寮管理人の呟き

偏屈な管理人が感じたことをストレートに表現する場所です。

風邪薬はないけど

2006年10月31日 | 日記

日曜は鼻水がダラダラ流れて大変だった。それは何とか治まったが、鼻づまりと喉のイガイガが気になってしょうがない。こんな時は生姜湯だ。すりおろした生姜のしぼり汁をお湯で薄めてほんの少し砂糖を加える。これを飲むと体が温まるし、爽やかな香りが鼻からぬけて、一時的に楽になる。あとは布団をかぶって汗をかくだけだ。市販の風邪薬よりはずっと効果がある。

生姜湯を飲んで体はポッカポッカ

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『隠し包丁』 田村隆

2006年10月30日 | 書籍

2000年9月30日初版発行、白水社、定価2000円。現在は文庫本にもなっている。高名な料理人が書いた本は実に下らないものが多いが、これは数少ない秀作の一つだと思う。

つきぢ田村の三代目が東京を去り、高麗橋吉兆で修行するくだりは読み手を飽きさせない。失敗談を交えた薀蓄は鼻につかないのがいい。著者の知性の輝きは随所に感じられる。日本料理の枠にとらわれない姿勢も評価したい。

祖父であり、師匠でもある平治氏との想い出にはホロリとさせられる。10ページ目に出てくる初代の言葉は重みがある。

「まずいものを食べているとうまいものが分からんで。でもな、うまいものを知っているとまずいもんがよう分かるんや。本物を食べなあかんで。本物を観にゃ偽物が分からん。本物に出逢うことや‥‥」

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全国各地にうまい魚あり

2006年10月29日 | 日記
先日、マッサージ師と魚の味の話で盛り上がった。北海道函館出身の彼は皮肉たっぷりに語った。

「瀬戸内の魚が一番うまいだろうと言われるとカチンとくるんだ。自分の生まれ育った街から遠く離れて暮らしたこともない奴に限ってこんな台詞を吐く。物を知らな過ぎる。このあたりは井の中の蛙(料理人)が多いね」
「確かに客を小馬鹿にする板前はいますよ。他人の話を聞かないというか、自分の考えが絶対正しいと思っている。でも修行先が地元では説得力ないでしょう。あれが本当の田舎者だと思います」

そう答えた私だったが、かつては内海の魚が最高だと信じて疑わなかった。それが転勤を機にいろいろ旅して食べ歩くようになり、その土地ごとにうまい魚があると舌で感じとったのだ(北は宮城、南は沖縄)。

以下は私が「これはいい」と心から思ったもの。好みが色濃く出ている点はご了承を(笑)。

三陸‥‥‥‥秋刀魚、鱈
ひたちなか‥アンコウ、戻り鰹
東京湾‥‥‥穴子
焼津‥‥‥‥鰹
北陸‥‥‥‥赤ムツ(ノドグロ)、岩ガキ、ブリ
瀬戸内‥‥‥鯛、メバル類、ワタリガニ
別府‥‥‥‥トラフグ

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備前焼の世界

2006年10月28日 | 日記

釉薬をかけずに良質の陶土を長時間高い温度で焼き締めたのが備前焼である。素朴な色合いには侘び寂びの世界が広がっている。水で濡らして軽く拭いてから使用するとよい。一層格調高くなる。地味な器に色鮮やかな食べ物を盛るとよく映える。使い込むうちに色調が変わってくるのが陶器の面白さだ。

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ハモ皮

2006年10月27日 | 食材

ハモの皮をタレ焼きして細切りにしたものは安く売られている。この皮と塩でもんだキュウリを三杯酢で和えたのがハモキュウ。うざくの対極にあるシブイ一品だ。噛み応え十分で、あっさりした味のため、日本酒との相性が非常によい。関西始末料理の真骨頂である。

ハモ皮とキュウリの酢の物(ハモキュウ)

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真鯛の魅力

2006年10月26日 | 食材

鯛はほとんど捨てるところがない。だから丸買いした方が得だ。さく取りして出た中落ちは吸物にすることが多い。引いた皮は油で揚げたり、ゆでて細かく刻み酢の物する。頭は焼いてもよいが、骨蒸し、あら炊きがおすすめ。鯛の旬はやはり寒い時期で、産卵後の味は悪くなる。私が明石で買った鯛には鳴門骨(=血管棘)があった。

腹身昆布じめ

あら炊き

鳴門骨

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活気ある商店街

2006年10月25日 | 日記

明石にもどった私は「土産を買って帰らないと何を言われるか・・・」と思った。それで【魚の棚】に寄ることにした。昼網が目当てなのだ。商店街はたくさんの人でごった返していた。

やはり鮮魚店が多い。活きのいい魚が飛び跳ねていた。タチウオ、ツバス(ブリの幼魚)、ガシラ(カサゴ)、マルハゲ(カワハギ)など、どれも驚くほどの安さである。迷った末、小ぶりの真鯛1尾(1500円)とハモ皮(200円)を買い求めた。

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潮風に吹かれて

2006年10月24日 | 日記

帰りの船は「あさなぎ丸」。行きよりも客は少なく、甲板の椅子に座ることができた。潮風を全身に浴び爽快感を存分に味わう。眺めの美しさは言葉にならぬほど。誰もが写真を撮りたくなるはずだ。大空をゆうゆうと舞う海鳥、行き交う漁船やタンカー。海峡大橋と島が段々小さくなっていく。水面はずっとキラキラと輝いていた。

明石沖

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岩屋

2006年10月23日 | 日記

岩屋港へは20分弱で着いた。波止場に大勢釣人がいる。鄙びた漁師町という印象だ。予備知識のない私は静かな岩屋商店街をぶらついた。細い路地にはどこか懐かしい雰囲気が漂う。和菓子屋の店先でおじいさんが大きなどら焼きを作っていた。

岩屋商店街を歩く

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たこフェリー

2006年10月22日 | 日記

港は案外近く、ちょうどたこフェリーが着岸するところであった。次々にバイクと車が出てきた。急いで切符(片道320円)を買って、この「あさしお丸」に乗り込んだ。

たこフェリー(あさしお丸)

多くの人は客室を出て後部甲板のテラスでリラックスしていた。恥じらいもなく巻き寿司をほおばる家族連れがいた。私は手すりに摑まって熱いコーヒーをすすっていた。重油の臭いを嗅ぐのは実習以来である。船は進み出した。

客室

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玉子焼き

2006年10月21日 | 外食
所用で急遽兵庫入り。午前中で事は済んだので半日観光できた。昼は御当地名物「玉子焼き」を食べることにした。私は本町にある小汚い店『M』につかつかと入った。

ここのメニューは玉子焼きのみ。おばちゃんは注文を聞いてから焼き始める。約5分後、傾斜のついた板に等間隔で並べられたものが出てきた。だし巻き玉子を更にフンワリさせた感じで大阪のたこ焼きとは全然別物である。

玉子焼き一人前は十五個

薄味のだし(薬味は三つ葉)につけて、ほどよく冷ましてから口に放り込む。体調が良ければ二人前はいける。ソースをつけて食べることもできるが、これは邪道だろう。アルコールはビールに他に日本酒もあるのがミソ。

500円を手渡して店を出た。強い陽射しに私は思わず目を細めた。腹ごなしにフェリー乗り場まで歩こうと思った。

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蓮根の明太子射込み

2006年10月20日 | 家飯

蓮根の皮をむき、酢を少量加えた水からゆでる。沸騰後2分で火をとめてザルにとり、自然に冷ます。からし明太子とゆで卵の黄身を包丁で叩いてよく混ぜ合わせる。

蓮根の穴にこれを詰めて冷蔵庫で寝かせ、食べる直前に7mmの厚さにスライスする。サクサクの蓮根自体は単調な味だが、マイルドな味の明太子が変化をつけている。

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土鍋

2006年10月19日 | 日記
土鍋を使う季節がやって来た。この鍋の長所は保温性がよいこと。鍋底を水で濡らさないよう気を遣わなければならない。湯豆腐や鍋焼きうどんを鉄鍋で食っても感動はない。土鍋の方が風情を感じるのだ。小鍋立も断然こっちである。

鍋焼きうどんが美味しい季節

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塩おでん

2006年10月18日 | 家飯

おでんは地域によって味付けと仕込む種が大きく変わる。広島では関西風が幅を利かせているかというとそうでもない。コテコテの醤油味を出す店もかなりある。家では最近塩おでんを作っている。

昆布と煮干でとっただしに天然塩を入れて味を決めて、酒と味醂を少し足している。種を入れたら沸騰させず極弱火でコトコト煮含める(いじめ煮)。グラグラやるとだしが濁って台無しになる。

市販の練り製品は下品な甘みが出るので避けた方が無難。ちくわぶやはんぺんを入れる文化はこっちにはない。冷蔵庫にある野菜を上手に使うとよい。このおでんは酒よりも飯に合う。

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通い詰めたくなる割烹

2006年10月17日 | 外食
住宅街の中にぽつんとある板前割烹の暖簾をくぐった。ビールで喉を潤していると先付が出てきた。イカの焙り、しめ鯖酢味噌がけ、絹さやの卵とじ。ほとんど生に近い鯖が出色の出来。

「本日の一押しをお願いします」
「じゃあ、鰆(サワラ)でいきましょう」

秋鰆のお造り

脂がよくのった身はしまっており、すこぶる美味。鰤(ブリ)のこってりした味よりはこっちが好みだ。

「鰆は秋の方が味がいいんですか?」
「はい。春はたくさん水揚げされるだけで...本当においしいのはこれから2月いっぱいまでですね。極上品は高く売れる岡山へ流れてしまうんですよ」

賢い料理人の簡潔明瞭な回答、流石だ。

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