ブルーベリーを故天野貢さんからいただいてから十数年となる。その木が背の高さを越えて今年は過去最高の収穫を迎えた。最初は膝ほどの高さで実ができるかどうかもわからずのスタートだった。成長がゆっくりだったのがぐうたらなオラにはぴったりだった。失敗して枯らしてしまったこともたびたびあったが、挿し木をしたり新たに購入したり友人からいただいたりしながら、今では数十本となった。おかげで、今年はブドウのようなたわわな実も出てきた。
ほとんど放任状態の生育だったが最近は肥料をあげるようになってきたせいか、樹も期待に応えてくれるようになってきた。市場に出していないので収穫したものは近隣や友人にお裾分けしている。基本的には生食もしているが毎朝の野菜ジュースにはたっぷり混ぜ込んでいる。
日によっては、1kgを超えることもある。先日大きめの粒だけを計ってみたら600gを超えた。大・中・小と大きさによって分けている。ややすっぱい「小」はジュースやジャムにする。さすがに、大きいものは甘いのは言うまでもなく生食。
とはいうものの、甘いかどうか収穫どきの判断がじつに難しい。収穫しても完熟するわけでもないので、そのタイミングは研ぎ澄まされた感覚に頼るしかない。
収穫には和宮様が先頭になって馳せ参じてくださる。和宮様も味を確かめながら収穫判断の難しさにため息を漏らすほどだ。実にちょっと触ってポロリと落ちるくらいがいい。やはり触って柔らかくなったのがうまい。例年だとヒヨドリやシカの食害もあったが、今年はどういうわけか少ない。知人から提供された害獣除け忌避剤の効果もあったのかもしれない。
オラが若かりし頃には、まだブルーベリーという果物は出回っていなかった。1990年代観光農園でブルーベリーを初めて食べた記憶があるくらい。歴史はまだ浅いが、原産の北米ではネイティブインディアンが大切に栽培してきた。イギリスから移住した入植者・アメリカ人が飢えを克服できたのは、ネイティブインディアンがトウモロコシやブルーベリーを紹介してくれたことを忘れてはいけない。