寮管理人の呟き

偏屈な管理人が感じたことをストレートに表現する場所です。

観光案内所を出て安土城跡に向かう(前編)

2010年01月31日 | 

「必ず3時間は切りたいな」

私は自分の足には自信があった。安土郵便局の角を右折し「松原」交差点から北上する。しばらく行くと「活津彦根神社」と刻まれた太い石柱が現れた。

活津彦根神社に通じる道

活津彦根命(いくつひこねのみこと)を祀る神社は鳥居のはるか先に鎮座する。天高原にいる姉・天照大神の元を訪ねた際に疑念を持たれた須佐之男命。彼は身の潔白を晴らすために天の安河原で誓約し子産みの競争をした。日本書紀では須佐之男命が自分の勾玉より男神を誕生させたことになっている。その一つが活津彦根命である。彦根の地名はこの神にちなむという。

「下豊浦中」交差点の北側には中日新聞安土販売所とガソリンスタンドがあるが、これらの前を走る太い道が滋賀県道2号線だ。私は県道に沿って東に進んだ。

安土町「下豊浦中」交差点

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安土町観光案内所で散策マップをもらう

2010年01月31日 | 

こじんまりとしたJR安土駅の前には扇子を高く上げた織田信長の銅像が建つ。脇で女の子が足を伸ばして弁当を食べている。なんとものどかな所だ。

彼女の背後にある観光案内所に向かう。「AZUCHI WALK MAP」を手に取り観光に要するおおよその時間を聞いた。受付の女性は一般的な散策ルートをボールペンで示した上で「3時間くらいはみておいた方がいいでしょう」と言った。

JR安土駅前にある観光案内所(旅行者への説明は非常に丁寧である)

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安土に到着

2010年01月30日 | 

隣の近江八幡市との合併問題で揺れる蒲生郡安土町。ぜひ一度訪れたいと思っていた場所である。予定より少し遅れてJR琵琶湖線の小さな駅に降り立った。

私は吹き付ける寒風に思わず身震いした。改札左手にある便所に駆け込み勢いよく放水し「気持ちえー」と叫んだ。

JR安土駅

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口の上手い人間にはご用心

2010年01月30日 | 日記
「おべんちゃらを言う者には気をつけなにゃーいけんで」

昔の老人は幼子にこう教えたものである。だから私はこの警句を未だに忘れることができない。口の上手い人間が得てして裏に回ると他人の悪口をバンバン言っているからだ。

悪口を言われるだけならまだ良いが、命さえ落としかねない時代になってしまった。危険人物かどうかを判断するには相手の目をしっかり見るのが一番だ。気持ちのいいことしか語らない輩を注視し続けると十中八九目をそらす。やましいことをしているという良心が残っている者は許してやるが、そうでない者には対しては容赦なく塩を撒いて追い返す(笑)

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お気に入りの酒器

2010年01月29日 | 日記

私の趣味の一つが酒器収集である。最も熱が入っていたのは20代後半だったように思う。値段も落ち着いてきた頃でいい買い物ができた。

コレクションの中で一番気に入っているのがこの青備前のセットである。あまり数ができないということもあってそれなりの値である。

特別な日にこれを出して酒を飲むといつもとは違う味のような気がする、酒は同じなのに。器次第で満足度が上昇するのは我ながら可笑しい。

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野菜鍋の後のうどん

2010年01月29日 | 家飯

我が家における鍋の基本だしは昆布と煮干しと鰹節からとっている。素材から出る旨みを計算して少し物足りないかなという程度に味付けする。

鍋が終了したらだしを漉す。私はきちんとカスを取り除かないと気に入らない人間である。こうして次の料理へ取り掛かる。

最近雑炊が続いていたのでうどんにした。別鍋で茹でた乾麺(かも川うどん)に漉しただしをかけ葱、ワカメ、天かすをのせる。そして七味を振り食らいつく。これがささやかな幸せを感じる瞬間だ。

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鍋の魅力とは?

2010年01月28日 | 日記

鍋料理には細かい決まりごとがないのが良い。ぶち込むものは魚介、肉、野菜など何でもOK。中でもシンプルの極致・「湯豆腐」は日本の誇る傑作である。これに大根おろしを加えた風流な「雪鍋」も捨てがたい。絹豆腐の他に木綿を入れると食感の違いが楽しめる。

鍋を囲むとすぐに体が温まりお腹も膨れる。材料費は安いし、残っただしで雑炊を作ったり、麺類を煮込めば無駄が出ない。食べ過ぎにさえ気をつければこれほどバランスのよい食事はないだろう。ということで今日も鍋である(笑)

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味の微調整

2010年01月28日 | 日記
私は客に合わせてだしの塩分濃度を微妙に変える。酒飲みと鍋を囲む時には塩分を若干強めにし、酒を嗜まない人の場合は控えめにといった具合に。

体調によっても味は調整する。汗をよくかいた時には体が塩分を求めるし、胃が疲れている時には薄味の料理が食べたくなる。塩以外で変化をつけるには薬味や香辛料や酢を適量用いればよい。

私がニンニクを多用しないのは、ネギやニラとのダブりを避けるためだ。餃子にたっぷりニンニクを入れなければいけないと言う人はおそらく上海のシンプルな餃子を食べたことがないのであろう。

中国、台湾でも場所が変われば当然薬味(およびその添加量)は異なってくる。イタリアにおいても同じことが言える。

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百貨店業界の苦悩

2010年01月27日 | 日記
不況の矢面に立たされている百貨店業界。有楽町から西武が撤退するというニュースには驚いた。安さをウリにする衣料品チェーンが順調に業績を伸ばしている分、客足が遠のいたのが主原因なのか。

「百貨店は既に時代遅れで不要だ」

こんな厳しい意見を持つ人もいるが、私は文化的な街に百貨店は必要だと考える。我が町に「そごう」がオープンした時には嬉しく思ったものだ。残念ながらグループの経営状態が悪化し、市民の十分な応援も得られずに閉鎖された。中核都市にメジャーな百貨店が一つもない現実は寂しいし、異常だ。

苦境に追い込まれた百貨店の建て直しは困難を極めるだろうが、道は残されている。客のニーズに柔軟に対応した上できめ細かいサービスを徹底することだろう。販売価格には大きな幅を持たせ、メンテナンスにいたるまで責任を持って面倒をみることなど、いろいろあるはずだ。

商売の基本である「挨拶」が最も出来ているのは百貨店だ。ここから何気ない会話が生まれ、売買が成立する過程を楽しむ客が増えるように体質改善に努めてもらいたい。

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スルメイカの塩辛で冷や酒を飲む

2010年01月27日 | 日記

私が世話になった教授は酒豪であった。彼は冷酒(れいしゅ)を「化粧をした女」と例え、普段は「すっぴん」の冷や(常温)を飲むようにすすめた。パブル崩壊後しばらくは「吟醸酒ブーム」が続いたが、今冷静に考えるとあれは何だったのだろうかと思う。

吟醸酒は確かに美味い。しかし、だからと言って本醸造酒がダメというわけではない。燗上がりする酒など多種多様だ。

教授は私に「テレビや新聞や雑誌の情報を鵜呑みにせずいろいろと試して自分好みの酒を探せ」と言いたかったのかもしれない。安易に作り上げられた「偽文化」に飛びつかないように忠告してくれたのはありがたかった。塩辛をアテにすっぴんの本醸造酒を飲んでいると感謝の気持ちが増してくる。

一概に安い物が「劣悪」と決め付けては良い酒に出合う可能性が低くなることを経験的に知ったからである(笑)

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スルメイカの肝は捨てるな(笑)

2010年01月26日 | 食材

スルメイカを捌いた時に出る肝を捨てるのは馬鹿げている。鮮度の落ちたものはゴミ箱行きだが、肌色の肝は旨みの塊で様々な料理に使うことができる。

鍋のだしに溶かし込んだり、身を煎り焼きにして最後に肝と和えたりする。どれも独特の味わいで酒飲みを喜ばせる。

最も左党が好むのはイカの塩辛であろう。スミイカの肝は臭くてとても塩辛に向かないが、スルメイカのそれは塩辛にするためにあると言っても過言ではない。

墨袋を除去したワタに塩を振りかけ7~8時間置いて脱水する(画像)。これをスプーンでしごいて中身を取り出し(完璧を目指したい人は裏漉しを行う)、塩と日本酒で味を調える。ここに刻んだ身、エンペラ、トンビを加えて和える。

私は数日で食べ切るので塩分は控えめにしている。本醸造の冷やと塩辛の組み合わせは一見地味だが、「足るを知る」という意味からも伝統的な食文化を後生に伝えていく価値は十分あろう(笑)

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鍋をつつき語り合う(後編)

2010年01月25日 | 

女将の「老い」関する持論を拝聴し、私達もいずれは老人になるという現実を強く意識することになった。ビールのほろ苦さが舌を刺した。

女将が座敷を離れる頃には鍋が出来上がっていた。肉の旨みが加わった濃い目のだしでビールが進む。だしを十分に吸った野菜がまたいい味になっている。

私は中国の皇帝が不老不死の薬を探し求めた理由をふと考えた。一旦握った権力は容易に手放せるものではない。強欲な人間は一日でも長く旨い汁を吸い続けたいと思うものである。その傾向は今の国政のトップにも露骨なほど見られる(笑)

鍋の締めは中華麺だった。最初は食べられるかどうか自信がなかったが、結局ペロリと平らげてしまった。春雨を入れても非常に合うと思った。

店を出て芹川を眺めた後、再び小路に戻った。格子戸の家に「ちゃんぽん」の赤提灯が出ているのに気付いた。Hさんの話では最近出店したということだった。古い建物に新たな命を吹き込むセンスは大したものだ。

袋町にオープンしたちゃんぽん店

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鍋をつつき語り合う(前編)

2010年01月25日 | 

奥座敷のHさんは眠たそうな顔をしていた。そしていつもの口調で「おう、来たか」と言った。私は遅れたことを詫びて新年の挨拶をした。卓上には鍋の材料がたくさん並んでいた。

「肉ですかー」と驚く私を見てHさんはほくそ笑む。生ビールで乾杯した後は意外な話になった。

人間が避けて通れない「老い」について我々は意見を交換した。煮汁が沸いたので女将を呼んで具材を仕込んでもらうことにした。

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商店街から袋小路に入る

2010年01月24日 | 

薬局横の小路に入り目を細めて時計を見ると定刻を過ぎていた。

「いかんな」

吐く息の白さから相当冷え込んできたようである。足早に旧遊廓街を進む。まもなく堤下の割烹に着いた。女将が「お待ちですよ」と言う。私は苦笑して会釈した。

旧遊廓街

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