冬の間は水辺での作業に手出しはしたくないのだが漏水・減水の事態ともなると先送りは出来ない。兎煮も角煮もいいえ、とにもかくにも最優先の即決事態なのである。既に水見回りしたところでトンボの姿を楽しめる訳もなく、日照の届かなくなった谷地は寒く尚且つ侘しいだけの空間になっている。とは言え「水切れ」の事態は水域の原子爆弾にも相当する苦労が一瞬にして水泡に帰す零査定となりかねないので欠かす訳も出来ない。
この日棚田部の底が見えていた。度々漏水するオーバーフロー部だろうと確信して立ち寄ればやはりそうだった。堰の護岸木の下から漏水している。夏の頃、水切れ防止のためにオーバーフロー部より棚田内に土嚢を敷き詰め越流させておいた。これでオーバーフロー部から多少の漏水があっても棚田内の減水は阻止できていたのだが、今回はその土嚢の脇から漏水している。これでは「元から断たなきゃ駄目!」その通りであって、急遽土嚢三袋を用意し運び護岸木の両脇と越流堤を補修した。
これで湛水量が復活し少なくとも春までは大丈夫だろう。とは言え、そう思っていてもいつ何時漏水・減水・断水が起こるやも知れず、日々の水見回りは欠かせないのであった。誠に水商売は自転車操業であって、動かすのを止めればこけるだけなのだ。
まあ、「転ばぬ先のペダル回し」なんちゃって・・・。

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