自然治癒力セラピー協会=Spontaneous Healing Therapy Japan

自然治癒力を発揮させるために、心と体の関係を考えます。

バカヴァッド・ギータ (1)

2012年12月06日 | 自然治癒力とヴェーダ哲学の関係

         

クリシュナ神とフルート

 

ヨガの本質(真理)が書かれていると

いわれるギータについて、お話しさせていただく。、

The Bhagavad Gita という本の名前

を耳にされたことがあると思う。

インドでは聖書に匹敵するほど、

庶民にも滲透している、聖典である。

今日から数回にわたって、不二一元の

真理を体得された、ヨガナンダ師の

言葉を借りながら、この聖典の内容を

ご紹介したいと思う。

 

“The entire knowledge of the cosmos

 is packed into the Gita” (P.3)

と師は言われる。

(訳)”すべての宇宙の智慧が

このギータに詰まっている” 

 

そして、ギータの真実は、どの人にも、

それぞれの、状況と状態に応じてその智慧

を得ることができるという。 

つまり、読めば、必ず、心のどこかに、

真実の波動が響き、自分の中の真実の

音叉を震わすのだ。

そのことを、師は、

”Wherever one is on the way back to God,

 the Gita will shed its light on 

that segment of the journey.”

と書いている。(P・3)

この師の言葉 ”back to God”  に注目したい。*1

 

その意味は、私たちは、誰でも、

”神に戻る道”の過程にいるということだ。 

今、何をしていても、どこにいても、

どんな悩みをかかえていても、

困難に直面していても、真実は、この道は 

神にたどり着く過程である ということなのだ。

神にたどり着く過程は時間で言えば、

限りなく長いものかもしれない。

 

古(いにしえ)に栄えた 霊的大国は、

その国が繁栄したピークといわれる時代が 

遠い昔にあった。

エジプト、日本、南アメリカ、

そして、インドも例外ではない。

ヨガナンダ師の師匠、 

シュリ・ユリテスワ師の研究だと、

インドが最も精神的に物質的に

栄えた時代について、インドの黄金期は

6,700B.C.に終わったとする。*2 

そしてその後は、石器時代という

それまでの栄光からかけ離れた時代が 

現在の歴史学の一頁に記されている。

 

”Most Anthropologists, believing 

that 10,000 years ago humanity was

 living in a barbarous StoneAge, 

summarily dismiss as ‘myths’ 

the widespread traditions of very 

ancient civilizations in Lemuria, 

Atlantsis, India, China, Japan, Egypt, 

Mexico, and many other lands,”.

 

訳) “考古学者たちは考えている。

1万年前の人類は石器時代を生き、

レムリア、アトランティス、インド、

中国、日本、エジプト、メキシコなどの

古代文明の繁栄していた国々に

伝わっている神話からかけ離れた

野蛮人のような 生活に甘んじていたと。”

 

ギータの舞台はまさに、インドの

黄金時代が衰退し始めてきたころ。

主人公は、クリシュナ神と、アルジュナ

と5人の兄弟たち(パンダヴァ兄弟)

であり、彼らが敵対する同族と

闘う物語でもある。

Mahabharata(マハバラータ)と

いう物語は、クリシュナ神が

生まれる前から3代にわたって描かれる。

 

バガバッド・ギータは、”Mahabharata” 

という、18巻からなる叙事詩の一部

であり、これをまとめた聖人が、

Vyasa 、聖典ヴェーダの編集者でもあった。

ギータが小ヴェーダと呼ばれる所以でもある。 

Vyasa の時代については、明らかにされていない。 

ヴェーダの書かれた時期が諸説あるように、

その編纂者であるVyasa に関しても

個人的情報は知られていない。

 

さて、バカバッド・ギータは、主人公、

クリシュナ神と、従弟でもある

アルジュナとの対話形式で進められていく。

 

政治の陰謀と策略の罠にかかった

クリシュナの父、国王、Vasudeva 

は生まれたばかりのクリシュナの命を救うために、

ヤムナ川に隣接する、ブリンダバンに幼子を置く。 

その時の養母が、Yasoda, 養父が

牛飼いのNandaである。

 

そのあたりをもう少し詳しくお話しすると・・・・

そもそもクリシュナ神は王族の

一員として生まれた。

ヤーダヴァ族と言われる豪族がいた。

その頂点にたつ、王カンサは多くの

悪行を働いていた。

神々は対策を協議し、ヴィシュヌ神に対して、 

王カンサの妹、デーヴァキーの胎内に宿り、

クリシュナとして誕生するよう定めた。

ある時 カンサ王 はデーヴァキーと

その夫のヴァスデーヴァを乗せた馬車の御者を務めた。

都へ上がる途上、どこからか 

「デーヴァキーの8番目の子が カンサ王を殺す」 

という声が聞こえた。

その予言に、恐れをなしたカンサ王は 

ヴァスデーヴァとデーヴァキーを

牢に閉じ込め、そこで生まれてくる息子達を

次々と殺した。

 

デーヴァキーとヴァスデーヴァ は 

7番目の子バララーマ と 

8番目の子、クリシュナが生まれると直ちに 

皇子たちの命を救うために智慧を絞る。 

ヤムナー河のほとりに住む牛飼い 

ナンダの娘 (同日に生まれた) 

とすり替え、 皇子2人をゴークラ

町にかくまうために、牛飼いに預けた。

 

こうして、牛飼いの村で育った、

クリシュナは幼い時からその腕白さと

怪力を発揮し、ミルクの壷を割った為に 

継母の ヤショーダにお仕置きを受け、 

大きな石臼に縛られたクリシュナの

逸話が残る。

その臼を引きずって2本の大木の間に

すり寄り、その大木を倒したという。

 

また、ヤムナ川 に住む竜王の 

カーリヤ が悪事をなしたことから 

これを追い払った。

インドラ(雷神)の祭祀の準備を

する牛飼い達に 家畜や山岳を

祭る事を勧めた クリシュナに対し、

怒ったインドラが大雨を降らせた。 

その時、クリシュナはゴーヴァルダナ山 

を引き抜いて1本の指に乗せ、牛飼い達を

インドラが怒りで降らす、大雨から守った。

 

神としての本領を幼い時から

発揮していたことが逸話で数々残されている。

成長したクリシュナは牛飼いの女性達の

人気を集めたが、彼はその1人ラーダを愛した。

フルートを吹くクリシュナ神と

恋人のモチーフが絵や彫り物に残されているが、

この女性こそ、ラーダである。

 

一方、カンサ王は クリシュナが生きて

いる事を知り、すぐさま配下の

アスラ達を刺客として送り込むが、

悉く返り討ちにされる。

そこで、カンサは クリシュナと

バララーマをマトゥラーの都へ呼び寄せて 

殺害を謀るも 失敗に終わった。

 

ヴィシュヌ神の生まれ変わりである、

クリシュナ神は、パーンドゥの5人の

息子たちとともに、ドリータラ―シュトラの

百人の王子たちと闘う。

その一大叙事詩が 冒頭に述べた、

マハバラータと言われる、物語であり、

その一部を構成する、バーンドゥ兄弟

のアルジュナとの会話形式で書かれた章が、

バカヴァッド・ギータ と呼ばれる部分である。 

 

バカヴァッド・ギータの中で、

クリシュナ神は、さまざまなヨガの心

に通じる(ヨガの種類~12月5日参照)教えを

アルジュナに説いていく。

続く・・・

*1 The Yoga of The Bhagavad Gita by Paramahansa

 Yogananda Self-Realization Fellowship

*2 Holy Science” Los Angeles: Self Realization Fellowship)

 

クリシュナ神は宇宙維持の神、ヴィシュヌ神の生まれ

変わりと信じられています。

 

 (訳:自然治癒力セラピー協会)

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