自然治癒力セラピー協会=Spontaneous Healing Therapy Japan

自然治癒力を発揮させるために、心と体の関係を考えます。

ギータ::本当の自分意識と肉体意識の比較

2012年12月14日 | 自然治癒力とヴェーダ哲学の関係

 

12月14日  

欲望を満たしたいと願う時、人はその

自我意識を自己満足のために、使い果たし、結果、

苦しみと葛藤を生むことになる。

そういう意味で肉体に属する欲望は、

人を執着にからめ、本来の自己を忘れさせる

一番の原因にもなりかねない。

サンスクリット語では、この欲望を カーマという。

 

以前にも、5感の感覚を統制するという

お話しの中でそれが難しいことを書いた。

目にはいる対象物によって欲望をそそられ、

耳で聴く言葉、お世辞やおべっかに心を動かし、

音楽の甘い調べに心を赦し、臭覚によって、

健康を害するまで美食を貪り、心地よい触感に

我を忘れる。

それに加えて、”私の”、”私が” ”私を”と

いうエゴ意識が加わって、さらに、現実模様を

複雑にする。

 

ドゥリヨーダナという人物が、ギータの中で、

この5感の欲望の象徴として暗示されている。

5人兄弟と闘った人物だ。

ヨギといわれる、修道者たちは、これらの感覚と

どう戦っているのだろうか?

人間である以上、多かれ少なかれ、五感の

感覚の虜(とりこ)になる誘惑はある。

簡単な真言がある。

それは”私ではない” という言葉だ。

その使い方も簡単である。

それらの感覚の虜になりそうなときは、

”これは私ではない”と呟くのだ。

たとえば、具体的に、私たちの心は

振り子のように、下記の地点を揺れている。

自分でないと呟くのは、本来の自己から

遠ざかりそうになったときである。

 

ァ・本来の自分 (アートマ) 

ィ・感覚に左右される自分(カーマの影響を受ける)

1ァ・良心的 ィ・良心の呵責(かしゃく)

2. 自己統制  欲望に振り回される

3ァ・必要最低限の自己を維持する物質の認識    

ィ・必要以上に溜め込もうとする欲望

4.ァ・赦し ィ・怒り

5.ァ・喜び ィ・悲しみ

6.ァ・親切 ィ・非情

7.ァ・調和 ィ・自己中心

8.ァ・理解 ィ・嫉妬

9.ァ・勇気 ィ・臆病

10.ァ・自信 ィ・恐れ

11.ァ・信頼 ィ・疑い

12.ァ・謙虚 ィ・傲慢

13.ァ・神との合一への欲求 ィ・現象世界の物質獲得欲求

14.ァ・神聖な恍惚感 ィ・肉体の恍惚感

15.ァ・目覚めること ィ・自意識

 

 

 

前者のァ-意識が本来の自己意識が満足する範囲で、

後者のィ-意識は、肉体意識を自分と勘違いしている

場合の範囲。

前者の意識に常に近づくようコントロールする際、 

後者の意識が頭をもたげる。

その時、”これは私ではない”と宣言すれば、

ィ意識は遠ざかる。

その言葉が力を持ち、次第に、本来の自分に

振り子は戻り、心の平安を保つことが容易に

なると、ヨギは言う。

ヨガナンダ師も以下のように、簡潔に言う。

”When this 'I' shall die, then will I know who am I" (1)

協会訳)

”私意識が死んだとき、私が誰だか

知り得るだろう。”

 

カーマによって揺れ動く自分は、

同じ私意識でも、肉体の”私”である。

この意識が亡くなれば、ほんとうの

自分の意識が出てくるので、自分本来の

”私”がわかるということだ。

 

マハバラータの(5)で最終結末が

書かれている。

結局、現象世界で敵味方で戦っても、

天国に召されたアートマ意識

においては、敵味方がなく、

本来の自分に帰って、みな、平和的に

暮らしたということになる。

 

 

 

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