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十数年前からときどき尾上さんち周辺でユズの収獲にお邪魔したりしていた。その近隣には大きくなったユズの木が多いが、みーんな高齢者となり収穫もできなくなったので、剪定を兼ねて収穫をしてきた。どうやら、農協が植樹を推進していたらしい。だもんで、その収穫量も段ボール数個にもなるのがフツーだった。最近はこちらも後期高齢者となりご無沙汰していた。そんなとき、先日どっさりユズを届けてくださった。(冒頭画像は2012.11のもの)
さっそく、調理に突入。ユズの皮をみじん切りにしたものは冷凍にしてうどんやそばの薬味に使う。そうすれば、一年中使うことができる。絞った汁は醤油と混ぜてポン酢にする。
今年の冬至は12月22日だが、その日にユズ湯に入るのが江戸以降のならわし。冬至は湯治、柚子は融通と語呂合わせして風呂に入り、柚子で身を清めその強い匂いで邪気を払う。そうして、本格的な冬に備え無病息災を願うという気合いの日だ。
とにかく種が多い。この種も焼酎に入れれば、化粧水に滑らかなお肌の手入れに有効だ。
「桃栗3年、柿8年、梅はすいすい13年、柚子は大バカ18年、りんごニコニコ25年、 女房の不作は60年、亭主の不作はこれまた一生、あーこりゃこりゃ」と言われるほど、実生からの栽培は時間がかかる。そのため、ほとんどの苗は接ぎ木などから増やしていく。
千切りにした皮をいよいよユズジャムにしていく。絞り汁の残骸の内果皮の袋も栄養があるのでジャムに入れる。「香酸柑橘」(コウサンカンキツ)とは、甘味がないためすぐには食べれれない酸味や香りが豊かな柑橘類のこと。その在来種は約40種あるという。その代表格がまさに奈良時代から栽培されてきたユズだ。
カインズホームで買ってきた瓶にジャムを詰める。十数個作ってお世話になっている近隣に配る。こうして、かつて農家収入に貢献したユズも高齢者になったものの周りの人をちょっとしたほっこりする存在となった。長い棘に何度も刺されたけれどね。