我がフイールドに於いてキジョランの生育が思わしくないのは理由が判然としないだけに手の打ちようも無いものの蚊を打ちすえる程度の事はまだまだ出来るのだった。だからこそめげずに四十し盛りから七十なけなしになっていようと続けているのであった。まあ、それはともかく生育が悪くてヤマビワに這い上らせようと添えて定植した株が未だに1m足らずなのだ。「冬の状態はどうかな⁉」と立ち寄ってみたら葉の端が千切れているではないか。普通に見る円状の食痕では無いのでアサギマダラの幼虫とは思わなかったのだけれど葉裏を覗いたら30mm程度の幼虫が1頭いたのだ。少なくとも目視で観察できる唯一頭である。
目視で食痕は確認できても手も届かないトチノキの先端まで這い上ったキジョランに幼虫がいるのかどうかは確認できる環境でも無いし食痕が明らかでも今期の食痕と過去の食痕の区別は無理である。だからこそ貴重な一頭であるのだが懸念は蔓が小さいので蛹になるまでの食料が恐らく欠乏するだろう。故に経過観察しながら葉を食べ尽くさずまだ葉裏に居る間に引っ越しさせねばならなくなった。葉は20枚もあれば蛹化に至れるだろうから最古参のイボタに這い上がらせた株に引っ越しさせる予定にした。これも生育が悪いけれど手の届く範囲に葉の量は蛹化できるまで十分にある。たとえ食べ尽くしたとしても2mほど蔓を這い昇ればイボタノキの先端部にも多少はあるから望みはあるだろう。