深夜の裏山から「へんな音がしたのじゃ」と、和宮様が強力ライトを持ってきた。先日、裏山と住居の境にある石垣周辺をイノシシに掘られたからだ。ライトを裏山に照らしてみると、びくっとした表情のイノシシが立ち止まった。そして、「しょうがねーなー」という空気を残してゆっくり去っていった。大きさは1m以上はある豚のような立派なイノシシだった。現場は前回より大きくなった穴が残されていた。寝室から4~5mしか離れていない。もっと違う所を掘ってもいいのに、挑発としか思えない行為だ。
最近も裏のインゲンの畝もほぼ壊滅情況。根っこの周辺を掘り出しておそらくミミズを探し出しているらしい。その隣のコンニャク畑は完全にやられてしまいイノシシのディズニーランドとなった。今ではとりあえず耕作放置状態だ。かじりだされたコンニャクの苗を集めるのが日課ともなった。
被害は畑のあちこちに穴が掘られ、先月植えて間もないアジサイの苗も倒されている。まるで、先日の九州の水害被害でお手上げの状況と似ている。秋野菜の種を撒きたいところだが、種を撒く状況ではない現実がある。電柵で囲むか、ビニールハウスを作るか、頑丈な囲いを作るか思案の日々だ。負けてばかりの毎日だったが、そろそろ攻勢に立ち上がるときだ。
そんなとき、枝豆を収穫した畝をそのまま放置しておいた。それは狙いがあるのだった。つまり、イノシシに荒耕をやらせるという魂胆だ。それがなんと大成功だった。きれいに耕してくれたのだ。もちろん、ミミズの数は減っているとは思うが、あとは肥料を入れて、黒マルチをすれば出来上がりだ。何と他の放置している畝もイノシシはあまりやってこない。ミミズを食べつくしたからに違いない。こうやって、イノシシを調教していけばいいように思う。しかし、敵も学習能力があるから同じやり方では見破れてしまうが、攻防はいよいよ心理戦へと向かう。