0-3で敗戦。
3戦連続逆転負けという異常事態には、終止符が打たれました。
けれど。3失点無得点で惨敗しても良いとは、誰も言っていない。
お互いに3連敗からの脱出を図る試合となった今節。けれど、残酷なまでに差のある内容、結果となってしまったのでした。
連敗脱出のために全力を尽くして勝ちに行くという、しなければならないことをあたりまえのようにやって、それを見事に勝利に結びつけた鳥取。
対して、勝利への意思をみせられずに自ら劣勢を招き、当然のように負けたカターレ。
ホーム戦であったにもかかわらず、勝利を信じて詰めかけたファン・サポーターの期待にまったく応えられず、裏切る結果に。
あえて厳しい言葉で言うなら。恥の上塗りしかできませんでした。
今節、岡に代わって田中 勘太が初出場・初スタメンでJデビュー。プロとしての第一歩を踏み出すこととなりました。
前節、自らのキャッチミスが失点に直結、ひとつ敗戦のきっかけにもしてしまった岡。懲罰交代・・・なのかはともかく。大卒ルーキーである勘太に、公式戦初出場のチャンスが巡ってきたのでした。
喫緊の課題であるところの守備の安定。それに向けて手を打った、ということなのでしょうが、今季初の3バックを設定。やはり3バックである鳥取にあわせるかたちで臨むことに。
今季初となるホームでの14時開始試合。曇り空ながらも雨の心配もないなかで、風の影響もほとんどない良ピッチコンディションでの試合となったのでした。
試合は序盤から拮抗した展開。なかなか決定的なチャンスを作れない一方で、相手にもそれを許さずにしのぐという。
そんななかで感じたのが、今節の主審は、なかなか笛を吹かないな、ということ。
これまでであれば同じようなシチュエーションでは吹かれてファウル判定、流れを止められていたであろう場面でも、流されたり。
とかく、ホーム・アウェイかかわらず、なぜかカターレ側に不利なジャッジが多かったように感じたのは、贔屓目だけではなかったと思えたなかで。
だからこそ、しっかりとプレーしきる必要がありました。
そんな展開が続く中、前半の中盤、飲水タイムくらいの時間帯になって、両チーム合わせてこの試合初めてのCKのチャンスをつかんだカターレ。
流れの中で得点できないならば、せめてセットプレーから!ということで、ここまで得点を続けてきました。そう、前回鳥取戦で零封負けを喫して以来、たとえ勝てずとも得点は挙げてきたなかで。
しかし・・・続けてのCKも、どうにも決められず。
こういう状況においては。サッカーでよく語られるところのジンクスーーー「決めなければならないチャンスで決めきれないと、あとで手痛いしっぺ返しを食らうことになる」というものがありますが。
まさに。
それを思い知られたのが、せめてスコアレスで折り返さねばならなかったはずの39分。
これまで通り、というか・・・またも、守備のほころびを突かれるかたちでの失点により、先制を許してしまうことに。
これによって、3試合連続で先制点を挙げながら逆転負けという流れはストップ。逆に、最低2点を挙げて逆転勝ちをしなければならない必要に迫られることとなってしまったのでした。
後半に入っては、鳥取ペース。デビュー戦であるところの勘太の奮闘ぶりがなければ決められてしまっていた場面も。
そんななか、やはり決定機を作り出せないままのカターレ。
いや、実際はそれ以前の問題だったのですが。
パスを回しつつチャンスをうかがう、それ自体はいいのですが・・・それが、得点に繋げるためのパス回しになっていない。
相手に対して脅威を与えるための攻めには、全然なっていませんでした。
どこに向けて、誰に向けて出すかを考慮しつつ、最適解を模索しながらのパス回し。それに固執するあまり、パスのためのパスになってしまっていた。
そもそも、なんのためにパスをするかといえば、最終的に得点するためであって。
パスは、その手段に過ぎないはず。
なのに・・・ボールを失うまいとするばかりに、繋ぐことだけが目的になってしまい、ゴールを挙げるためという果たすべき役割を欠いてしまっているようにしか見えませんでした。
これも何度も書いてきていることですが・・・得点に、芸術点は無い。
パズルゲームや格闘ゲームなんかで言うところの連鎖、コンボが繋がった、美しいかたちでのゴールだから得点2倍、3倍!なんてことにはなりません。
逆に言えば、どんなにへなちょこなシュートであろうが、入れば1点であり。それだって、そもそもシュートを放たなければ得られやしません。
なのに、なにをやっているのかと。
ゴールに向かっていかずに、ただ繋がりさえすればそれでいいという最適解を模索しながらのパス回し。得点そっちのけで。
それでも。
途中交代で久々の出場となった松原が登場、彼の代名詞でもあるロングスローが久方ぶりに県総で披露されたときには、スタジアムも沸きました。
そして、74分。
やはり途中出場の戸高がペナルティーエリア内で倒され、PKを獲得。まさに千載一遇というチャンスを得ました。
これまでのPKでは武がキッカーを務めていたものの、このときにはまだ控えから出場しておらず。そのまま戸高がキックすることに。
そう、どんなかたちであれ、1点は1点。かたちにこだわる必要なんてない。まずは同点に追いつくために、しっかりと決めねば!
しかし。
思わず、「素直かっ!」と呟いてしまいました。
雰囲気か、あるいは所作か。いずれにせよ、バレバレだったのかもしれません。グラウンダーのボールを阻止され、千載一遇のチャンスをフイに。
そもそも、シーズンを通じて1回もPKが無かった年もあるくらいに、機会そのものが少ないカターレにとってのPK。そのなかにあって、失敗した回数も、悪印象という理由以上に多いと思えるのは・・・気のせいではありません。
なんというか・・・簡単にプレッシャーにのまれてくれるなよ、と。
キッカーが圧倒的に有利であり、むしろ決めてあたりまえ。プレッシャー以上に、得点を挙げるチャンスという認識で臨まねばならないところ。
そもそも、1点のビハインド、逆転勝利のためには2点、あるいはそれ以上が必要なシチュエーション。プレッシャー云々を言っている場合ではないなかで。
ハッキリ言って、意識不足。
是が非でも逆転してやるぜ!という意識を攻勢に繋げて得点を狙う、というプレーがとにかく足りない状態だったなか、得たPK。それを駆け引きもなく執念も足りずに蹴った結果、失敗してしまっても・・・それは、当然とさえ言えるところ。
コロナ禍の影響で大声を出しての応援が出来ないなかで。
スタンドからのやるせないため息というものは、しっかりとピッチまで届いたはずです。
その後も、やはり逆転への執念を見せつけるような攻めは出来ずじまい。
逆に、「いつも通りの展開」。
前半と同じように、キックオフから38分という時間帯で。やはり守備の乱れを突かれての失点で、2点目を決められ。
さらにその直後、ダメ押しの3点目を決められて万事休す。
意地を見せることもできずに無得点で敗れ去り、4連敗となってしまったのでした。
試合後、敵将たる高木監督は、「3連敗したぐらいじゃ僕らは死にません。僕らは生きています 」とコメントしました。
それだけ確たる信念をもって、屈してたまるか!という気概をもって試合に臨んでいたということ。
それを裏付けるかのように、試合中にはエキサイトしてしまってイエローカードを食らう場面も。
そこまで、真摯に試合に向き合い、勝利を渇望していたということ。
そんな鳥取に対して、カターレはどうか?
前述のとおり。
やっていたのは、パスのためのパスを繋ぐような、ゴールへ向き合っていない、勝利へ向き合っていないサッカー。
そんなことをしていて負けたって、当たり前だろうが!!
試合後、うつむく選手たちが挨拶に来ても、ねぎらいの拍手をすることは出来ませんでした。
コロナ禍でなければ、どんなキツイ言葉をぶつけていたことか。
得られるものが無い、4連敗。
他方、失ったものと言えば、これまで鳥取に1度もホームで敗れたことが無かったという実績でしょうか。
本当に現状打破をしたいのか、本当に勝利を望んでいるのか、疑問に思わざるを得ないレベル。
こんなことを続けていたところで、待っているのは失望だけです。なにも得られやしません。失うだけです。
それでも、容赦なくやってくる次の試合。カターレの都合など考慮してはくれません。
そんななか、やらねばならないことはなにか?
「次につなげたい」とか、通り一辺倒のコメントを出すことではないでしょう。
しょうがない、で済ませても恥じないならば別ですが。
1分、1秒でも早くこの苦境を脱すること。
そのために万難を排して、全身全霊を以て勝ちに行くことでしかないはず。
次節まで、中3日。
自信喪失している暇など、ありはしません。
そんな暇があるならば、勝つことだけを考えるべきです。
これ以上、無様をさらしてくれるな。そう願うのみです。