寮管理人の呟き

偏屈な管理人が感じたことをストレートに表現する場所です。

なまこ壁の建物を見て倉敷美観地区へ

2009年02月28日 | 

阿知3丁目の「四十瀬屋」辺り。なまこ壁は富の証。豪商が建てた店の迫力に圧倒される。ここから「大橋家住宅」に向かう。

国指定重要文化財「大橋家住宅」

塩田開発などで莫大な財を築いた大橋家の住宅は嘉永4(1851)年の姿に復元されており、見学する観光客は多い。

「くらしき川舟流し」

さて明日から3月。いよいよ美観地区の「くらしき川舟流し」が再開される。舟から眺める光景は格別である。古い橋の下を拝めるのも有り難い。11月まで川下りが楽しめる。

星野仙一像

美観地区には「星野仙一記念館」が出来ている。星野さんはにこやかであるが、便所の前に設置されており非常に気の毒だ。腕があれば鼻をつまみたいところだろう(笑)

観光地の倉敷には美味しい店が多い。私も過去にある店を紹介した。興味のある方は昔の記事を参照されたし。

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倉敷の色街跡を歩く(後編)

2009年02月28日 | 

辻から更に西を目指す。「旅館」の前を通り過ぎ「ナイター横丁」に到着。ここにはスナックが数軒入っている。建物上部に設けられた円窓がやけに目立つ。

「ナイター横丁」

もう少し先に行くと交通量の多い旧国道2号線(現・国道429線)にぶち当たる。私は横丁の斜向かいの大きな家に注目した。元旅館であろうか。玄関の造りからしてただの民家ではなさそうだった。

「ナイター横丁」の斜向かいにある家

窓の多い家

ここから引き返したのだが、途中に細い路地がいくつもあった。通り抜けられるのもあれば、行き止まりもある。袋小路に迷い込んで目の前に現れたのはまさしく妓楼だった。

元妓楼

二階の細長い窓は珍しい。子供の自転車が無造作に置かれているのを見て苦笑した。それから、一瞬にして現在の風景が過去のそれに変わった。色街に売られた女の哀れな人生を考えずにはいられなかった。

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倉敷の色街跡を歩く(前編)

2009年02月27日 | 

「床屋」前の道に沿って西へ移動する。「川西橋」から「ナイター横丁」まではほぼ直線で約270m。川西町散策は1時間もあれば十分だ。

川西町一巡り→阿知3丁目(小河原呉服店・大橋邸)→大原美術館界隈→昼食→東町のルートで観光すると歴史の明暗が理解できる。遊里ばかり見てもあまり意味がないことを私は知っている(笑)

忘れられたスナック群

道筋には「旅館」「一膳飯屋」「酒屋」が並ぶ。そこから先に潰れたスナック群(女王蜂など)、廃業した寿司店がある。赤線廃止から次第に町の活気が失われていったものと思われる。

元寿司店

プレート1

所々に残る色彩の褪せたプレート類から色街の繁栄振りを偲ぶことは可能だ。小料理屋やスタンドも多数あったのだろう。現在の寂れようには悲しいものがあるが、これが時代の流れである。

プレート2

辻を右折して北上すれば前述の「橘湯」がある。周辺の建造物は一見の価値があると付け加えておく。

扇形の小窓

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一番街商店街を抜け「川西橋」を渡る

2009年02月27日 | 

JR倉敷駅を出る。かつて「三越」があった所は現在「天満屋」に変わっている。昨年の大晦日をもって「チボリ」も閉園となり寂しい限りだ。人通りの少ない「一番街商店街」を歩いて「川西橋」のたもとまで来た。

「川西橋」欄干と旧町名「平和町」標柱

「川西橋」は倉敷用水に掛かる小さな橋だ。ここで用水路はV字に折れ曲がる。橋には大正十五年(※完成)の銘が入っている。その脇に「平和町」標柱が立つ。現・阿知3丁目界隈はかつて平和町(昭和13年~昭和42年9月)という名であった。

橋の向こうが遊里の「川西町」。ゆえに「思案橋」の異名を持つ。私は迷うことなく橋を渡る。右側にタバコの自販機を見つけた。ここから左手の道を進むことにした。

「川西橋」を渡った先にタバコの自販機がある

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実に堂々とした造りの銭湯「橘湯」(倉敷市川西町)

2009年02月26日 | 

銭湯「橘湯」の前に立って松本市大手にある「塩井乃湯」を思い浮かべるのは私だけだろうか。元花街(川西町)の代表的建築で昭和初期(あるいは大正末)の香りがする。

下駄箱の傷みにすら味がある。番台に座ってテレビを見ていた婆さん(失礼!)に「どれくらい前からやっているのですか」と尋ねた。彼女は眠そうに「うーん、80年以上にはなるかなー」と話してくれた。歪んだ脱衣箱に鍵を閉めるのは至難の業だった。

小さな湯船に別世界で暮らす人達が入ってくつろいでおられた。背中と腕の絵柄は非常に立派だった。流石に向こうも大人である。すぐに湯船から出て脱衣場に移動した。私が驚いたのはそれだけではなかった。

なんと黄色いケロリン洗面器(もともとは内外薬品が頭痛薬の宣伝用に作った物)があったのである。まさに懐かしいの一言。股をゴシゴシ洗ってから湯に浸かる。私には丁度よい温度だ。珍しく10分ほど中でボーとしていた。

脱衣箱に鍵を差し込んで悪戦苦闘してようやく開けることができた。歴史ある銭湯はずっと残して欲しいが、現実は厳しそうだ。行ってみたいと思っている方は急いだ方がよいだろう。私と同じ経験ができるかどうかは運次第である(笑)

倉敷市川西町の旅館(その1)

「橘湯」はかつて旅館もやっていたようだが、周辺には旅館がいくつかある。その多くは妓楼経営からの転業と考えられる。銭湯の南側には風俗ビルが見える。

倉敷市川西町の旅館(その2)

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鮒つみれ汁を吸う

2009年02月26日 | 家飯

鮒ミンチが余ったのでつみれにした。作り方は鰯のそれと同じ。すり鉢にミンチを入れ塩・酒・片栗粉・生姜の絞り汁少々を加え、すりこ木であたる。スプーンですくえるようになれば完成だ。

出汁を沸かしつみれを落とし中まで火を通す。味見して薄いと感じた場合は塩か薄口醤油を足して微調整する。薬味はあえて個性の強い芹にした。液面には鮒の脂がびっしり浮かんでいるが、しつこさは微塵もなくいい塩梅だ。川魚の持つ力強い旨みを舌で受け止めて私は笑みを浮かべた。

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鮒飯(ふなめし)を作る

2009年02月25日 | 家飯

鮒飯(ふなめし)は岡山県の郷土料理である。岡山市内には鮒飯を食べさせる料理屋がいくつかあるらしい。私は鮮魚店の気さくなおやっさんに大まかな作り方を聞いた。

まず行平鍋にサラダ油を少し入れて鮒ミンチをよく炒める。焦げやすいので何度かコンロから鍋を離してかき混ぜた。そぼろが出来たら水を加えて鮒の旨みを抽出し、野菜(大根・人参・ゴボウ)と油揚げを加える。酒と薄口醤油で軽く味を付ける。火を止める前に芹を散らして完成。これを炊きたてご飯の上にこんもり盛って食べるのだ。

「鮒飯」に舌鼓を打つ

おやっさんが「ゴボウと油揚げと芹は入れたほうが良い」と言った理由がよく分かった。骨ごと挽いた鮒ミンチをそぼろにするとジャリジャリする。そこへ歯ざわりのいいゴボウが入るとあまり気にならなくなる。また油揚げによってコクが出て芹の爽やかさで味がしまる。

素朴ではあるが、「愛すべき味」だと思う。鮒ミンチは100gあたり250円程度だった。

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寒鮒(かんぶな)の味

2009年02月25日 | 食材

「戦前、敗戦直後は寒鮒を食べていた」と父はよく話していた。「あれは旨かったぞ」とも言った。私が山陰で寒鮒の造りを初めて口にしたのは三十半ばを過ぎた頃であったが、彼の言う通りだった。日頃は海の魚ばかり食べている人間が驚愕したのである。

適度に脂ののった透明感ある身は舌の上で跳ねるようであった。臭みはまったくなく川魚とはどうしても思えなかった。「旅はするものだな」とつくづく思った。同じものばかり食べていると知らず知らずのうちに視野が狭くなり感性までも鈍ってしまうのだ。

鮒ミンチは岡山県でこの時期売られている。だが、隣接する広島県東部で扱う店を見たことがない。食文化においては岡山の影響を強く受けているはずなのに。これは「川魚=臭くて食えねぇ」と簡単に結論を出す人間があまりにも多いためかもしれない。

私は幸運にも鮒ミンチを入手することができた。見た目はネブト(=テンジクダイ)のすり身を濃くした感じだ。

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鶏胸肉のソテー(ローズマリー風味)

2009年02月24日 | 食材

鶏胸肉が評価されるようになったのはここ数年のことである。ネットの世界で作り方が広まった「鶏ハム」のおかげもあるだろう。もも肉と比べると旨みと脂肪分が少ないが、ヘルシーという点で勝ち目はある。

胸肉を焼く際にポイントがある。落合務さんは片面(皮の方)を焼くだけで裏返さずにフライパンに蓋をして蒸し焼きにしていた。皮はパリッとして中はジューシーというのが理想だという。

塩コショウの他にローズマリーを加えてソテーする。爽やかな香りが肉に移り、一層食欲をそそる。胸肉の素直な味に慣れてしまうともも肉がくどく感じるほどだ。安い素材に一手間かけて美味しくする技を昔の人は身につけていた。基本を疎かにして料理の腕が上達するわけがない(笑)

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ローズマリーの香りに包まれて

2009年02月24日 | 食材

非常に爽やかな香りが室内に漂う。これがローズマリーの特徴である。天然の芳香剤によって頭と鼻がすっきりして心地よい。アロマオイルの原料になるのも頷ける。

ローズマリーは肉の臭み消しとして使われることが多い。豚あばら肉のローストには欠かせない香辛料だ。ローズマリーオイルを作れば便利だとは思うが、横着者なのでなかなか実行に移せないでいる(笑)

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紅色の花を眺める

2009年02月23日 | 日記

色鮮やかな花に目を奪われた。私は花についてほとんど知識がない。「椿かな」と思ったが、どうだろう。野草に詳しい翡翠さんに聞いた方が確実だ。種類は何であれ花を眺めるのは楽しい。萎れかけの花にもそれなりの味わいがあることがわかった。

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ソーセージとキャベツの炒め物

2009年02月23日 | 食材

私の幼い頃は魚肉ハムソーセージの全盛期だった。魚肉に少量の畜肉を混ぜて着色料を入れて作ったシロモノである。これにたっぷりとケチャップやマヨネーズをつけて食べていた記憶が鮮明に残っている。本当の腸詰の味を知ってからはほとんど口にする機会がない。

久し振りに安物ソーセージとキャベツの油炒めを作ってみた。味付けは塩とレモン果汁そして醤油。ボソボソの食感が実に懐かしい。苦いビールと一緒に胃袋に流し込み、高度経済成長期の地味な食卓を振り返ったのである。

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ハタハタ一夜干し

2009年02月22日 | 食材

ハタハタは水気が多いので軽く塩を振り冷蔵庫に入れて1~2日置く。こうすると適度に水分が抜けて焼きやすくなる。

旨みのアップしたハタハタは身離れがよい。腹の膨れた方にはぶり子が入っていた。卵を包んでいる皮はかたくなっており、噛むとブチブチという音が出る。素朴な味わいの珍味を堪能した。

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すし屋の常識・非常識 / 重金敦之(朝日新書)

2009年02月21日 | 書籍
すし好きならば真っ先に手に取って読んだと思う。重金さんは正論を展開し、所々で苦言を呈している。すしの進化の過程を知る上でも価値のある本だ。有名店「すきやばしJ」に関する指摘は手厳しいが的を射ている。

 小野二郎氏は「すしは三秒で食べてもらいたい」という。・・・だが、日本の食文化に「三秒で食べる文化」は存在しない。小野の信奉者が、三秒で食べているのを見て、カメレオンが長い舌を出してエサを食べる一瞬の動きを連想した(221P)

 すしの職人とお客の関係は、どうも落語的だ。岡本かの子のいう「裸になり仮装を楽しんでいる」お客のほうが、いつのまにか職人のご機嫌を取っているといった逆転劇もみることができるのである(226P)

 「たねは店に任せて、三秒で食べてくれ」というのは、あくまで店側の論理であって、一種の店のわがままではあるまいか(234P)

更に猿真似好きのお目出度き大衆に対してもチクリと皮肉を言っているのにはただ笑うしかない。

 ネグルメ(ネットグルメ)たちは「すし」ではなく「情報」を食べているように思えてくる。大間、大間と騒いでも、対岸の戸井となると、もう知らない。今や日本中に「気分は食通」状態の人が溢れ、「一億総料理評論家」になってしまった。さらにいえば、「グルメごっこ」に興じているといえよう(229~230P)

今日はこの店であれこれ食べた、☆3つというような日記を(匿名で)飽きもせずに公開している連中が本書を読んだらどう思うだろうか。

 私が敬愛してやまなかった映画評論家の荻昌弘は「すし屋は客と職人のコミュニケーションによってうまさが成り立っている特異で嫌味な飲食店」と規定した(230P)

私が「嫌味な飲食店」だと感じた場合、二度と行くことはない。リラックスできる店に通えばいいだけの話だ(笑)

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自動車整備工員のような姿で登場したジェフ・ベック(後編)

2009年02月20日 | 洋楽

Angelの終盤で音を外した御大は少し照れくさそうだった。ヴィニーのドラムソロが始まった辺りからメンバーのテンションは上がってきてGoodbye Pork Pie Hat~Brush With The Bluesは大いに盛り上がった。デイビットの見せ場とも言えるBlue Windをセットリストに入れたのは正解だろう。

コンサートは20時25分に一旦終了。ここから総立ちとなる。2分ほどして御大とデイビットが出て来た。初っ端で職人技を見せつけられ館内は静まり返る。以後は楽しい演奏が続いた。アンコールは計4曲。

タルが貰った花束を客席に投げ返す一面があった。それを掴み取ったのは2列目のご婦人だった。あれほど喋った御大を初めて観た。機嫌がよかったということだ。お開きは20時44分。会場を出る人達の顔はにこやかに見えた。

コンサート終了後、公園そばのグッズ売り場に群がる人達

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