裏山の階段づくりの続きをやろうとしたとき、その途中に丸っこい氷が落ちていた。太さからすると、今は懐かしいアイスキャンデイに似ている。昭和20年代には中心に割りばしがあって舐めると砂糖の甘さが絶好のおやつとなった。いったい誰のキャンデイなのだろうか。どう見ても、人間が作った人工物とは思えない。
その隣には雨水を逃す塩ビ管があった。この中から落ちてきたとしか推定できない。地元の人の冬のおやつはツララだったという。ツララをポキッと折ってから塩をかけて舐めたという。ブルブル震えながらも嬉しそうに舐めた絵顔が伝わってくる。そんな自然からのプレゼントを喜んだ原風景は今ではなかなか見ることは難しい。じいじとしてはやっぱりこれを舐める少年の心を失っている。あーあ。
いっぽう、バタフライガーデンを見に行ったら大きなビー玉くらいの白い実の果樹が見えてきた。ほんとうは黄色いはずの実で食べごろのはずなんだけど。昨年に植えた「キンカン」なのだ。食べてみてもあの苦みのあるほの甘さが感じられない。
実が白くなった原因は寒さに違いない。やはり、わが集落は柑橘類の栽培は難しい。春にはもっと陽が当たるところへ移植しなければならない。よく考えれば、キンカンを植えた場所は冬の期間はほとんど日陰だったのを想い出す。レモンも実ができなかったがこちらも移植が必要だ。安易な植付の結果がこれだった。申し訳ない
きょうはなんとなく小春ちゃんが遠くにちょいと見えたものの、夕方はやっぱり寒風が吹きすさんできた。春が待ち遠しい。ニュースは相変わらず暗いものばかり。目先ばかりの利便や利益に走る「ツケ」がぐんぐん現実の事件になってきてしまった。高度経済成長とかバンパクとかオリンピックとかは何を残したのだろうか。国民の劣化の始まりだったとしか思えない。忘れ物を届けに来た「となりのトトロ」は今の現状をがっかりしていることだろう。