『深刻な不況の中、独自の奨学金制度をつくろうと、私立高校の教員が各地で事業団を立ち上げている。今年になって北海道と熊本で設立、新潟などでも計画が進む。総選挙を控え、各政党は高校無償化、奨学金の拡充……と公約を掲げるが、実現するかどうかは不透明。「いま、目の前で苦しんでいる教え子を救いたい」と行動に出た。生徒も加わって募金を集め、早いところは年末から無利子で貸し付けを始める計画だ。 全国私立学校教職員組合連合によると、親の経済的な理由から08年度に中退した私立高校生は、回答のあった28都道府県の315校で513人。過去最多で、07年度の407人から大幅に増えた。今の不況は昨秋の経済危機から始まっており、今年度はさらに増えそうだという。 公的な奨学金や授業料減免の制度は各種あるが、必ずしもニーズに応えきれていない。例えば北海道内の私立高の平均授業料が年間で33万円なのに対し、道の制度では、授業料の軽減額は年収400万円以下の4人家族で12万円にとどまる。前年度の所得が基準となるため、リストラなど年度中の状況の急変にも対応できない。 北星学園女子中学高校(札幌市)の清宮敬文教諭には苦い思い出がある。数年前、教え子の1人の両親が失職。授業料滞納が続き、本人の学習意欲も落ちて、3年に進級できず退学した。「困っている生徒に個人的にお金を貸した経験のある先生は多い。即効性のある制度が必要だ」と言う。 清宮教諭が事務局長となり、北海道私立学校教職員組合などが6月、社団法人「北海道私学生徒支援事業団」を作った。生徒も活動に加わり、街頭募金や寄付でこれまでに約100万円を集めた。北星学園女子高3年で生徒会長の津山理沙子さんは「中学からの6年間で、経済的理由で退学した友達が何人かいた。みんなで一緒に卒業したいという思いで参加している」と話す。 大口の寄付を申し出る企業も出てきているといい、5年間で1億円を集めることを目標にしている。12月ごろには年30万円までの無利子融資を始めたいという。 一方、熊本県では3月、熊本私学教職員組合連合が中心となり「熊本私学教育支援事業団」を設立した。近く財団法人化を申請する。県内の高校生らが月2回街頭に立ち、これまでに約250万円が集まった。来春には年12万円の無利子融資を始める予定だ。 こうした取り組みには先例がある。愛知県ではオイルショック直後の76年、教員のカンパを元に財団法人「愛知私学奨学資金財団」を設立。これまでに2千人以上に奨学金を出してきた。バブル崩壊後の不況で申請が急増した90年代後半から、原資を増やすための募金活動を始め、8年間で1億円を達成した。 熊本で募金活動に加わる九州学院高校3年の上野裕也さんは「親の病気やリストラで学ぶ権利を奪ってもいいのか。やめざるをえない仲間を1人でも救いたい」と力を込める。 』アサヒコム
この問題は、熊本県や北海道の私立高等学校に通う高校生だけの問題では無く、世界同時不況の経済的影響で、日本全国の国立、公立、私立の高等学校に通う高校生がこのような経済状況に置かれているのです。私立高校独自の奨学金制度の充実や全国私立中学、高等学校連合会のバックアップも必要と思います。先生の善意乃気持ちで、お出しになるのポケットマネーも限りが有ります。教育現場の私立高校の先生が、経済的に困窮している保護者の生徒の為に私学奨学金財団を作り、本当に良く頑張っておられます。一人ひとりの高等学校の先生方のお力には限界が有ります。日本全国の高等学校の先生方の連携協力も不可欠です。先生方と生徒の輪を広げる必要があります。各都道府県も国立、公立、私立を問わずに経済的に困窮している家庭の高校生に授業料の全額免除制度や就学援助、奨学金制度の拡充の救済対策を立てるべきですし、文部科学省も救援対策として緊急財政援助をすべきです。2008年度に高校を中退した私立高校生は、回答のあった28都道府県の315校で過去最多の513人で今の日本の世界同時不況による経済的深刻さを良く物語っています。このまま日本で不況が続けば、公立、私立を問わず高校中退者が増え、来年度高校を卒業出来ない高校生も出る可能性も有り、今年のように卒業証明書を学校側から渡して貰えない卒業生や卒業式に出席出来ない卒業生が増えないか本当に心配です。北海道札幌市の北星学園女子中学高校の清宮敬文先生、同学園女子高校生徒会長の津山理沙子さん、熊本県の九州学院高校3年の上野裕也さん、先生方と一緒に経済的に困っている家庭の高校生仲間の皆さんを救う為に頑張って下さい。高校の先生方の教師愛、高校生の同級生への友情今も忘れられていませんね。舟木一夫さんの歌『仲間たち』を思い出しました。皆様方の募金活動目標額の無事達成と御健勝を心からお祈り申し上げます。全国の皆さん方も応援して上げて下さい。
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