自然治癒力セラピー協会=Spontaneous Healing Therapy Japan

自然治癒力を発揮させるために、心と体の関係を考えます。

ギータ・5人兄弟が象徴するもの

2012年12月12日 | 自然治癒力とヴェーダ哲学の関係

 クルクシェートラの大戦争

 

12月12日     5兄弟の象徴

********************************

パンドヴァ5兄弟のシンボル的意味がある。

 サハデヴァ、ナクラ、アルジュナ、ビーマ、

ユディスティラの5人は、それぞれ、

固有の特質を持っている。 

さらに、各々の個性が各チャクラとの結びつきを示す。

 

 例えば、サハデヴァは、Damaという特質を持つ。

この特質によって、悪から己れを遠ざけることができる。 

絶えず揺れ動く感覚器官の刺激と その感情を

制御することに長けている。

この特質は muladhara chakra の波動と対応する。(*1)

 

ナクラは 

Sama, と言われる特質を持つ。

心の統制により、集中力を高め、エネルギーを

取り入れることができる。

Svadhishthana チャクラに呼応している。(*1)

 

アルジュナはmanipura チャクラの場所、

肺の中央に在る火の要素に呼応している。(*1)

 自己制御にたけて感情に流されがちな

弱い心に打ち勝つことができる。

 心身の浄化が促進され、深い瞑想を

可能にする資質である。

 この火の要素とは、自己制御力とともに、 

霊的促進には不可欠な条件である。

この要素を兼ね備えたアルジュナは 

クリシュナ神を御者に、戦場を走り回り、

その間、バカヴァッド・ギータの物語を

構成する、クリシュナ神の対話の相手

として登場する。 

アルジュナの 自己制御、忍耐、決断の力を

もってして、クリシュナ神の信者の代表

として選ばれた。

 

ビーマは、ヴァイタリティ―と生命力、

プラナをコントロールする人として描かれる。

Anahata チャクラに対応する特質である。*

深く 静かな、正しい呼吸法を知っている

彼は、怒り、強欲、セックス欲などの情熱の

虜になることなく、聖なる愛に満ちている

人物として描かれる。

 

ユディスティラは、創造的な波動と聖なる

静けさを持つ人として登場する。

 これは、vishuddha チャクラに呼応する。*

 彼は、5人兄弟の仲で、最も、年長である。

 ここで創造的というのは、真理の創造だ。

 直観的な想像力を、真理が具現化するまで

持ち続ける資質を持っている。

  

 バカヴァッド・ギータの中で、この5人の兄弟

に直接アドヴァイスを与え、サポートする

クリシュナ神は、単なる、ヤダヴ一族王家の

血筋をひく人物ではない。

 聖霊であり、宇宙的意識を持つ kutastha、 

あるいは、キリスト意識の象徴として、

この世に顕現する。

この意識が 私たちの肉体の隅々にまで浸透して、

生命力として、生きている身体の活力源となっている

~と考える。

 

科学者は物質の現象的事実を実験によって

構築しながら、奥にある原因をつきとめよう

とする。 

一方、ヨガは、まず、因果や原因の”因”を

定義したうえで、現象世界に起こる事柄を

解明しようとする。

以前、ブログで”演繹的(えんえきてき)思考と、

帰納的思考”についての考察(*2)にも書いたが、

二つのアプローチは正反対ともいえるのだ。 

つまり、科学的思考と真理的洞察思考は 

同じ目的地を持つと仮定しても、目的地

からたどって道を見つけるのと、目的地に

着きそうな道を探していく方法ぐらい、

異なるものだ

 

聖者Patanjali は ヨガ大聖典(Yoga Sutras)

の著者でもある。

この聖者自身、バカバッド・ギータについて、

”神自身が自己の資質と迷える子供たち(人間)と

を結び付け、一つにするために、書かれたものだ” 

と言っている。

 

さらに、ヨガナンダ師は、メタフィジカルな

解釈ではあるが、この戦いの物語は、

実は、私たちの中にある、物質的な要素と、

霊的要素との闘いを比喩したものだとする。

そして、自己の本質が出現するために、

自己の弱い性質に打ち勝つために、何が必要なのか?

その答えが、5人のパンダヴァ兄弟に象徴されている。

彼らの先にかかげた、良質な徳性を持って

可能になるという。

 

パンダヴァ兄弟の Panduという言霊は、

buddhi[ブッディ) すなわち純粋な智慧を意味する。 

自己実現のために、ブッディを使いこなし、

本質を顕現する~それが、ヴァカバッド・ギータの物語に

秘められた意味でもある。

 

 

*1   経絡とチャクラ     

2012-12-02

*2 演繹的と帰納的 2012-09-15~17 ブログ

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