『 小学6年と中学3年の約235万人を対象にした文部科学省の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)が21日、約3万2000校の小中学校で行われた。学年全員参加を前提にした学力テストは2007年度に再開し、今年は3回目。文科省は採点、集計した結果を8月中に公表する予定だ。 今回は愛知県犬山市教育委員会が参加に転じ、対象学年がある国公立校すべてで実施される。一方で私立校の参加率は47.5%まで低下し、5割を切った。』時事通信 「学力テスト 一斉の目的が見えない」中日新聞2009年4月21日社説『 二十一日の全国学力テストは愛知県犬山市が参加に転じ、国公立は全校で実施される。だが、私立校の参加は減る一方だ。文部科学省がこだわる「一斉」にならないのは、目的が見えないからだ。 小学六年と中学三年が対象の全国学力テストは今年で三回目だ。全国の自治体が初回から参加したなかで、犬山市は「競争で学力向上を図ろうというテストは教育理念に合わない」と過去二回とも不参加だった。 しかし、三月の市教委で今年は参加を決めた。不参加に批判的な田中志典市長は教育委員を増員し、任期切れとなる参加反対派委員を賛成派委員に入れ替えた。多数派工作が実った結果といえる。 保護者のなかには「なぜ犬山だけが不参加なのか」「テストを受けさせ、結果を知りたい」といった疑問や反発があった。市長はそんな声に耳を傾けたのだろう。 市教委が不参加を貫いてきたのは、瀬見井久教育長の強い個性と指導力もあったろうが、独自に進めている教育改革への自信と自負があったからにちがいない。 点数ばかりに注目が集まる学力テストを教育現場でどう役立てるのか。学校別の成績公開はしないとみられるが、市としてデータをどのように活用していくのか。 ここで参加に転じるなら、そこまで踏み込んだ議論をしてほしかった。犬山市の努力は全国から注目されていただけに、「横並び」と落胆させてしまう。 国公立は全校参加となるが、私立はテスト離れが進む。参加校は一昨年62%、昨年53%だったが、今年は48%とさらに下がる。 不参加の理由はいくつかある。結果が届くのが遅くて活用しにくい▽学校の学習進度と合わない▽学校や生徒の客観的な学力は民間の模擬試験で十分-などだ。 いずれも児童生徒にとって役立たないという判断だ。文科省はテストの目的を「全国規模で結果を分析し、学力向上に活用する」というが、私立の減少傾向はテストがその目的に合致していないことを裏付けているのではないか。 義務教育なのに公私間で対応に差があれば「一斉」の意味は薄い。国公立実施校も半分程度の抽出調査に変えてはどうか。一回五十億円以上の費用も削減できる。 学力テストは競争原理による学力向上が図られ、結果を通じて各教委を監督できる。国が一斉に固執するのはそんな狙いと思惑があるのでは、と勘繰ってしまう』 『 教員らでつくる富山市の市民団体「富山県教育研究所」が、十五市町村の教育委員会に今年三回目の全国学力テストに参加しないよう申し入れたところ「半分やめたら、うちもやめる」とした教委があったという。「できたらやめたいと多くの教師が考えていることの表れ」とメンバー。 全員参加のテスト。学校や自治体ごとに成績の比較も簡単にできてしまう。現場の教師にとっては競争が加熱するだけで歓迎できないのかもしれない。学力把握は抽出調査でも可能だ。 数十億円かかると言われるテスト。当たり前のように今年も実施されるが、全員参加の利点と弊害を一度立ち止まって検証する必要はありそうだ。』全国学力テスト2009年3月13日中日北陸新聞
全国一律一斉方式の学力テストで、全国の子供達の本当の学力が正確に計れ、学力向上に役立つのだろうかと言うことが議論されずに忘れられて来ているように思えてなりません。教育学の立場から、子供達の学力テストの意義を考えるべきでは有りませんか。子供達の視線で教育現場の先生方の意見を取り入れて考えても良かったのではと思いますが。学力テストの成績結果により、各都道府県の地域格差や序列化が鮮明になったと言う皮肉な結果になっています。学力テストの成績結果を絶対視して各道府県の競争が起きる原因になったと思います。全国学力テストの成績順位の悪かった県は、学力テストの成績順位を上げようと成績結果第1位の秋田県詣もその一例では有りませんか。学力テストの成績公表による各都道府県内の地域間の競争過熱や学校間の序列化の懸念よりも先に各都道府県の学力テストの成績結果で、各都道府県の成績順位による序列化と各県の学力向上競争が生まれたと思います。私立校の参加は、必要なしと考える学校が多く47%になり50% を切りました。全国学力テストも公立校と離れの現象です。公立校と私立校の学力格差の解消は、解決出来るのでしょうか。私立校の不参加が増加している状況では、(2007年度の全国学力テストの実施では、東京都内の私立校は、不参加校が約8割となっていた。)全国学力テストによる調査に意義が有るのかどうかと言う声も当然出て来ると思います。「政治家や官僚経営者など多い有名私立校は、卒業生やその子弟を"文部科学省"が優遇、配慮して、所得による格差や学力を隠蔽していると批判されている。」と言う意見もあります。出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』」から一部引用。真意は今の所分かりません。私立中学校は、入学試験を行い一定の学力ある生徒を入学させているので、公立と比べ学力差が有るので公立の学力格差が有るのは仕方が無いという文部科学省のある担当者の意見も有りますが。公立離れは今さら始まったことでは有りませんが。現実には、都市圏では公立小学校の成績上位者が私立中学校入っています。全国学力テストに参加しないでも十分自前で学力を向上を計れるので、参加の必要性が無いのかも分かりません。今年だけで、50億円以上かけて実施された全員参加方式の全国一律学力テストが学力向上にどれほど効果があるのか疑問の声も上がっている。教育現場の先生は、全国学力テストの結果を現実には高く評価していない。今年も全国学力テストの成績結果公表で、文部科学省、各都道府県教育委員会と各都道府県知事や市長と公表を巡る問題が再燃し、軋轢が予想されます。子供達の目の高さに立って、政争の具にしないで教育の中立性もないがしろにしないで欲しいと思います。全国学力テストの成績結果公表により各都道府県教育委員会や市町村教育委員会の危惧するところが的中し、その地域での学校や先生の評価付けや住民間の競争意識が生まれ、学校間の序列化が決まると思われます。1966,年に全国学力テストの中断理由になった地域間での競争が激しくなり、学校間の序列化が進んだ場合、教育予算の配分まで学力テストの成績結果で実際に行なわれた場合には、成績結果の悪かった小・中学校には、教育予算が削減され学校間の経済的格差が生まれ、学校活動の低下に繋がるのではないでしょうか。全国学力テストの成績結果とか公表を目指す知事は、公立学校に競争原理を導入して学力向上の錦の御旗の下公立学校に競争原理を導入しよう言うことを意図しているのかも分かりませんが。子供達同士が学力向上を目指し競ったところで子供達に取って明るく、楽しい学校になるだろうか。公立学校では、人格形成よりも学力第一だと言う首長もおられますが。学力が有っても精神的に欠落した人間で、人間としての人の道もわきまえない頭でっかちな人間性の無い大人が増えたら、今以上に犯罪が増加し、治安が乱れ滅亡の一途を辿るだけです。狂気の独裁者では国民は、犠牲を強いられるだけです。大阪の有名進学塾希、のぞみ学園の理事長・前田卓郎氏は、頭に克己・こっきの鉢巻を締め日本を代表するエリートを養成することを目指しているとテレビでの取材で話していましたが。学力を身に付けるだけではエリートとは言えない。人の痛みや苦しみの分かる人間でなくては本当のエリートにはなれないと話していました。塾生の人格形成の教育を目指して、塾生を教室で躾、授業が終わると自ら塾生に有難う御座いましたと挨拶しているでは有りませんか。学力テストの本来の目的は、子供達の学力低下の原因を分析し、勉強嫌いをなくする事が目的で有る筈です。日本の大學入試制度による受験中心の受験勉強の弊害も出ていることも事実です。学力低下は、今の日本の知識詰め込み主義の教育に問題が有ると思います。 正しい知識、思考力、判断力、創造力を持った人間性豊かな子供達を育てることはこれからの日本に取って大切な命題です。全国学力テストの問題は、成績結果の公表も賛否も含めて、大人の目線で見ないで子供達の思いや考えを取り入れて、保護者や教育現場の先生方、各都道府県教育委員会、市町村教育委員会の意見や声を十分取れ入れて話し合い、民主主義の原則に立って皆が納得出来る良い方向を見出して欲しいと思います。
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