過労死予備群の「食から笑顔になる生活」

夜討ち朝駆けで仕事する日々。忙しくとも自分なりの手間をかけて、美味しく笑顔になる生活を志します。

フレッシュ乾物! 色に呼び起こされる記憶

2021-06-11 05:05:00 | 美味しい食



北寄貝(ホッキガイ)のフレッシュ乾物(!)を、青森の知人から贈られる。ふわっとした食感を残した乾物は、ファミリー層に人気なのだ、という説明に、さらに驚きました(笑)。

乾き物(かわきもの)で一杯って、昭和の晩酌風景と、思っていたのです。魚類を食べない子供に、親のサワーのあての乾き物を与えるから、柔らかい食感が好まれるとのこと。

保存性の高くない、甘い味をつけたのが、売れるのだから、乾き物の文化は変わっていくのだ、時流が動く時だと、不思議な気持ちになりました(微笑)。


ホッキガイを火入れすると、淡いエンジ色とアイボリィのコントラストが生まれます。貝飯にすると、花を炊き込んだかと思うほど、美しい一膳になります。20年ほど前、新宿三丁目にあった、はまぐり、という貝料理専門店の名物でした。小さな釜で小人数ごとに炊いて供するのは、末廣亭帰りと思しき、いなせなお客様の姿と共に、美しい江戸情緒の記憶です。

写真は、海老塩風味のポップコーンと盛り合わせてみました。令和のオヤツなら、こんな風景でしょうか?(微笑) 

それでも尚、ホッキガイの色味の美しさは、目を奪います。エンジ色とアイボリィは、円熟味を感じさせる組み合わせなのだと、改めて見直しました。

ウバガイとも呼ばれる、この貝の、名前の由来は様々です。
色の組み立てが乳母の胸元を思わせるから、というエロティックな説明を、聴かせてくれたのは、新宿のはまぐりの大将(笑)。
7〜8年、育たないと、売り物にならないし、30年生きる貝だから、婆さんと呼ばれて、姥貝(ウバガイ)と呼ぶんだ、と教えてくれたのは、はまぐりのカウンターにお座りの、着流しにパナマ帽のご年配のお客様(笑)。
その掛け合わせが、きれいで、こんなセリフが決まる、大人になろうって思った日が、ありました。(笑)

一袋のフレッシュ乾物(!)も、また、時を遡るパスポートになった夜更けでした。


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