド」なのだった。
海抜0mの場所にあって、最大幅80km、最長200kmだというからその広さは想像ができない。
太古の昔、サハラ砂漠は海の底にあった。地球の大変動によって海底が隆起し、やがて太陽熱で海水が乾くと塩分濃度の濃い水ができ、やがてそこから塩が結晶するのだ。

バスが走っていると遠くに蜃気楼が現れた。また、小さなみやげ物店も点在していた。塩を採取している工場もあった。

 

途中でバスを下り、道路の両側に広がる「ショット・エル・ジェリド」に足を踏み入れた。表面は砂粒の様に塩が固まっているが、掘ると濃い塩水が出て来るのだった。
小さな山が幾つも作られていて、表面に塩の結晶が白花が咲くように噴き出していた。舐めると塩辛いが甘い。
私達が普段使っているエンカナトリウム99.1%の真っ白い精製塩と違って、無機質を沢山含む天然塩だからなのだ。私はとっさにビニール袋を取り出して、その結晶を爪で削って集めた。
見ていた他の人たちも同様にし出した。面白かった。
道路の反対側の店に行くと、採取したのと同じ塩がビニール袋に入って売られていた。可笑しかった。