きょうは今季初めての激しい雷雨が続いた。そのせいか、テレビは中断していまだ直らない。それまでは、35度前後の酷暑が過疎地を襲う。夏植えのキュウリは枯れてしまった。ブルーベリーの実の一部は干しブドウのようになった。そんなさなかの先月、やっと重い腰をあげて玄関側に防寒のためにガードしていたプチプチシートを整頓する。
土間側には寒風が容赦なく入り込む。そこで、1月早々に掘り炬燵がある居間をプチプチシートで張り巡らすのが恒例だ。エアコンがないので毎年行う作業となっている。しかし、やるにはけっこうエネルギーと時間が消費される。だもんで、そのプチプチシートぐるぐる巻きあげて天井近くで止めることにする。そうすれば、次回から張り巡らす手間がずいぶん削減される。いつものようにありあわせの部品を利用して予算ゼロでなんとか完成させる。これで、土間側の格子を開放して風を導入することができる。
畑の真ん中へんにクワノキの大木がある。残念ながら、このところカビ病のにかかって実が白くなって食べられる状態ではない。木の周りに何回か石灰や焚き火の灰を撒いたりしたが一向に変わらない。しかも、表土を10cm以上削らなくてはいけないらしい。したがって、これを解決するにはそれなりの決断が必要であるのがわかった。
そのため、強剪定してまずは伐採することにした。久しぶりにチェンソーを使って枝の伐採を始める。予定では枝のすべてを伐るのだが、その処分がたいへんなので、少しづつ伐ることにする。以前は、桑の実パーティーをやってこじんまりしたイベントもやったこともあるが、今はもちろん中断している。また、大量に収穫した実は野菜ジュースの重要なメンバーにもなっていたが、いまはスタメンから外れている。
桑の葉を乾燥させて桑の葉茶をやろうと思っていたが、それもとん挫だ。もったいないと現在の葉を使ってもいいがやはりカビ病が気になる。強剪定したら新しい健全な芽がでるはずだが、その保証はやってみないとわからない。わずかな希望を貫くしかない。野鳥のレストランや隠れ家ともなっていた役割も断念するしかない。現在の灼熱地獄を回避する絶好の日陰オアシスでもあったのだが。
オラの大好きな詩人・長田弘の詩で今宵はお休みなさい。
森の大きな樹の後ろには、過ぎた年月が隠れている。
日の光と雨の滴でできた 一日が永遠のように隠れている。
森を抜けてきた風が、大きな樹の老いた幹のまわりを
一廻りして、また駆けだしていった。
どんな惨劇だろうと、森のなかでは、すべては
さりげない出来事なのだ。
森の大きな樹の後ろには、すごくきれいな沈黙がかくれている。
みどりいろの微笑が隠れている。音のない音楽が隠れている。
ことばのない物語が隠れている。(抜粋、「森のなかの出来事」から)