花の名前は、花だけ見てわかる場合と、花と葉、環境を見ないと分からない場合があります。それだけ似たような花に発見者が違った名前をつけているのです。
姫沼の花については同行の妻にメモをとってもらいましたので名前で苦労することはありませんでした。
この沼は原生林に囲まれたひっそりとした静かな沼で、駐車場とトイレ以外は何もありません。
聞こえるのは花ガイドさんの声と、鳥の声だけです。
クルマバソウは北海道から本州の山地に生え、6~10枚の葉が何段にも輪生してつき、その形からついた名前です。
マイヅルソウは葉の様子を鶴が羽を広げた形に見たてたもので、低地や山地の林内に生える多年草です。
オオアマドコロは低地、山地の湿った林の中に生える多年草です。
カラフトダイコンソウは北方系ノダイコンソウの意味、ダイコンソウとは、根生葉の形状が小葉が大小交互しているダイコンの葉のようだという意味です。
チョウセンゴミシは江戸時代に生薬の五味子として朝鮮半島から輸入していたことに由来しています。五味子とは,酸味,苦味,甘味,辛味,鹹味(塩からい)の五つの味がするということで名づけられました。
エンレイソウは低地や山地の林の中に生える多年草。薬草の効があり、中国で「延齢草根」という名の胃腸薬として用いられていたそうです。
黄色いランであるキンラン(金蘭)に似て、花が白いので銀色とみなしてギンランとなったそうです。
ホウチャクソウは丘陵地や山地の林内に生える多年草筒状で、細長い花の形を寺院の軒下にぶら下がっている装飾品である「宝鐸」に見立てたて付けられた名前だそうです。
ツボスミレは北海道~九州などに生育する多年草です。湿原のほとりや湿った草原などに生えています。全体に軟らかく無毛で、花は白色で中心部に紫褐色の文様があります。葉は基部が広く湾入しています。
マタタビは北海道から九州、千島・樺太・朝鮮・中国に分布する落葉性のツル植物で、名前の由来は、疲れた時に甘い果実を食すると「再び旅ができる」ということです。
ノビネチドリは低山や亜高山の林縁に生える多年草で、「延根」は根が横に良くのびるところから、「千鳥」は花の形が小鳥の飛ぶ姿に似ているところからの命名です。礼文島にもありましたが、花の色が違っています。
クルマバツクバネソウは低地や山地の樹林内に生える多年草で、葉の形が車状のツクバネソウの意味で、ツクバネとは衝羽根と書き、花や実の形が羽根つきの羽(羽子)に似ているところからついた名前だそうです。
エゾサカネランはサカネランの基本種と言われ、草姿はなどはサカネランに酷似していますが、花茎、花序などが無毛の点が異なります。マニアでもなかなか見ることが出来ない花のようです。姫沼の花ガイドさんも少し自慢げに説明していました。彼らの誰かが見つけ、そのネットワークで彼もこの花が咲いていると知ったようです。観光地の木道わきにこの花が咲くと言うことは、珍しいことのようです。
トドマツは樹皮は薄く、軟らかく、なめらかで灰色、枝は水平か斜め上になる。松かさは上向きにつく、この写真の木で樹齢200年ぐらいだそうです。
エゾマツは樹皮は不規則な鱗片状で薄くはがれ、黒褐色、枝は下向きに垂れさがる。松かさは枝に垂れさがる、成長が遅く、この写真の木で樹齢300年ぐらいだそうです。
左の隠れている木がトド松、右の木がエゾ松、同じような太さですが樹齢は100年も違うのだそうです。