山里に生きる道草日記

過密な「まち」から過疎の村に不時着し、そのまま住み込んでしまった、たそがれ武兵衛と好女・皇女!?和宮様とのあたふた日記

往時の息吹が残っている犬居「熱田神社」

2017-01-18 21:04:55 | 歴史・文化財
 天竜の「犬居」と言えば、秋葉詣でのベースキャンプであり、旅館を中心とした街並みが残されている。
 そのはずれに、杉の大木に囲まれた「熱田神社」がある。
名古屋にある「熱田神宮」は伊勢神宮に次ぐ格式の神社だ。
 注連縄は横一直線となっていて、竹が心棒になっているらしい。
 本殿や境内を細かく見ていくと手の込んだ様式や奉納がなされているのがわかる。

                                    
 石の鳥居は大正九年(1920年)に「犬居青年団」が教育勅語渙発(カンパツ)三十年を記念して奉納したものだ。
 「渙発」とは水が散るように四方に詔勅が発布するという「ありがたい」お言葉なのだ…。
 教育勅語は「国民の忠孝心」が「国体の精華」であるとして戦前の戦時体制を精神的に支えてきた道徳訓。

       
 境内には鳥居をはじめ多数の「常夜灯」が林立していて往時の隆盛がうかがわれる。
 その多くが大正時代であるのも注目だ。
 その要が「青年団」だったわけで、一人前になっていく地域の学校でもあった。
 わが集落の団塊世代前後のおじさんたちは、祭りのときの演劇上演や青年団どおしの交流の想い出を熱っぽく語るのには、そうした理由がある。
 現代にはこうした一人前になるシステムが喪失しているので、幼稚なおとなを輩出しているのが現状だ。

                                       

 境内には「御供米田 2反9畝21歩」と刻印された伊藤一郎さんの寄進の石碑もあった。
 「犬居の祭り」というホームページには戦前から現在までの写真も見られる。
 それほどに地域では大切にされている空間でもあるわけだ。
 しかし、祭りの担い手がいない痛みを持ちながらのスレスレの生命線と対峙している現状にある。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 秋葉山と天狗 | トップ | 床下換気口づくりまずは一段落 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

歴史・文化財」カテゴリの最新記事