寮管理人の呟き

偏屈な管理人が感じたことをストレートに表現する場所です。

浅間温泉行きのバスに乗ったと思ったが

2008年08月31日 | 

城東1丁目を西に横断し丸ノ内の割烹「かき船」の前に着いた。「長野県にもかき船があるのか…」と少し驚く。北深志1丁目から「浅間温泉」に移動することに。付近に石柱があった。江戸時代の町名「新町」が停留所の名前として使用されている。

新町の石柱

バスは間もなく入ってきた。ろくに確認もせずに飛び乗ったのが失敗だった。温泉前は通らずに駅に戻ることに気づき、「追分」で下車。ここから乗り換えても歩いても温泉はそう遠くはないのだが、目的地を変更した。

美須々の祠

追分ロータリーを右に曲がり、美須々ヶ丘高校まで歩く。小さな祠の脇に道祖神などがあった。石には「中原村中」と刻まれており「安政」年間に作られたことも判った。

道祖神と庚申塔

高校や旭町中学の建っている場所が戦前は松本歩兵第五十連隊の練兵場だった。道路の向こう側には英霊を祀る「長野県護国神社」がある。

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うら町へようこそ!

2008年08月30日 | 

江戸時代の「下横田町」は職人が暮らす町であった。世が明治に変わり、ここが料芸町となって「うら町」と呼ばれた。現在の大手5丁目辺りである。

細い路地まで飲み屋や小料理屋がひしめき合う界隈はどことなく淫靡な雰囲気が漂う。しかしながら歓楽街が駅前に移ってからは往年の勢いは無くなっている。

うら町の小さなスナック

元料理屋の玄関にプレートあり

玄関にかつて料理屋だったことを示す青いプレートが残る家がポツンとあった。表向きは飲食業だが、裏では別の商売が行われていたことを暗示している。

うら町に残る元料理屋

石川数正、康長の菩提寺である「正行寺」がすぐ傍にあったので参拝して城東方面に足を向けた。

大手5丁目にある正行寺

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蔵造りを見に中町通りに向かう

2008年08月28日 | 

中町通りでは蔵造りを間近で見ることができる。これらは明治の大火以降に建てられた。中でもとりわけ目立っているのが黒漆喰塗りの「デリー」。ここは質の高いカレーを出す。

中町蔵の会館

小奇麗な「松本市中町蔵の会館」は宮村にあった大禮(たいれい)酒造の母屋・蔵・離れの3棟を移築・改修したものだった。

中町神明宮

更に足を進めて古めかしい神社を発見した。中町の守護神である「中町神明宮」の由来にはこう記されていた。

 現在の奥殿は元禄十年に着工し同十三年に竣工した‥‥‥南の大火の時は南深志の殆んどを焼失したがさすがの猛火もこの神明宮でくい止められて鎮火した‥‥‥

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国宝松本城の存在感と美を堪能

2008年08月27日 | 

埋(うずみ)橋前から5重6階の大天守を望む。何度見ても美しく、圧倒的な存在感だ。天守は石川数正とその意思を受け継いだ子の康長によって築かれ、完成は文禄3(1594)年頃と推定される。

東国に移った徳川家康を監視する城として鉄砲戦を考慮に入れた造りになっている。採用された漆黒の下見板は耐久性に優れる(※これに対して白漆喰は10年ほどしかもたない)。

軟弱な地盤に石垣が沈まないように筏地形(いかだじぎょう)という特殊な工法が用いられたが、後年土台支持柱が腐って天守が傾き、明治の大修理でコンクリートの基礎に替えられた。

城を後にして大名町通りに出る。旧第一勧業銀行松本支店(昭和12年竣工)は取り壊しを免れてホテルアルモニービアンの一部として利用されていた。

国の登録有形文化財である旧第一勧業銀行松本支店

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松本市大手界隈に残るレトロ建築

2008年08月26日 | 

今町通りから六九(ろっく)通りに入ると面白い建物があった。かつては大勢の人で賑わった六九商店街のはずれ(大手2丁目)に建つ「山屋御飴所」。寛文12年(1672)創業の老舗である。

塩井乃湯

大手3丁目にもレトロ建築がいくつか残る。大正期創業の銭湯「塩井乃湯」は美しいシルエットである。休業中(?)のサルタ時計の造りは貫禄十分といったところだろうか。松本城まではもう少しだ。

サルタ時計店

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女鳥羽川沿いの悪所

2008年08月25日 | 

松本中央通りを北進し「中央大手橋」を渡る。昔から川沿いには遊里ができやすいという法則があるが、女鳥羽川も例外ではない。

川沿いの風俗ビル

野暮ったい風俗ビルの前を通り過ぎ、「女鳥羽橋」北詰のセブンイレブンを目指す。今町一丁目公民館の隣に「国府亘理(わたり)神社」がある。この辺りは昭和初年には「都河岸」と呼ばれていた。

国府亘理神社と公民館

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松本郵便局発祥の地

2008年08月24日 | 

江戸時代の大名主(町問屋)だった「倉科家」。この跡地に松本信用金庫本町支店が建つ(深志2丁目3番9号)。

当主は明治維新後、郵便事業に深く関わった。それを記念して平成2(1990)年4月、支店前に「郵便局発祥の地碑」が設置された。黒塗りの「書状集箱」に模したポストもあり、観光スポットの1つになっている。

郵便局発祥の地碑

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博労(馬喰)町の十王堂跡

2008年08月23日 | 

城下町の東西南北に「十王堂」を置いて「魔除け」にしたと言い伝えられるが、本当にすべてあったのかは定かではない。

現存するのは東十王堂のみ。南端の博労(馬喰)町のお堂は無くなっており、跡地に石仏の一部や庚申塔が残っている。博労町は松本城下の南入口であった。

南の十王堂跡に残る石仏と庚申塔

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薄川(すすきがわ)に架かる栄橋を渡って城下へ

2008年08月22日 | 

■川沿いの大きなマンションが実は「出川刑場跡」に建っていることを知る者は意外に少ない。小さな祠や庚申塔が近くにあった。

商店が並ぶ道を歩き「栄橋」の袂に出た。橋の上から薄川(すすきがわ)を眺める。実に穏やかな流れだ。この橋を渡って北上すると旧城下町の博労(馬喰)町である。

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3年ぶりの松本市

2008年08月21日 | 

人口23万人弱の松本市。何かと県庁所在地の長野市と比較されがちであるが、戦災を免れた旧城下町は見所が多い。

海無し県の中では私が最も頻繁に訪れている都市だ。古い物と新しい物とのバランスがよく、こじんまりとまとまっている点が非常に好きだ。

博労(馬喰)町はギリギリ城下に含まれる

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湯田中大湯に浸かる(後編)

2008年08月20日 | 

山ノ内町民と思われる筋肉質の老人が丁寧に体の隅々まで洗っている。彼を見習い下を清めた。浴槽は2つに分かれており、源泉が出ている方(画像)が高温の湯である。無駄な物を徹底的に省いた簡素な造りはすばらしい。陸軍軍医総監松本順による「大湯入浴法」に目を通す。

・・・(略)・・・
一来着ノ最初ハ一、二回トス
一入浴ノ時間ハ三十分ヲ過グル可カラズ
一飲食前後三十分間内ニ浴ス可カラズ
・・・(略)・・・

まず低温の湯に浸かる。入った瞬間に「これはいいな」と感じた。硫黄臭がきつくないので肌に優しい。隣に移って瞑想にふける。休憩を挟んでもう一度各湯を楽しんだ。結局30分近く「大湯」にとどまっていた。家ではあり得ないことだ。

外に出た私は温泉地の共同浴場番付を見てくすっと笑った。西の横綱「道後温泉本館」に対して東のそれは「湯田中大湯」と書かれている。確かにこれまでに東日本で入った温泉ではピカイチだと思う。喉がビールを求めて勝手に鳴き始めた(笑)

温泉地の共同浴場番付

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湯田中大湯に浸かる(前編)

2008年08月19日 | 

湯田中温泉にある「共同浴場」の中で最も有名で長い歴史を誇る「大湯」。建て替えられて大変綺麗になっている。

湯田中大湯の外観

旅館で借りた「カードキー」を入口のドアに挿入する。既に下駄と靴が幾つか並んでいた。渋い暖簾の奥が脱衣場と浴槽である。番台があればまさに下町の銭湯という感じだろう。

暖簾をくぐるとすぐに浴槽が見える

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樹勢弱体化した雨含(うがん)の松

2008年08月18日 | 

安産の神様として知られる「座王神社」の裏手で山道は途切れる。神社の脇には巨大な赤松の木が立つ。「雨含の松」の樹齢は250年を超えるらしいが、葉を見れば健康状態はあまり良くないことが判る。

蔵

帰り道に目を引く土蔵があった。地方によって通気孔などの造りが大きく変わるのは興味深い。美しい民家の前を通り過ぎて再びメインストリートに出た。私は共同浴場で汗を流すことにした。

重厚な造りの木造建築

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一茶堂から山ノ内町を望む

2008年08月17日 | 

坂道をハイペースで駆け上がり、すぐに息が上がった。運動不足は重々承知している。小林一茶が祀られた「一茶堂」に辿り着いた。

一茶堂と松林

私は木々の切れ間から山ノ内町を見渡した。薄曇ではあったが、高い所からの眺めは格別だ。汗をかいた者だけに与えられるご褒美を暫く楽しみ、大きな背伸びをしてから一気に下り始めた。

山の上から山ノ内町を一望する

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