うだる暑さのさなかというのに、わが家にひょっこりやって来る夜の訪問者がいる。毎年のようにやって来るアオガエルだ。養命酒を飲みたいようだったが、カエルの酔っぱらいは見たことはない。目の前後を見ると黒い横線があるので「ニホンアマガエル」のようだ。
その五日前にも「アマガエル」が来ていたが、似てはいるものの同じものかどうかはわからない。わが家にやってくる昆虫を食べに来るのだろうか。わが家には蜘蛛も少なくないので餌を確保するのはむずかしいはずだよ。
そのうちに、「シュレーゲルアオガエル」がやってきた。以前には、「モリアオガエル」もやってきたが最近は確認できていない。なにしろ、見た目が似ているのでいつも苦労する。長く逗留していると死んでしまうので不法侵入者として逮捕して戸外に追い出していく。移民ではないけど。
カエルの同定は、目の虹彩の色とか水かきのようすとか皮膚や大きさとかで判断するが、個体によって様子が違うのでいつも苦労する。
シュレーゲルアオガエルは外来種ではなく、日本固有種である。名前はオランダのライデン王立自然史博物館館長だったヘルマン・シュレーゲルに由来している。彼はシーボルトの親友でもあり、日本の生き物を同定していた。
ときどき音を立てて飛来してくるのが「ノコギリカミキリ」だ。ノコギリのような触角にびびってしまうが、大きく黒一色のシンプルな体からカブトムシが来たのかと思うほどの頑丈な肉体派だ。
茶の新芽を食べてしまうといって茶農家から警戒されている「チャノウンモンエダシャク」がやってきた。とくにその幼虫が新茶を食害するというが見たことはないが、チャノキはわが家の周りに多いのは確かだ。触角が櫛歯状なのがオスで、糸状なのがメスというから、やってきた画像の蛾はオスということになる。シャクトリムシの可愛さに心を動かされることもあるが、本種はときどき、大発生するというから油断はできない。夜の訪問者はますます多様になってきたが、今のところテロリストはいない。