もはや気に入った楽曲をダウンロードして聴くことには何の抵抗感もない。ブートレッグ(海賊盤)の市場も同様に振るわず大きく様変わりした。ローリング・ストーンズの古典的名盤「ナスティー・ミュージック(元ネタはキング・ビスケット・フラワー・アワー提供のライブ録音)」は1973年のヨーロピアンツアーからブリュッセル公演をメインに収録したものだった。レコード全盛期には西新宿某店で○万円という目が飛び出るような値で取り引きされていたとか。
私はこのブートCDを結構愛聴したものだったが、今や価値無しである。2011年にオフシャル・ブートレッグとしてダウンロード販売が始まり、何と放送禁止用語連発でカットされていた「スター・オメカー」まで入っている。絶頂期のライブ盤を音楽ファイルとして誰もが安く入手できる時代になったことは誠に喜ばしい。裏モノの価値をアーティストもレコード会社も認めざるを得なくなった一例だ。