暮頃から水流が細くなっていて「近々点検整備しなければ…」と思いつつ足は向けなかった水源地なのだが、この日、吐水は遂にチョロ水となっていたので已む無く水源地詣でとなる。尾根道を避け本流沿いに遡行すれば楽なのだが護岸補修工事で通れず已む無く尾根越えのルートである。
行きの駄賃にフイールド入口の排砂バルブ部の止水弁を閉じて吐水口までの送水管内の水を留めておいた。その上で尾根越えた地点の標高最低部にある排砂バルブを開放して取水升から本排砂バルブ管内の砂泥の排出を試みたのだがチョロ水のままであった。これで水源地まで行かねばならない理由が立ったのである。
水源地の取水升傘型フイルターは埋没しておらず、この事から「取水升内の送水管口まで砂泥で埋められた」事は容易に想像がつくのだが思った通りで取水管まで砂泥で満たされていたのだ。とりあえず砂泥を浚い管口を露わにしたけれど陰圧の回復は無く管内の砂泥量が多いのが判る。本来ならばエンジンポンプによる強制排砂となる事態なのだが翌日以降、数日は天候不順で降雨の予報もあるから断水させておいても干あがる心配はなさそうなので一昼夜の自然排砂を試みる事にした。であるから最低部にある排砂バルブは開放したままで吐水口は断水したままである。
ついでに集水路の整備を行ったのだがしばらく来ない間に集水路を遮断されているではないか。このご仁とは以前にも注意したことがあったものの意に介す風情は微塵も無いのだった。理由は「お金を払って取水している」一点だけであるけれど、当方が河床低下を防止しながら流路保全中の箇所に無断で設える事の非常識」を指摘しても無駄なのであった。取水など自前の升を埋めるだけなので敢て造作中の範囲に据える事は無いだろう、は理解出来ないしまあ、信義則の欠けている人物は国会中継でも判るように薬は無いのだ。
取水部の上流域も昨年の集中豪雨で崩落があり河床が埋められ流路の侵食が酷くなっている。早急に手当てしないと当方の取水升への導水不可能になりかねない。大仕事になるけれどそろそろふんどしを締めなおさねばならない時期になったようで溜息三斗である。