12月12日 5兄弟の象徴
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パンドヴァ5兄弟のシンボル的意味がある。
サハデヴァ、ナクラ、アルジュナ、ビーマ、
ユディスティラの5人は、それぞれ、
固有の特質を持っている。
さらに、各々の個性が各チャクラとの結びつきを示す。
例えば、サハデヴァは、Damaという特質を持つ。
この特質によって、悪から己れを遠ざけることができる。
絶えず揺れ動く感覚器官の刺激と その感情を
制御することに長けている。
この特質は muladhara chakra の波動と対応する。(*1)
ナクラは
Sama, と言われる特質を持つ。
心の統制により、集中力を高め、エネルギーを
取り入れることができる。
Svadhishthana チャクラに呼応している。(*1)
アルジュナはmanipura チャクラの場所、
肺の中央に在る火の要素に呼応している。(*1)
自己制御にたけて感情に流されがちな
弱い心に打ち勝つことができる。
心身の浄化が促進され、深い瞑想を
可能にする資質である。
この火の要素とは、自己制御力とともに、
霊的促進には不可欠な条件である。
この要素を兼ね備えたアルジュナは
クリシュナ神を御者に、戦場を走り回り、
その間、バカヴァッド・ギータの物語を
構成する、クリシュナ神の対話の相手
として登場する。
アルジュナの 自己制御、忍耐、決断の力を
もってして、クリシュナ神の信者の代表
として選ばれた。
ビーマは、ヴァイタリティ―と生命力、
プラナをコントロールする人として描かれる。
Anahata チャクラに対応する特質である。*1
深く 静かな、正しい呼吸法を知っている
彼は、怒り、強欲、セックス欲などの情熱の
虜になることなく、聖なる愛に満ちている
人物として描かれる。
ユディスティラは、創造的な波動と聖なる
静けさを持つ人として登場する。
これは、vishuddha チャクラに呼応する。*1
彼は、5人兄弟の仲で、最も、年長である。
ここで創造的というのは、真理の創造だ。
直観的な想像力を、真理が具現化するまで
持ち続ける資質を持っている。
バカヴァッド・ギータの中で、この5人の兄弟
に直接アドヴァイスを与え、サポートする
クリシュナ神は、単なる、ヤダヴ一族王家の
血筋をひく人物ではない。
聖霊であり、宇宙的意識を持つ kutastha、
あるいは、キリスト意識の象徴として、
この世に顕現する。
この意識が 私たちの肉体の隅々にまで浸透して、
生命力として、生きている身体の活力源となっている
~と考える。
科学者は物質の現象的事実を実験によって
構築しながら、奥にある原因をつきとめよう
とする。
一方、ヨガは、まず、因果や原因の”因”を
定義したうえで、現象世界に起こる事柄を
解明しようとする。
以前、ブログで”演繹的(えんえきてき)思考と、
帰納的思考”についての考察(*2)にも書いたが、
二つのアプローチは正反対ともいえるのだ。
つまり、科学的思考と真理的洞察思考は
同じ目的地を持つと仮定しても、目的地
からたどって道を見つけるのと、目的地に
着きそうな道を探していく方法ぐらい、
異なるものだ。
聖者Patanjali は ヨガ大聖典(Yoga Sutras)
の著者でもある。
この聖者自身、バカバッド・ギータについて、
”神自身が自己の資質と迷える子供たち(人間)と
を結び付け、一つにするために、書かれたものだ”
と言っている。
さらに、ヨガナンダ師は、メタフィジカルな
解釈ではあるが、この戦いの物語は、
実は、私たちの中にある、物質的な要素と、
霊的要素との闘いを比喩したものだとする。
そして、自己の本質が出現するために、
自己の弱い性質に打ち勝つために、何が必要なのか?
その答えが、5人のパンダヴァ兄弟に象徴されている。
彼らの先にかかげた、良質な徳性を持って
可能になるという。
パンダヴァ兄弟の Panduという言霊は、
buddhi[ブッディ) すなわち純粋な智慧を意味する。
自己実現のために、ブッディを使いこなし、
本質を顕現する~それが、ヴァカバッド・ギータの物語に
秘められた意味でもある。
*1 | 経絡とチャクラ | 2012-12-02 |
*2 演繹的と帰納的 2012-09-15~17 ブログ