佐野元春と大貫妙子の対談の前日
2月28日に教授の特別番組があり、こちらも録音して聴いていました。
NHK FM 40周年のジングルを教授が作曲。多部未華子のコメント。
「ビリーブ イン ミュージック ビリーブ イン ボイス」
こちらで試聴できます。(一番下です)
教授が8歳くらいの頃から試験放送があったらしい。
69年3月に本格的にNHK-FMが開始。
フリーケンシー・モジュレーション(周波数変調)
AMに代わってより音の良い音声、雑音も少ないものが開発され、より音楽番組に適したものとなった。
特に10代の頃から熱を入れていた番組があり
小泉文夫 という民族音楽の先生。
とても実力も・業績もある方で、56歳という若さで亡くなった。
僕が大きくなって東京芸術大学でも教えてられていて、僕も教わった訳ですけど。
その小泉文夫先生の紹介で世界中の民族音楽を聴くことが出来た。
様々な地域の民族音楽を聴ける唯一のものでした。
アーカイブスから聞いてみる。
(1)1965年「音楽クラブ」(教授 中学二年生) アイヌにおける伝統音楽について
出演:田辺秀雄と小泉文夫
国際会議に行くと日本の少数民族のアイヌの曲にはどういうのがあるんだと聞かれる。
最近は、同化政策で伝統的なものは薄まってきた。東北から関東にも地名が残っていたりします。
本は楽譜集なんだけど、貴重な解説が入っている。
アイヌのものは殆ど歌である。
アイヌ歌謡は更科源蔵さんが書いている本にはソノシートが付いている。
教授によると、この話で出てきた本が当時出たんですね、アイヌ伝統音楽というアカデミックでも貴重なものが出てた。僕も今でこそ、アイヌ文化に興味があって、数年前にアイヌの人に会いに行って、知り合いも出来て、踊りなんかも見せてもらったんですけど、こんな貴重な本があったなんて、復刻して欲しいですよね。
(2)1970年が第6回、五日間ぶっ通しで「アジア・文化音楽祭」の模様を小泉さんがホストで伝えている。
農牧業と漁業の歌「海の歌・農耕の歌・収穫と祭り・子守唄・まな踊り・信仰と器楽」
それぞれ面白くて、最後のやつを聴いてみましょうかね。貴重な民族音楽を集めて音楽祭をしているといことですよね。
アジア太平洋各地とヨーロッパの民族音楽を聴いてきました。
小泉文夫・とづかあやこ
南インドの音楽
広島県の「囃子だ」
田の神に祈る というのは農民の芸能であるが、田楽になると専門的で難しい。
山岳仏教と多神教が日本の宗教。
タイの小乗仏教:タイの仏教を賛美した音楽。仏陀の支配する仏陀の恵のあるタイ というような曲。
(子守唄のようにも聞こえる良い感じの曲です)
教授は、もっと聴いていたいほど。膨大な知識、小泉さん自身がフィールドワークに出られて踊りや音楽を集められ、こことここの音楽が似ているということで人類学や文化人類学のアプローチをされていた。僕も調べれば調べるほど面白く。特に日本の音楽ですよね。無数の関係の中で残ってきた、あるいは発達してきた音楽がどういうところの人のどういう音楽と関係しているのか。現代社会は刻々と変化していくので、出来るだけ早く調査して第二の人生があったらやりたいくらい。
芸大に行きたかった大きな理由は小泉さんの講義を聴きに行きたかったからと言っても過言ではないですね。
ソフトなタッチで、人としても研究者としても素晴らしい人で
何故か一度お宅にもお邪魔したことがあって、世界中から収集してきた楽器がむき出しで置いてあって、触っても良い。僕達に取っては夢のような。こういう研究者になるかどうか大学3年の時にかなり悩んだ。小泉さんの下で研究活動ができたら幸せだろうなと思いました。もしそうなったら今の僕は無かったわけですが、小泉さんが83年に亡くなるので晩年の番組ですが、シルクロードをテーマにしたのがあり、吉永小百合さんとキタローがゲストで話をされています。
シルクロードの音楽となればヨーロッパからアジアまで非常に長いですが、共通したものがある。
正倉院~イスタンブールまで
五弦琵琶や笛があるが、譜面があり復元できる。それを聴いてみましょう。
教授:シルクロードは一番わかりやすいかもしれませんね。色々な影響を受けて、長い歴史の勃興もあるわけで、仏教・イスラム教も出てくるわけで。例えば唐の都にはラクダもいたようですね。アラブ系の商人とかアフリカ系の人もいたのを文献で見たことがありますが、もしかしたら遣唐使とかと日本に来ていたかもしれませんが、小泉さんが仰っていたように、楽譜とかは残るわけですよね。琵琶を西へいくとリュートというのがあるんですよね。
北のシルクロード、南のシルクロード(僕が勝手に言っている)があって、海の方が速いんですよね。アラブやインドから日本に辿りついたこともあるんじゃないか。色んなところを辿っていって、日本とインドの民謡や楽器の使い方が似ているというのが出てくるかもしれない。本当に面白いですよね。今から転向しようかな?いろいろな想像力が刺激される。小泉さんはNHK-FMにとっても本当に大きな功績がある方ですよね。
(3)柴田 南雄(しばた みなお、1916年(大正5年)9月29日 - 1996年(平成8年)2月2日)は日本の作曲家、音楽評論家、音楽学者。東京帝国大学理学部出身。
主にクラッシック、現代音楽の紹介にとても功績のあった方です。
そういう音楽を聴ける場所が他にないんですよ。耳を更にして聴いていた記憶があります。
FM放送前のモノラルのものです。
微少な時間の間に複雑で精緻な音響現象がみられる作風が音楽の中に現れてくる。
ドビッシー、ストラビンスキーなどにみられる。やがてますます増大する音楽構造の複雑さや精密さに一つの統一を与えるためにある種の数列によって音楽の諸要素を強く統一しようと こういう傾向が生まれてきました。それを音程の面でやったのがシューンベルクの12音技法なのですが、近頃では更に発展してリズムや音の強さや個々の音符の表情に至るまで量と質とを一定の序列で厳格に規定する手法が現れました。
フランスのメシアンやブーレンが試みているところです。 また、単に精密さを求める以外に在来の楽器の音色や奏法を越えたところに新しい音響世界を求めようとする、そういう欲求もシバシバ見られます。例えばバルトークの弦楽四重奏の中には明らかに本来の弦楽四重奏の音色以外のものを求めた箇所があります。第4ん番第二楽章を聴いてみましょう。
こういう未知の音色への魅力あるいは音色配合への欲求はシェーンベルクによると音色旋律というアイデアを
生んでいます。これはメロディーの流れに従って音色も必然的に変化するものと考えるもので、具体的には一つつながりのメロディーが、ある楽器から他の楽器へと次々へと移っていく訳です。今、シェーンベルクの弟子のアントン・ウェーベルンの作品の中から九つの楽器の協奏曲の第二楽章をちょっと聴いてみたいと思います。これは音色旋律の一例ですが、また精緻なリズム構造をも かなりよく示しています。
ウェーベルンの作風こそが電子音楽の直接的な母体なのですが、ともかくこういう作風になると、もう音楽家が楽器を持ち、燕尾服を着て舞台に並ぶということが殆ど無意味になってきます。兎も角、現代音楽のこういう時期にこういう傾向の若い作曲家達が電子音楽を始めたわけで、機械装置の自由な駆使によってこの種の合奏に必要な明確性と確実性を与えることが出来ること、これは大変大きな利点です。つまり演奏による即興性や偶然性の入り込む余地がここには殆ど無いからです。耳慣れない電子もやがては音楽的に理解できる感覚像も出来るでしょうし、まあ兎も角、今までの音楽の表現しうる限界を突き抜けた広い音響世界に新しい合理的秩序をもった音の芸術を生み出そうと、こういうのが電子音楽作曲者達の抱負であるわけです。では、諸井誠・黛敏郎合作「七のバリエーション」(前衛的な曲)
教授:1956年に放送された現代の日本の音楽の柴田 南雄さんの解説でですね、諸井誠さん、黛敏郎さんの共作ですね。二人で作って「七のバリエーション」これが本当に日本の初期の電子音楽といわれる、二作目といったらよいかな。55年に黛敏郎さんが一人でNHK放技術研究所というところの協力で日本初の電子音楽、三つの作品が一つのシリーズになっているものなんですけれど、それを作りました。曲のタイトルも難しいんですけれど、素数の比系列による正弦波の音楽」というものと「素数の比系列による正弦変調波の音楽」「鋸波状波と短形波によるインヴェジョン」というものを作曲されましたね。今の放送の前の年、55年11月に放送で初演されたそうです。一年経って、今の「七(しち)のバリエーション」がまた11月に放送されたようですね。作品も面白いんですけども、柴田南雄さんが、どうしてこういう作品がこの時代に生まれるようになったのかを解説する部分が、今聞いて、ちょっと長かったんですけれど、凄く面白い。もう少しね柴田さんの番組のこういうものだった、というのを聴いてみたいんですけどね。時代は、正式にNHKFMが始まっているんですよね、1969年生まれて直後ですね。4月3日、ペンデルツキというポーランドの作曲家の「ルカ受難曲」という、これは日本初演なんですけど、この頃は正に僕が耳を更にして聴いていた頃です。
(女性アナウンサーの声で)「音楽の贈り物」
この番組はステレオ放送でございますので・・・左右のスピーカーの調度真ん中から音が聞こえるように調整して聴いてください。・・・(新鮮です。ステレオ放送が始まったばかり、カラーテレビや地上デジタル放送が始まるときに解説をしているようでもある)
ペンデルツキ作曲「ルカ受難曲」第一部
柴田南雄さんの解説:キリスト教には、教会暦と言いまして一年が色々なキリスト教的に何か意味づけられていまして、丁度只今は「受難の週間」と言いまして、明日、4月4日の金曜日がキリストが十字架上で死んだ日ということになっている訳です。で、三日経った今度の日曜日がキリストの復活の日、いわゆる復活祭ですね。非常な悲しみの日が続き、日曜日は喜ばしい復活ということになる訳ですね。劇的な季節である訳です。ところで、それち因みまして、さっき紹介がありましたようにペンデルツキの「ルカの受難曲」これを聴いていただく訳ですけれども、西洋音楽とキリスト教とは非常に密接でございますから、中世以来のお祈りの音楽の中で、或いは、典礼暦といって、そういったキリストの色々な事跡を暦に仕組んだものが中世以来沢山ありましたけれども、そういうものの中でこの受難は色々と扱われてきた訳です、でご承知のように新約聖書の4つの福音書この中にキリストの受難の前後のことが詳しくそれぞれに書かれて、多少それぞれ差がありますが、ほとんど大筋は同じではある訳ですね、マタイ伝であれば26章と27章にそれが書かれている。ヨハネ伝であれば19章と20章、そしてこのルカ伝では22章・23章ですか。そういうところにこれが書かれていて、古来、作曲家達はそれを取り上げて色々な音楽の形に仕組んでいる訳です。ところで、今日聴きます、クリストフ・ペンデルツキはポーランド生まれのまだ30歳半ばの若い世代の作曲家です。ポーランドと言えば共産圏の作曲家ですが、ご承知のようにポーランドは中世以来のカトリックの国でもあります。ペンデルツキも前衛的な態度の作曲家ではありますが、事実そういう作品が多かったんですが、ここ数年来、キリスト教的な自分の信仰というものと関連のある音楽を書き始め、そしてまたバッハがマタイ受難曲とそしてヨハネ受難曲と傑作を書いているので、自分はルカの受難曲を書くことにしたとそういう告白をしています。ご承知のようにキリストの受難というものは新約聖書のはじめの4つの書物、つまりマタイ伝とマルコ伝とルカ伝とヨハネ伝、それぞれの中にだいたい最後は違いますが、同じように記述されている訳ですね。ですから、昔からそれらのどれかによって作曲されている訳です。ところが、このペンデルツキの場合には、ルカ伝によると言っても、昔の作曲家のようにルカ伝の22章・23章に受難のことが書かれている訳ですが、それらを全部とっている訳でありません。章の中の5割弱ですね、の部分を歌詞に使い、そして、それ以外のところはヨハネ伝からも少し使い、また、エレニア哀歌であるとか、詩篇であるとか、そういうものもペンデルツキは自由にこの中に取り入れえています。さて、ペンデルツキの作風ですが、さっきも一寸申し上げましたように、まあ、例えば弦楽四重奏といっても殆どバイオリンがメロディーを弾くことは彼の場合無い訳ですね。弾いたり、叩いたり、叩くと言っても弦でなくバイオリンの楽器そのものを叩いたり、あるいは弓でこすると言っても、弓の毛の方でなく、木の方でですね、キューキューこすったり、ポンポン叩いたり、そういう風にしてバイオリンならバイオリンの楽器の伝統的な使い方ではなく打楽器と言いますか、まあそこからあらゆる音を引き出すというやり方です。例えば広島への犠牲者への哀歌と「トレノス」という曲を書いていますが、これは弦楽合奏の曲ですけれども、どこでも殆どメロディーや伴奏という感じではなくて、もう弦楽器が一つの塊となってトーンクラスターと言いますが、雑音の塊のような響きを出すと、そういうことで今まで表現できなかった劇的なもの、あるいは、その現代の感覚というものを出している訳です。これから聴きます「ルカの受難曲」もまあラテン語で歌詞が歌われていきますから、今申し上げたほどでは在りませんが、しかし、合唱と言い、オーケストラの部分と言い、これまでの常識では出来ない非常な難曲であり、思いがけない音の感覚を撒き散らしているというようなものです。
丁度ペンデルツキが30歳の、1963年に西ドイツのケルンの放送局でこの曲を委嘱してミュンスターと言う所でもって丁度受難の週間に初演されました。ケルンから北に120キロほど行ったミュンスターという所で、1265年に完成した大伽藍があるんですよね、そこの丁度完成700年記念、1965年がそれに当たるわけですね、その翌春に初演されたわけです。
今日聴いていただく第一部は大体キリストの受難のところですね、来週がキリストの死のところですが、受難の部分これはルカ伝の22章の半ばごろの大体有名なオリーブの山でキリストが祈るところから始まります。その前に祈祷書によるコーラスのところが一寸あって、それから福音詩歌が出てきて、キリストがオリーブ山に行き、みんなに誘惑に陥らないように祈りなさいと有名なところが始まります。そのうち、十二弟子の一人のユダ、これがキリストに接吻しようと思って、キリストに近づくと、「あなたは接吻をして人の子を裏切るのか」とキリストが言う、そういったところが歌われていきます。やがてキリストが惹かれていく、そして人々がキリストを徴し、打つ。そしてとうとう十字架につけよ、彼を十字架に付けよと人々がわめきたてる。そういったところまでが今日の内容です。
約40分の演奏です。「ルカ受難曲」
これも本当に懇切丁寧な説明でね。子供の頃からよく印象深く覚えているのはですね感じているのは非常に活舌が良いんですよね柴田さん。アナウンサーみたいな喋り方で放送向きだなと思って、まあ沢山番組をやってらっしゃったのもわかる気がする。僕と正反対(笑)、えーとですね、大阪万博、岡本太郎さんの太陽の塔が有名ですけども、実はね当時の現代音楽の作曲家が殆どが関っていたというぐらいに音楽的にとても内容の濃い万博だったんですね。勿論日本からも黛さんも関っておられましたし、太陽の塔があるセンターパビリオンと言うんですかね、あの辺もみんな関っていました。そして月光館とかですねペプシ館とか企業とか他のパビリオンでも、勿論日本だけではなく、シュトックハウゼンも来ましたし、ギリシャ生まれフランス人のクセナキシュも来ましたし(ルーマニア生まれのギリシャ人?)、かなり意欲的な作品をやりました。僕は丁度18だったのかな。70年、もちろん見に行きました。生シュトックハウゼンを見ましたね。(笑)ドイツ館だったと思いますけども、他にも武満さんや高橋悠治さんや湯浅譲二さんとかですね、新旧取り混ぜて殆どの作曲家が関ってて、とてももう到底一日では見切れない、分厚い内容の万博だったんですね。日本の現代音楽の一番盛り上がっていた時かもしんないですね、あれはね。
ジングル
後半はサウンドストリート
81年4月からの話です。
2月28日に教授の特別番組があり、こちらも録音して聴いていました。
NHK FM 40周年のジングルを教授が作曲。多部未華子のコメント。
「ビリーブ イン ミュージック ビリーブ イン ボイス」
こちらで試聴できます。(一番下です)
教授が8歳くらいの頃から試験放送があったらしい。
69年3月に本格的にNHK-FMが開始。
フリーケンシー・モジュレーション(周波数変調)
AMに代わってより音の良い音声、雑音も少ないものが開発され、より音楽番組に適したものとなった。
特に10代の頃から熱を入れていた番組があり
小泉文夫 という民族音楽の先生。
とても実力も・業績もある方で、56歳という若さで亡くなった。
僕が大きくなって東京芸術大学でも教えてられていて、僕も教わった訳ですけど。
その小泉文夫先生の紹介で世界中の民族音楽を聴くことが出来た。
様々な地域の民族音楽を聴ける唯一のものでした。
アーカイブスから聞いてみる。
(1)1965年「音楽クラブ」(教授 中学二年生) アイヌにおける伝統音楽について
出演:田辺秀雄と小泉文夫
国際会議に行くと日本の少数民族のアイヌの曲にはどういうのがあるんだと聞かれる。
最近は、同化政策で伝統的なものは薄まってきた。東北から関東にも地名が残っていたりします。
本は楽譜集なんだけど、貴重な解説が入っている。
アイヌのものは殆ど歌である。
アイヌ歌謡は更科源蔵さんが書いている本にはソノシートが付いている。
教授によると、この話で出てきた本が当時出たんですね、アイヌ伝統音楽というアカデミックでも貴重なものが出てた。僕も今でこそ、アイヌ文化に興味があって、数年前にアイヌの人に会いに行って、知り合いも出来て、踊りなんかも見せてもらったんですけど、こんな貴重な本があったなんて、復刻して欲しいですよね。
(2)1970年が第6回、五日間ぶっ通しで「アジア・文化音楽祭」の模様を小泉さんがホストで伝えている。
農牧業と漁業の歌「海の歌・農耕の歌・収穫と祭り・子守唄・まな踊り・信仰と器楽」
それぞれ面白くて、最後のやつを聴いてみましょうかね。貴重な民族音楽を集めて音楽祭をしているといことですよね。
アジア太平洋各地とヨーロッパの民族音楽を聴いてきました。
小泉文夫・とづかあやこ
南インドの音楽
広島県の「囃子だ」
田の神に祈る というのは農民の芸能であるが、田楽になると専門的で難しい。
山岳仏教と多神教が日本の宗教。
タイの小乗仏教:タイの仏教を賛美した音楽。仏陀の支配する仏陀の恵のあるタイ というような曲。
(子守唄のようにも聞こえる良い感じの曲です)
教授は、もっと聴いていたいほど。膨大な知識、小泉さん自身がフィールドワークに出られて踊りや音楽を集められ、こことここの音楽が似ているということで人類学や文化人類学のアプローチをされていた。僕も調べれば調べるほど面白く。特に日本の音楽ですよね。無数の関係の中で残ってきた、あるいは発達してきた音楽がどういうところの人のどういう音楽と関係しているのか。現代社会は刻々と変化していくので、出来るだけ早く調査して第二の人生があったらやりたいくらい。
芸大に行きたかった大きな理由は小泉さんの講義を聴きに行きたかったからと言っても過言ではないですね。
ソフトなタッチで、人としても研究者としても素晴らしい人で
何故か一度お宅にもお邪魔したことがあって、世界中から収集してきた楽器がむき出しで置いてあって、触っても良い。僕達に取っては夢のような。こういう研究者になるかどうか大学3年の時にかなり悩んだ。小泉さんの下で研究活動ができたら幸せだろうなと思いました。もしそうなったら今の僕は無かったわけですが、小泉さんが83年に亡くなるので晩年の番組ですが、シルクロードをテーマにしたのがあり、吉永小百合さんとキタローがゲストで話をされています。
シルクロードの音楽となればヨーロッパからアジアまで非常に長いですが、共通したものがある。
正倉院~イスタンブールまで
五弦琵琶や笛があるが、譜面があり復元できる。それを聴いてみましょう。
教授:シルクロードは一番わかりやすいかもしれませんね。色々な影響を受けて、長い歴史の勃興もあるわけで、仏教・イスラム教も出てくるわけで。例えば唐の都にはラクダもいたようですね。アラブ系の商人とかアフリカ系の人もいたのを文献で見たことがありますが、もしかしたら遣唐使とかと日本に来ていたかもしれませんが、小泉さんが仰っていたように、楽譜とかは残るわけですよね。琵琶を西へいくとリュートというのがあるんですよね。
北のシルクロード、南のシルクロード(僕が勝手に言っている)があって、海の方が速いんですよね。アラブやインドから日本に辿りついたこともあるんじゃないか。色んなところを辿っていって、日本とインドの民謡や楽器の使い方が似ているというのが出てくるかもしれない。本当に面白いですよね。今から転向しようかな?いろいろな想像力が刺激される。小泉さんはNHK-FMにとっても本当に大きな功績がある方ですよね。
(3)柴田 南雄(しばた みなお、1916年(大正5年)9月29日 - 1996年(平成8年)2月2日)は日本の作曲家、音楽評論家、音楽学者。東京帝国大学理学部出身。
主にクラッシック、現代音楽の紹介にとても功績のあった方です。
そういう音楽を聴ける場所が他にないんですよ。耳を更にして聴いていた記憶があります。
FM放送前のモノラルのものです。
微少な時間の間に複雑で精緻な音響現象がみられる作風が音楽の中に現れてくる。
ドビッシー、ストラビンスキーなどにみられる。やがてますます増大する音楽構造の複雑さや精密さに一つの統一を与えるためにある種の数列によって音楽の諸要素を強く統一しようと こういう傾向が生まれてきました。それを音程の面でやったのがシューンベルクの12音技法なのですが、近頃では更に発展してリズムや音の強さや個々の音符の表情に至るまで量と質とを一定の序列で厳格に規定する手法が現れました。
フランスのメシアンやブーレンが試みているところです。 また、単に精密さを求める以外に在来の楽器の音色や奏法を越えたところに新しい音響世界を求めようとする、そういう欲求もシバシバ見られます。例えばバルトークの弦楽四重奏の中には明らかに本来の弦楽四重奏の音色以外のものを求めた箇所があります。第4ん番第二楽章を聴いてみましょう。
こういう未知の音色への魅力あるいは音色配合への欲求はシェーンベルクによると音色旋律というアイデアを
生んでいます。これはメロディーの流れに従って音色も必然的に変化するものと考えるもので、具体的には一つつながりのメロディーが、ある楽器から他の楽器へと次々へと移っていく訳です。今、シェーンベルクの弟子のアントン・ウェーベルンの作品の中から九つの楽器の協奏曲の第二楽章をちょっと聴いてみたいと思います。これは音色旋律の一例ですが、また精緻なリズム構造をも かなりよく示しています。
ウェーベルンの作風こそが電子音楽の直接的な母体なのですが、ともかくこういう作風になると、もう音楽家が楽器を持ち、燕尾服を着て舞台に並ぶということが殆ど無意味になってきます。兎も角、現代音楽のこういう時期にこういう傾向の若い作曲家達が電子音楽を始めたわけで、機械装置の自由な駆使によってこの種の合奏に必要な明確性と確実性を与えることが出来ること、これは大変大きな利点です。つまり演奏による即興性や偶然性の入り込む余地がここには殆ど無いからです。耳慣れない電子もやがては音楽的に理解できる感覚像も出来るでしょうし、まあ兎も角、今までの音楽の表現しうる限界を突き抜けた広い音響世界に新しい合理的秩序をもった音の芸術を生み出そうと、こういうのが電子音楽作曲者達の抱負であるわけです。では、諸井誠・黛敏郎合作「七のバリエーション」(前衛的な曲)
教授:1956年に放送された現代の日本の音楽の柴田 南雄さんの解説でですね、諸井誠さん、黛敏郎さんの共作ですね。二人で作って「七のバリエーション」これが本当に日本の初期の電子音楽といわれる、二作目といったらよいかな。55年に黛敏郎さんが一人でNHK放技術研究所というところの協力で日本初の電子音楽、三つの作品が一つのシリーズになっているものなんですけれど、それを作りました。曲のタイトルも難しいんですけれど、素数の比系列による正弦波の音楽」というものと「素数の比系列による正弦変調波の音楽」「鋸波状波と短形波によるインヴェジョン」というものを作曲されましたね。今の放送の前の年、55年11月に放送で初演されたそうです。一年経って、今の「七(しち)のバリエーション」がまた11月に放送されたようですね。作品も面白いんですけども、柴田南雄さんが、どうしてこういう作品がこの時代に生まれるようになったのかを解説する部分が、今聞いて、ちょっと長かったんですけれど、凄く面白い。もう少しね柴田さんの番組のこういうものだった、というのを聴いてみたいんですけどね。時代は、正式にNHKFMが始まっているんですよね、1969年生まれて直後ですね。4月3日、ペンデルツキというポーランドの作曲家の「ルカ受難曲」という、これは日本初演なんですけど、この頃は正に僕が耳を更にして聴いていた頃です。
(女性アナウンサーの声で)「音楽の贈り物」
この番組はステレオ放送でございますので・・・左右のスピーカーの調度真ん中から音が聞こえるように調整して聴いてください。・・・(新鮮です。ステレオ放送が始まったばかり、カラーテレビや地上デジタル放送が始まるときに解説をしているようでもある)
ペンデルツキ作曲「ルカ受難曲」第一部
柴田南雄さんの解説:キリスト教には、教会暦と言いまして一年が色々なキリスト教的に何か意味づけられていまして、丁度只今は「受難の週間」と言いまして、明日、4月4日の金曜日がキリストが十字架上で死んだ日ということになっている訳です。で、三日経った今度の日曜日がキリストの復活の日、いわゆる復活祭ですね。非常な悲しみの日が続き、日曜日は喜ばしい復活ということになる訳ですね。劇的な季節である訳です。ところで、それち因みまして、さっき紹介がありましたようにペンデルツキの「ルカの受難曲」これを聴いていただく訳ですけれども、西洋音楽とキリスト教とは非常に密接でございますから、中世以来のお祈りの音楽の中で、或いは、典礼暦といって、そういったキリストの色々な事跡を暦に仕組んだものが中世以来沢山ありましたけれども、そういうものの中でこの受難は色々と扱われてきた訳です、でご承知のように新約聖書の4つの福音書この中にキリストの受難の前後のことが詳しくそれぞれに書かれて、多少それぞれ差がありますが、ほとんど大筋は同じではある訳ですね、マタイ伝であれば26章と27章にそれが書かれている。ヨハネ伝であれば19章と20章、そしてこのルカ伝では22章・23章ですか。そういうところにこれが書かれていて、古来、作曲家達はそれを取り上げて色々な音楽の形に仕組んでいる訳です。ところで、今日聴きます、クリストフ・ペンデルツキはポーランド生まれのまだ30歳半ばの若い世代の作曲家です。ポーランドと言えば共産圏の作曲家ですが、ご承知のようにポーランドは中世以来のカトリックの国でもあります。ペンデルツキも前衛的な態度の作曲家ではありますが、事実そういう作品が多かったんですが、ここ数年来、キリスト教的な自分の信仰というものと関連のある音楽を書き始め、そしてまたバッハがマタイ受難曲とそしてヨハネ受難曲と傑作を書いているので、自分はルカの受難曲を書くことにしたとそういう告白をしています。ご承知のようにキリストの受難というものは新約聖書のはじめの4つの書物、つまりマタイ伝とマルコ伝とルカ伝とヨハネ伝、それぞれの中にだいたい最後は違いますが、同じように記述されている訳ですね。ですから、昔からそれらのどれかによって作曲されている訳です。ところが、このペンデルツキの場合には、ルカ伝によると言っても、昔の作曲家のようにルカ伝の22章・23章に受難のことが書かれている訳ですが、それらを全部とっている訳でありません。章の中の5割弱ですね、の部分を歌詞に使い、そして、それ以外のところはヨハネ伝からも少し使い、また、エレニア哀歌であるとか、詩篇であるとか、そういうものもペンデルツキは自由にこの中に取り入れえています。さて、ペンデルツキの作風ですが、さっきも一寸申し上げましたように、まあ、例えば弦楽四重奏といっても殆どバイオリンがメロディーを弾くことは彼の場合無い訳ですね。弾いたり、叩いたり、叩くと言っても弦でなくバイオリンの楽器そのものを叩いたり、あるいは弓でこすると言っても、弓の毛の方でなく、木の方でですね、キューキューこすったり、ポンポン叩いたり、そういう風にしてバイオリンならバイオリンの楽器の伝統的な使い方ではなく打楽器と言いますか、まあそこからあらゆる音を引き出すというやり方です。例えば広島への犠牲者への哀歌と「トレノス」という曲を書いていますが、これは弦楽合奏の曲ですけれども、どこでも殆どメロディーや伴奏という感じではなくて、もう弦楽器が一つの塊となってトーンクラスターと言いますが、雑音の塊のような響きを出すと、そういうことで今まで表現できなかった劇的なもの、あるいは、その現代の感覚というものを出している訳です。これから聴きます「ルカの受難曲」もまあラテン語で歌詞が歌われていきますから、今申し上げたほどでは在りませんが、しかし、合唱と言い、オーケストラの部分と言い、これまでの常識では出来ない非常な難曲であり、思いがけない音の感覚を撒き散らしているというようなものです。
丁度ペンデルツキが30歳の、1963年に西ドイツのケルンの放送局でこの曲を委嘱してミュンスターと言う所でもって丁度受難の週間に初演されました。ケルンから北に120キロほど行ったミュンスターという所で、1265年に完成した大伽藍があるんですよね、そこの丁度完成700年記念、1965年がそれに当たるわけですね、その翌春に初演されたわけです。
今日聴いていただく第一部は大体キリストの受難のところですね、来週がキリストの死のところですが、受難の部分これはルカ伝の22章の半ばごろの大体有名なオリーブの山でキリストが祈るところから始まります。その前に祈祷書によるコーラスのところが一寸あって、それから福音詩歌が出てきて、キリストがオリーブ山に行き、みんなに誘惑に陥らないように祈りなさいと有名なところが始まります。そのうち、十二弟子の一人のユダ、これがキリストに接吻しようと思って、キリストに近づくと、「あなたは接吻をして人の子を裏切るのか」とキリストが言う、そういったところが歌われていきます。やがてキリストが惹かれていく、そして人々がキリストを徴し、打つ。そしてとうとう十字架につけよ、彼を十字架に付けよと人々がわめきたてる。そういったところまでが今日の内容です。
約40分の演奏です。「ルカ受難曲」
これも本当に懇切丁寧な説明でね。子供の頃からよく印象深く覚えているのはですね感じているのは非常に活舌が良いんですよね柴田さん。アナウンサーみたいな喋り方で放送向きだなと思って、まあ沢山番組をやってらっしゃったのもわかる気がする。僕と正反対(笑)、えーとですね、大阪万博、岡本太郎さんの太陽の塔が有名ですけども、実はね当時の現代音楽の作曲家が殆どが関っていたというぐらいに音楽的にとても内容の濃い万博だったんですね。勿論日本からも黛さんも関っておられましたし、太陽の塔があるセンターパビリオンと言うんですかね、あの辺もみんな関っていました。そして月光館とかですねペプシ館とか企業とか他のパビリオンでも、勿論日本だけではなく、シュトックハウゼンも来ましたし、ギリシャ生まれフランス人のクセナキシュも来ましたし(ルーマニア生まれのギリシャ人?)、かなり意欲的な作品をやりました。僕は丁度18だったのかな。70年、もちろん見に行きました。生シュトックハウゼンを見ましたね。(笑)ドイツ館だったと思いますけども、他にも武満さんや高橋悠治さんや湯浅譲二さんとかですね、新旧取り混ぜて殆どの作曲家が関ってて、とてももう到底一日では見切れない、分厚い内容の万博だったんですね。日本の現代音楽の一番盛り上がっていた時かもしんないですね、あれはね。
ジングル
後半はサウンドストリート
81年4月からの話です。
こうした解説を聞いてから「ルカ受難曲」の意味合いとかを知ると聴き方が変わってきますね。音楽の授業で良い要素の一つには、こうした聞きなれない音楽を勉強できるところにあると思うのですが、ラジオやwebでこうしたものをアーカイブで流してくれたら良いと思います。
後半は、サウンドストリートのwebで公開されている内容なので、おそらく起こさないと思います。ごめんなさい。
膨大な量と、その内容、さぞ大変だったのでは?
現代音楽史の授業のような内容にビックリしました(^^;)。
ありがとうございます。
後半も楽しみにしています♪
いつも拝見させて頂いてます。
ANTONY AND JOHNSONSも買っちゃいました{笑}
教授のツアーには殆ど同行されておられるのですか?
mixiが気になりますが、BLOGでのアップも楽しみにしてますのでよろしくお願いします。
ツアーパンフレットは魅力的なのですが、新作よりも高いのが気になるところです。もっと安ければ有難いのですが(笑)
でも、きっと買います。
実はこれまだ半分なんですよ。って書いてましたね{笑}
自分で記録を残しているだけではなくて一人でも多くの人に楽しんでいただけると嬉しいです。
いつも寄せて頂く どい さんに佐野さんのラジオ内容とか聞き逃したものを読ませていただいたりしてますので、こういうエントリーがたまにあっても良いかなと思ってます。
skysongさんのところでコメントされていた、教授のツアー・ブックのCDですが、内容は二枚で30曲。その内、25曲は未発表音源です。2005年のツアーや新録など。詳細はskysongさんにお任せしますが、ここでしか聞けない音源が殆どで、一般発売はありません。
今日はツアーは休みで明日京都に行きます。来週末には大阪ですね。今回もスタッフとして動向いたしております。
僕の方のブログで色々取り上げようとは思っていたのですが、日程がかなり多いのでmixiの方ばっかりにアップしちゃってます。
非常に興味深く拝見させていただきました。
僕のように録音や録画をめんどくさがる輩には、
こういうエントリーは助かります。
これを打つのは大変でした^^;
まだ半分ほどあるのですが、当時放送されたサウンドストリートはweb上で期間限定でしょうけれど今は聴くことができますので、教授が10代に聴いていた頃の放送内容を途中から反訳してみました。
人名など調べるのが大変でした{ハッピー}
昨夜のテレビのNHK FM40周年の特番はlatifaさんと同じようなペースでチラチラ見ていました。
佐野元春の出演した部分はしっかり見ていましたけど{超びっくり}
すごいです・・・これ、打つのすごく大変だったのではないでしょうか?^^
この番組は聞いていなかったのですが、聞き逃した方には、この記事が神!と思えるはずです!!
それと、下の本の番組、情報とっても嬉しかったです♪
が・・・その本にいまひとつ興味がわいて来ないんですよ・・・。
昨日の夜は、10時からFMについての特番を見てました。
アルフィーが出演していて・・・正直、あんまりアルフィーには全然興味がなかったので、それ以外の部分だけ(エアチェックとか、懐かしの番組とか)耳を傾けていました☆