★飛び込み記事です★
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札幌・新千歳空港で羽田へのフライト待ちの間に、ついにシュタイフ・ミュージアムに立ち寄る時間を得ました。
日本では、テディベアのシュタイフ社として知られていますが、実は様々な動物をモチーフとして製作していることをアピールする場所でもあると聞いていました。
入場券を買って入ると、いくつかの展示コンセプトが順路にそってありました。
ドイツの街の祭のパレード(写真1、2)。南の国の人を載せる動物達(写真3)…実際に200Kgまで載って記念撮影ができる。北の海の生き物達(写真4)。北海道の絶滅が心配される動物達(写真5)。
これらの動物達が一緒に居られる地球を守るために、私達は何をできるか、考えてみましょう…と最後に問い掛けていました。
その後は、シュタイフ社の歴史展示(レプリカ付き)と、最近のアンティーク・ベア(笑)がケースに納められています。
ミュージアム名称に冠した、自然保護のメッセージよりも、ボタン・イン・イヤーの豊富な物量に圧倒される場所でした(苦笑)。商品カタログがリアルに並んでいる、といえば伝わるでしょうか…。例えば、写真4は総額・幾らか、ということがマニアなら言える具合に…。ネイチャー・ワールド部分には、来館者を感動させる展示力が充分ではないと、私は思いました。
真価は、最終展示にありました(苦笑)。シュタイフ社・製品の歴史的変遷を語るコーナーの立ち止まり難い通路の壁に。
北アメリカ用に編纂された、創業者マルガレーテ・シュタイフの生涯と会社の来し方を、生存する親族や社員の語りを加えた30分のビデオがありました。オート・リプレイで椅子一つ置いていない…このビデオには、輝く意志と喜びがありました。
マルガレーテ・シュタイフは、1800年代半ばに、肢体不自由な状態で生まれた女性であった。家族の理解と教育、自らの工夫と努力を重ね、フェルトを使った玩具産業への道をひらいた。
障害をもつ女性は、社会のお荷物として野垂れ死にするような時代に、意志を形にする強さをもち、多くの雇用を生み出す力となった、正しき人であった。その彼女の人間的な面をもまた、ビデオの中に語られていた。
親族のそれぞれの適性を延ばして仕事ができるようにしていく姿勢。常に世界を知るようにと、語学研鑽を進める姿勢。女性の就労が難しければ、在宅での作業を取り込む姿勢。車椅子で会社の隅々まで行けるように考えた建築構造の推進。障害をもつ者の雇用と就労内容の個別化の推進、等。
ピクニックやお祝いを好む、笑顔の中心にいた女性だったと、親族は語る。古参の社員は、世界一の品質を護る誇りと、愛される製品を作る喜びがあったと語る。
喜びの意志をもつ人が、廻りにも灯をひろげ、輝く世界を作っていく。敬愛するウォルト(・ディズニー)と同じように。夢は叶える目標なのだ!
このビデオに出合うために、今日、私はここへ来たと思ったのでした(微笑)。
かつて訪れたギンゲン・アンデンブランツの、シュタイフ工房で受けた、静かな感動は、このビデオによって更に力をもちました。
喜びと誇りをもって仕事することの大切さ…翌日からの自分にむけての教訓です。
※最後の二枚の写真は、マルガレーテ没後百年に作られた製品です。当時の女性の正装である、長い黒い重いドレス。それに隠すことなく、車椅子を使う姿を沢山の写真に残している。マルガレーテの意志を今に引き継ぐ形と思い、この写真をここにおきます。(ミュージアム内は写真撮影・可です。)
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