3-0で勝利!
中2日おきのホーム3連戦の3戦目。3戦連続で落としてホームのファン・サポーターの期待を裏切るわけにはいかないなかで。
ただでさえタイトなスケジュールであったことに加えて、試合中降り続いた雨、さらに風の影響もあり、いつにも増して難しいなかでの試合となりましたが。
必勝を期して、皆が集中している様が見て取れました。
いつもであれば日和ってしまっていたであろうシュートチャンスで、しっかりと決めきる勇気をもって、先制。
2回連続で失敗し、それが響いて勝てなかったPK。前の2試合連続で失点につながり、勝利を逃したPK。
しかし、今回こそはしっかりと決めて、その呪いを解くことに成功。突き放す2点目。
さらにはダメ押しとなる3得点目も加え。
守っても無失点に抑え込み。
シーズン開幕当初には続けざまにみられていたものの、最近はパッタリとなくなってしまっていた勝利パターン。
実に2か月ぶりに、会心の勝利がホームのファン・サポーターの前に帰ってきたのでした。
日曜の岩手戦そのままではないにせよ、やはり水曜の八戸戦からは大きくメンバー変更して臨むこととなった今節。
後半途中からの出場だった松澤がスタメンに、という連続出場はともかくとして。
中2日というスケジュールの中で、前節スタメンで途中交代した馬渡が連続スタメン、前節フル出場した戸根が今節もスタメンとなったのは、いささか意外な気もしました。
午前中は止んでいた雨も試合開始2時間ほど前から降り始めて。試合開始時刻頃には一旦青空も見えたものの、再び降り始め、時折強くなりながら、雨の中での試合となりました。
ボールが転がりにくく、さらに風の影響も考慮しなければならない。いつも以上に試合に集中する姿勢が求められました。
そんな状況もあいまって、前半はお互いに探り探りのなかで、鍔迫り合いの展開に。
リスクを抑えつつ、いかに攻撃に活路を見出していくか。
攻撃の不振にあえぐカターレが言うのもなんですが。YS横浜のほうは、「もしこれが上位チームだったら決めてきたんだろうな」という攻撃のように見えました。
しっかりと抑えている部分もある一方で、わかっていても止められない、というほどまでには激しい攻撃ではなかった、というような。
しかし、それでも。
なかなか有効なかたちにまでは繋がらないとはいえ、攻撃の姿勢そのものが消極的であったかといえば、そんなことはなく。
もしこちらが気の抜けたようなプレーをしてしまったならば。隙をみせてしまったならば、一気にやられてしまう危険性をはらんでいるような。
それでなくとも、一旦ハマってしまえば一気呵成にやられてしまうということは、前回対戦の前半だけで3失点という実績が証明済み。ゆめゆめ、油断することなど出来ませんでした。
今節もまた、0-0での折り返し。勝負は後半戦にゆだねられることに。
慎重なプレーが求められるのは確かですが、だからと言って守ってだけいても勝てない。
まずは、先制点。それをいかに挙げるか。
その均衡が打ち破られたのが、後半開始から間もない56分でした。
ボール奪取からの速攻で右から駆け上がった柳下が持ち込み、あまり角度のないところだったながらも果敢にシュート!
見事に決まり、先制に成功したのでした。彼の得点パターンのひとつでもある、なんというか、“らしい”ゴール。
中央に椎名が走り込んでいるのも見えていたとのことですが、思い切って自らシュートを選択。
ともすれば、「決まったから良かったものの、自分勝手なプレーでは?」ととられる向きもあるかもしれません。
それでも。「可能性の高いであろう選択をした」という名目でパス、それが単なる得点を決める責任からの逃げにしかならないということも、ままあるなかでは。
勝つためには得点が必要、そのあたりまえのことを、あたりまえにやり切るということ。
そこに責任を持ちつつ、かつ、冷静に状況を判断して自らシュート。それを、しっかりと決めた、と。
あたりまえであるがゆえに、かえって難しく考えすぎ、それがひいては勝利を逃すことにつながってしまうことが続いてきただけに。
「それでいいんだ!」という、チームの目を覚ますようなシュートでもあったように思います。
先制に成功したものの、だからといって盤石、勝利は頂いた!となるかといえば、さにあらず。
つい3日前の八戸戦でも、同じような時間帯に先制。しかしながら、追加点のチャンスを活かせず、追いつかれてのドロー決着となってしまったばかり。
ある意味、「1点はハンデだ」と思っていました。
次の1点を決めきることで、ようやく勝利が見えてくる。そのためにも、追加点を挙げることは必須であろうと。
そんななかで。
やはり果敢にゴールを狙っていく姿勢を期待していた椎名ですが、その彼がペナルティーエリア内で倒されることでPKを獲得。積極姿勢が奏功したかたち。
なんと、ホーム3連戦にして、3試合連続のPKシチュエーション。
違うのは、前2試合が相手側、この試合ではこちら側であったということ。
PKがそのまま勝利を逃すきっかけになってしまっていた、苦い記憶。
さらには、カターレのPKでは、直近の2回連続失敗もあり。
二重の意味で、大きなPK。決めるのと決められないのでは、まさに天と地の差。
キッカーは平松。さすがに、意識するなというほうが無理というものだったでしょうが。
それでも。プレッシャーに負けることなく、しっかりと決めきり。
そのあたりは、伊達にJ通算100試合出場を果たしたわけではないな、と。
これまでのPKに関する嫌な流れを断ち切るゴールでもって、欲しかった追加点を挙げることに成功したのでした。
そして、さらに。
77分、後方から松原が蹴りだしたボールに、オフサイドラインギリギリから飛び出した平松。
そのままドリブルで駆け上がると、抑えのきいた見事なシュートをゴールに突き刺し、この日2点目!リードをさらに広げる3得点目がもたらされたのでした。
降り続く雨の中、最後の最後まで集中力を途切れさせなかったカターレ。
守っても無失点に抑え、試合終了。
4試合ぶりとなる勝利を、雨にも負けずに応援し続けたホームのファン・サポーターに届けることができたのでした。
相手を圧倒する勝利という理想には、まだまだ遠い印象ではあったものの。
それでも、やりきった。勝ち切った。
複数得点勝利は、2か月ぶり。その間、ずっと苦しかった。
けれども、勝った。勝ち切った。
それを成し遂げたのは、勝つためには得点が必要というあたりまえのことを、あたりまえにやりきったからこそ。
この不振のあいだ、ずっと勝利どころか得点そのものが、どうにも勢いのないものに、逆に失点はダメージの大きいものになってしまっていましたが。
この勝利を、きっかけにしてほしいです。
あたりまえのことを、あたりまえにやりきる。それが勝利につながるということを再認識。
それを意識するのとしないのとでは、まったく違うでしょうから。
ホームのファン・サポーターの期待に応えるーーー言葉だけでなく、実践するということ。その意味について、勝ったことで認識も新たにしたことではないかと。
ならば。
遅きに失した、とは言いますまい。
これからも試合は続きます。
まだ、やれることはある。山ほどある。
それを、しっかりとクリアしていくこと。勝ちながらクリアしていくこと。
カターレのポテンシャルは、こんなものではないはず。
この勝利を契機に、今度こそ、上昇気流に乗っていくために。
まずは、次のアウェイ長野戦。
上位相手だから勝てなくて仕方ない、なんてことは、あるわけがない。
それを勝利という結果でもって証明すべく。
次節までのインターバルを有意義に過ごし、勝利の機運を高めていかねば。