調理滓で作った薄幸食、とは言え能登地震被災者の食事よりは豪華絢爛かつ贅沢になっているだろう。寒冷の中で衣食住さえ事欠く日々は想像に余りあるけれど「道路寸断物流不全」なんて言っていないで動員できる回転翼機をなぜ手配できないのか理由が判らない小生である。それはともかく、はなまめに出汁を吸水させ旨味充満の一品は調理方法と浸透圧であえなく頓挫したのだったが、昆布と鰹節の出汁滓が小丼1杯残っている。これを捨てられる小生ではないのは生まれも育ちも南魚沼の雅な米作水飲み百姓が出自だからだ。
まずは「佃煮」が第一選択肢としてベストだろうが出来上がり量は小鉢ひとつ分にしかならない。そこでつらつら考えて野菜室にあった小松菜1袋を刻みオリーブオイルと胡麻油を混入させて炒め直したのだ。塩辛く仕立てなかったので箸で摘まんで口に入れても十分食べれる塩分量ではあるけれど温かいご飯に載っけるとアフアフと食が進む。ふりかけに乾燥野菜が入っている商品は普通にあるものの、言わばその湿式版だろう。ご飯のお供と言うだけでなく椀に入れ熱湯を注げば即席澄し汁が出来上がる。市販のインスタント物もあるけれどやはりひと手間掛けた物が飽きずに食べられる。やはり出自が雅なだけに口が奢っているのは仕方がないなあ。