無農薬・自然菜園(自然農法・自然農)で、持続できる自給自足Life。~自然な暮らしの豊かさの分かち合い~

信州の大地で自然農と自然農法で育てる自給農園で、日々の営みや生命を通して感じることや想うことを発信するブログ。

ユリ科の活用(自然菜園への近道)

2013-07-08 09:39:21 | 自然菜園の技術 基本
本日、




関東甲信地区では、15日も早い梅雨明け宣言が出たそうで、
ただでさえ梅雨が遅れ、空梅雨からはじまった梅雨入りでしたので、周囲の草の力も借りて草マルチをしっかり重ねて暑すぎる夏に備えようと思います。

先週撒いた自然ボカシ(土着菌で造ったボカシ※造り方は拙著参照)を草マルチでサンドしておいたら、
早くも放線菌など目に見える菌糸で分解が始まっておりました。

まだ自然菜園に切り替えて間もない、元化学肥料・農薬使用の畑や、非農地の庭だったところでは在来の動植物が少なく、
多様性に富んでいない場合は、米ぬかと草マルチだけですと、なかなか分解者が少ないせいか野菜が育ちにくく、
野菜が育たないと、土も育たないので、また来年も野菜が育ちにくくなる傾向があります。

そのため、初期や病気が出る菜園では、酵母菌や乳酸菌を主体に発酵しただろう自然ボカシ
人でいえば、大豆・牛乳が消化しにくいので、納豆菌・麹菌・乳酸菌で発酵させた、味噌・醤油・どぶろく・麹・ヨーグルトである

自然ボカシを大地に撒き、草マルチを重ね、野菜や土着菌、草が共存できる多様性な菜園のお手伝いをします。

自然菜園を続けていくと、この自然ボカシも余分なものになるので、それまでは野菜や草の様子を見ながら活用します。




自然ボカシの御蔭か、ニンニクも素直に育ち、一番大きくて育ちが素直そうなものを自家採種に当て調整しました。

調整した後の茎や葉は、


基本は、生えていたところに戻す様に草マルチの上から配ります。
ニンニクの葉には虫除けの効果もあるので、一部ニンニクを植えていなかった虫が来やすい根元に撒いてもいいでしょう。

ニンニク、ネギ、タマネギといったユリ科の野菜は、ナス科・ウリ科のコンパニオンプランツとしても有名ですが、
実は、自然菜園の近道でもあります。

ユリ科の野菜を前作で育てて、草マルチをしておくと、次の年にナス科・ウリ科夏野菜の生育がうまくいきます。
そして夏野菜を草マルチをしながら育てると、またユリ科だけでなく、他の春秋野菜が素直に育つようになります。

つまり、ユリ科野菜を前もって育てておくと不思議と野菜が素直に育つきっかけになるようです。
ユリ科の野菜は、全くの痩せ地では大きく成れないと、効果は半減しますし、草負けしやすい傾向があるので、
ステージ0~1の場合は、様子を見ながら前もって自然堆肥を施し、草を刈って草マルチを自然ボカシと共に重ねていくといいでしょう。




ユリ科の中でも一番重宝するのが、九条ネギなどの葉ネギです。
今回は、長雨でぐっしょり濡れてしまったため、いつも以上にカビが生えないように日陰干しにすることにしました。

九条ネギは、関西など西の方で主流のネギで、関東の根深ネギなどと異なり、土寄せする必要がなく、
土寄せしても白い部分も食べれる、グルメネギです。

ユリ科野菜の中でも、育てやすくもっとも土を育てる傾向が強いネギ。
土寄せを必要とせず、分けつして増えるので、増えた分はどんどんコンパニオンプランツや土づくりも兼ねて前作として、
相性が悪い野菜(エダマメなど)を避けてどこにでも植えておくと重宝します。

自然菜園では、連作と輪作を野菜別に取り入れ、野菜を育てることで、一層野菜が素直に育つように菜園プランを立てます。
それらのプランは、リレー栽培といって相性の良い組み合わせを混植し、草が生える暇がないほどに土を休ませずにどんどんリレーのように栽培していくのも秘訣です。

早く自然に育てればいいというものではないのですが、
食べ物が自給できつつ、土も育っていくのであればそのために智慧を搾り、実際にやってみて様子を観察しながら自然に育つ工夫を取り入れていくのは愉しいと思います。

写真の菜園はまだ3年目ですが、いまだかつてないほど素直に自然菜園に移行中です。
野菜が素直に育ってくれることは嬉しい限りです。

7/14(日)穂高養生園で行われる自然菜園の入門体験講座
持続可能な自然菜園入門講座~畑と田んぼからはじまる食卓~

●日程:全8回 第2または第1日曜日(13時~17時)
7月14日、8月11日、9月8日、10月13日、11月3日
●参加費:単発参加 1回3600円(税込)※ワーク参加費、温泉入浴込み
     全8回参加 26000円(税込)
●夕食を追加する場合:上記の参加費+2100円(税込)
※上記の料金には宿泊費は含みません。
コメント (11)
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自然菜園の育て方【3年目の梅雨】

2013-07-04 21:39:06 | 自然菜園の技術 基本
本日、

一昨日は長野市のカルチャーセンターで「これならできる!自然菜園入門」講座を行ってきました。

季節は梅雨、自然菜園では一つの節目と言いますか、一番大切な季節です。
この梅雨を活かせるかどうかで、自然菜園のステージアップが順調にいくかが決まるからです。

梅雨時期は、野菜も生長しますが、草も大きくなる季節、
野菜と草が共存できるようになるのか、草負けし、野菜が育ちにくくなる菜園になってしまうかの瀬戸際です。


放任したら、草畑。
草を刈って野菜の株元に草マルチしたりとお世話したら、自然菜園。



現在、長野市で自然菜園を新園し、新たな試みをしております。
どんな試みかというと、化学肥料・農薬を使って野菜を栽培していた畑(ステージ1)を3年で、
ステージ3の草が生える自然菜園に育ててみようという試みです。

土のステージとは、拙著『これならできる!自然菜園』(農文協)でご紹介した、
草の生え方で、どんな野菜が合っているのかが分かる土と野菜の相性などの目安です。

今までの経緯
1)3年前まで、化学肥料・農薬を使って野菜を育てていた畑でした。

2)2年前、乾くと非常に固くなる粘土質で、支柱を挿しても固くて深く入らない畑で、
  スギナが生えるような痩せ地の印象が強い畑でしたので、1㎡あたり3ℓの自然堆肥(自家製落葉堆肥)とクン炭を1ℓ混ぜてから、1ヶ月後の9月にエンバク、ライムギ、クリムソンクローバーなどの緑肥作物の種を混播して育てました。

3)去年、エンバクは背が低く30㎝程度、ライムギに至っては1m以下の生長しかせず、
  蒔いた緑肥作物よりもスギナの方が多いくらいでしたので、改めて自然堆肥を2ℓと米ぬかと油粕を混ぜたものを100g混ぜながら畝を立てをし、通路に緑肥ミックスを2条播きしました。家から遠いことと草が余りなかったので、菜園全体に草抑えに稲ワラを敷きつめて置きました。


4)今年に入り、野生化したエンバクを刈り敷きながら、春野菜を育て、育つ野菜(ネギ・タマネギ・ニンニク)、育ちにくい野菜(キャベツ・レタス)の中、夏野菜(キュウリ・ナス・トマト・トウモロコシなど)を6月上旬に植えました。


先月こぼれて野生化したエンバクが余りに立派だったことと、まだまだ土を耕してもらい団粒化してほしかったので、
穂をつけ始めたエンバクをそのままにしておいたので、畑の野菜の株元以外は実(種)をつけたエンバクがぎっしりでした。


タマネギ跡地でリレー栽培していたトウモロコシとカボチャ畝

2種類のニンニクに挟まれながらリレー栽培しているナスなどのナス科の畝


まずは、ニンニクのわきに有ったエンバクを刈り敷き、
ナスなどナス科野菜に支柱を立てました。


ニンニクを収穫する前の、ナスとニンニク。


収穫したニンニク。


ナス科野菜の食用ホウズキは、収穫後ニンニクの不要な葉も敷きます。

草マルチ+ニンニクの葉で、虫除け力?アップです。




タマネギの種子の自家採種の様子です。

塔だったタマネギのネギ坊主の花が満開です。


ナス科の野菜は、収穫が7月末~10月の初霜までなので、
収穫期が長いので、梅雨で伸びた周囲の草も株元の草マルチに加え、米ぬかと油粕を補ってから草マルチを厚く敷くことで、
まだまだ伸びる野菜の根を応援してあげます。


キュウリも遅くなってしまった支柱を立てて誘引してあげ、
ナス科野菜同様、草マルチを厚くしてあげます。


トウモロコシとカボチャ畝もエンバクを刈って敷いてから、草マルチを厚くし、
風通しをよくし、光がたっぷり当るようにすっきりしました。


草刈り前

草刈り後です。

エンバク畑と思うほど、野生化したエンバクが茂っていたのを刈って敷いたため、かなりすっきりしました。

月に1~2日しか面倒が見られない菜園ですが、野菜が自然に育つ菜園になるために極力無理をせず、
緑肥作物中心に自然に自然菜園に移行できるように工夫してきました。

3年経って初めてまだまだ貧弱ですが、ポツポツと数か所土のステージ3のハコベが生えている場所が出てきました。
今年の栽培で、来年の春からは、ハコベが全面を覆うくらい精力的に生えてくる菜園になってくれるのではと思っております。

陶芸ができそうなくらい粘土が強く、すぐに乾いてガチガチでゴツゴツニなるか、
雨が降ると土がベチョベチョになってしまうような田んぼのような土で痩せていた最初から恵まれた畑ではなかっただけに、
3年目に無事夏野菜が素直に育ってくれそうで嬉しいものです。

まだまだ、自然にというには駆け出しですが、今後も野菜の根性を鍛え、野菜が自然に美味しく育ってくれる菜園になるように、
できるだけやり過ぎないように、でもポイントを外さずに野良仕事を続けていきたいと思います。

「初心忘れるべからず」十代ではじめた自然菜園。
今でも初めての菜園を思い出し、今こうして自然に向き合いながら野菜を育てられていることに感謝・感激です。

コメント (20)
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はじめてのセイヨウミツバチの分蜂群に出会う

2013-07-01 23:19:22 | 日本みつばち
本日、

久々の更新。3日間位くたばっていました。
今年は、過去最高の多忙を極め、ひたすら菜園教室、菜園コンサル、野良仕事、育児ととにかく、空前の多忙。
3月から菜園が本格始動し気づいたら6月、はっとしたら今日から7月。

好きなことを仕事にしたため、ついついやり込んでしまい6月末の雑誌の連載の雨の中の取材後、
翌日朝目が覚めたら起きれない、、、
トイレにだけおき、眠ること2日間。更に2日間養生に費やし、今日から仕事復帰したのが今日でした。

今日は、菜園コンサルのお仕事で覚せいし、お昼に帰ってくると、、、


やたら、庭先が蜂の羽音でうるさい。
音を頼りに探してみると、大家さんの柿の樹に、ミツバチの分蜂群発見!!


よく見ると飼ったことのある日本みつばちではなく、セイヨウミツバチの分蜂群でした!!

ミツバチには、在来種の日本みつばちと、明治時代に外国から導入されたセイヨウミツバチの二種類があり、
家畜として品種改良されてきたセイヨウミツバチ
の分蜂群でした。

今年は、松枯れ対策に使われるネオニコチノイド系の農薬の影響で、在来の日本みつばちが壊滅状態で、自然の巣分れ(分蜂)がなく、生きた日本みつばちもまだ見かけておりませんでした。

そんな天に唾する行為の結果で失われていく在来種の生き物たちの一方、
移動可能な家畜(養殖)のセイヨウミツバチが目の前にかなりの大きさの塊で集まっていました。

日本みつばちを飼っていた経験がなければ、きっとブンブンする羽音にビビって、そのままにしていたと思いながら、
自然と、分蜂群を取り込む支度をしてしまう自分にびっくりしました。




分蜂群のついた柿の枝ごと切り取り、日本みつばちの巣箱の中に落とすと、


一部が落ちずに、大半のセイヨウミツバチが箱に入りましたが、
殺気立ったミツバチに左手の甲を挿されてしまいました。




手当をした後、深呼吸してから巣箱の中をデジカメの望遠で撮ってみると、

中には、ぎっしり大量のセイヨウミツバチが入っていました。
落とした際に、女王蜂もいたようで、すべての蜂が箱の中に入ったり、出入り口でブンブンと飛んでいました。

正直、セイヨウミツバチは日本みつばちに比べ、獰猛で人に刺しやすく、いろいろな道具や許可が必要な蜂なので、
今まで触手が伸びず、手軽に飼えて、温和であまり刺さない在来の日本みつばちの飼育を研究していただけに、
知識はあっても経験がなくどうしていいのかわからないことだらけ、
とりあえず、身体がサッと動いて手短に合った日本みつばちの巣箱にいれたものの、どうしていいか思案がはじまりました。

近日中に、ハチ仲間に相談して今後どうするのか決めようと思いますが、
このご縁をどうしたものかドキドキしております。


7月の「これならできる!自然菜園入門講座」は、
7/3(水)長野:メルパルク教室(昼)城山公民館(夜)
7/10(水)松本:NHKカルチャー(昼)

の予定です。
コメント (2)
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