the other side of SmokyGitanesCafe
それとは無関係に・・・。
 





GITANESはいつも胸ポケットにいた。
それとは無関係に・・・。

ふわふわと、まだ麻のジャケット一枚で歩いていても
すぐに汗だくになるような季節なのに、
もう職場では秋物衣料が入荷し始め、ニヤニヤしながら
それらを眺めている。


数点しか入荷しないジャケットを手に取り、ちょっと袖を
通してみたりひっくり返したりしながら、いつどんな人が
買っていくのだろうかと想像するのはなかなか愉快なものだ。


そうか、もうまもなく(職業柄)秋冬物を着ることになる。


亡くなったオヤジはなかなかの着道楽者で、とくに私が
衣料関係に就職した後はよく
「これに合わせるネクタイを選べ」とか「(ポケット)チーフはどれがいい?」
とか、「じゃあ、靴は?」なんてよく尋ねられた。

純粋に、何を着ようかとアレコレ考えることは愉しかったに違いない。
それが職業になるとそうもいかないこともあるが。



まだ暑いなあ。

日が沈んだあとも、ちょっと動き回るとシャツがじんわり湿ってくる。
気に入ったシャツでも、腕まくりの形がうまく決まらずイライラして余計に暑苦しくなる。


最近では数字と図面と各種文書ばかりに追われているが、
ちょっとした空き時間に売り場で新入荷の商品を眺めるのが、

まあ愉しい、愉しい。





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GITANESは夏の嗜好物ではない。
それとは無関係に・・・。

ひどい暑さになってもう結構日数は経ったが
考えてみれば今年はまだそうめんを食べていない。


そういえば、アイスクリームは2回食べたがカキ氷はまだ食べていない。

スイカもまだ食べていない。

冷麺も食べていない。

元々私は食べ物と季節が合致しない傾向にあるようだが
やっぱり夏には夏っぽいものを食べないと
なかなか他人様との会話もかみ合いにくい。

ところが困ったことに、他人様との会話がかみ合わなくても
一向に平気な性格であるから「困ったことに」といいながら
全然困っていない。


というようなことでも書かないと夏枯れで書くこともない。
なにしろ、夏だからな。





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GITANES線香も夢ではなくなる。
それとは無関係に・・・。


盆の供養が終わった。

やれやれ、別にそれほど大変な行事でもないのだが
なんとなく気分的に開放された感じで、ばんめしも美味い。
中華丼だから尚更美味い。


それにしても、先祖代々の仏壇が置かれた家というのは
それなりに大変なものではある。
線香代や花代や坊主のギャラなどという細かいことはどうでもいいのだが、
13~15日の間に何人かの人々がそれぞれの都合のいい時間に
バラバラにやってくる ということだけでも気分的に疲れるのだ。
その間は留守にできず、「お構いなく」と言われても額面どおりに
受け取る訳にもいかず、おまけに俺は長男ではなくて次男なのに
どうして仏壇が  などと、やはり気分的な重労働である。


中華丼をかみ締めながら、あ、思いついた。

私「おお!画期的な案を思いついたぞ!」

家人「早く食べてくださいね」

私「墓をいっそのこと『よくある集合マンションタイプ』に入れてしまって
  その『ロッカー』だかなんだか知らないが、自分の先祖が納まってる
  扉の画像をずっとウェブカメラで撮っておけばいいのだ!」

家人「はあ?」

私「ログインすればいつでもその映像が見られるのだ。そうすれば仏壇が
  そもそも不要だ。パソコンがあればいいのだ。長男でも次男でも
  分家でも本家でもログインすれば自宅で仏壇代わりの墓所が見られるんだから
  いろんな問題がすべて解決だ!」

家人「坊さんが失業するわよ。」

私「坊主がその事業をやればいいではないか。盆暮れに走り回る必要もなくなる。
  師走という言葉はなくなるが。」

家人「・・・。」

私「仏壇を置く場所がない って住宅問題も解決だ。パソコンなら多くの家庭に
  あるではないか。場合によってはスマホでもタブレットでも、とにかく供養する
  気持ちがあればいつでもどこでも誰でも供養できるではないか!」

家人「早く食べてくださいね」

私「この価値がわからんか?!ログインしたら仏壇が出て来るんだぞ。画面の右上には
  『LIVE』って文字と人工衛星のマークが小さく出ていて・・・」

家人「早く食べて」

私「画期的ではないか!このシステムは『ネットdeチーン!』と名づけて・・・」

家人「そんなこと、ご飯粒を飛ばしながら力説すること?」

私「こうしては居られない!」


でも、どうすればよいかわからない私であった。


とりあえず中華丼をおかわりした。








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GITANESは待っている時でも美味いのだが。
それとは無関係に・・・。


盆に入ると困るのが坊さんの来訪である。
何が困るかと言うと、まあ面倒なだけなんだが
ちょっと時間が早い。

過去最も早かったときは朝の7時半だった。

いつも事前に送られてくる「訪問予定通知」の手紙では
やはりいつも「朝7時半~8時」と書かれている。



今年もそのような予定が送られてきたので準備をして待っていた。


待っているときはなかなか来ないものである。




それにしても、1時間半待っても来ない。

9時を過ぎた頃電話が鳴った。

坊さんの家族(お母さん)からだった。


「申し訳ないが住職はちょっと行けなくなった。
代わりの者(住職の父)がこれから寺を出るのでよろしく。」
とのこと。
お盆の当日に「行けない」というのもショッキングな話だ。

坊さんのお父さんは元々公務員であったが、ちゃんと僧侶としての
有資格者でもあるので、別に代役に異存はないのだが
いろいろと釈然としない。



それから40分後に代役が到着し(寺から我が家までは20分かからない距離だが)、
いつもと違う調子のお経をあげてもらって、行事は終了。

「いやあ、急なことで申し訳ありません。住職(息子)が急に
これなくなりまして・・・。」

ものすごく言葉を濁していたので、理由を追及することはできなかった。

「今後のこともご迷惑をおかけしないように私が頑張りますので・・・」

体調のことなのだろうが、なんだか判らない。


もやもやする盆の入りだ。






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GITANESを吸っていそうな彼。
それとは無関係に・・・。


もう夜になった。

リビングの窓から見える景色に違和感があった。

我が家のケンタロ(柴犬オス)がやけにくっきり見える。
いつもと見え方が違う。

観察して違和感の原因がわかった。

彼のテリトリーはフェンスのあっち側。それなのにフェンスのこっち側にいる。
だからはっきりと姿が見えるのだ。

さては隙を見つけて脱出したのか飛び越えたのか、人間が閂を忘れたのか。


近づいてみた。

ケンタロではなかった。

その柴犬は雌。
目が大きくてべっぴんさん。体毛が生え替わりのシーズンでモコモコになっているのは
ケンタロと同じだ。
赤い首輪を巻いており、それには鋲(スタッズ)があしらわれていて、リードが取り付けられる金属の突起もついている。
首輪の先は噛んだ跡で傷んでいた。

つまり、よその犬が単独でうちに遊びに来ていたのだった。


私が近づいても逃げない。それどころか、近づいてきて足元の匂いをかいでいる。
きっと人間と良好な関係の生活をしているのだろう。


これは、ちょっと困った。
この花子(すぐに命名だけはやってしまう)はどこの家の娘なのだろうか。
わからない以上、エサも水もおやつも遣る訳にもいかない。
どんな病気や癖や嗜好をもっているかもわからないからだ。

とりあえずリビングへ戻った。
どうするべきか。

しばらくすると、犬は歩き去ったのか見えなくなっていた。

とりあえず、管轄の警察署に電話で尋ねてみる。

K「はい、東警察です」
私「遺失物のことで訊きたいのですが」
K「はいはい?」
私「ええと、よその犬がうちの庭に迷い込んできたようで」
K「はあ、なるほど」
私「で、『犬が行方不明になった』なんて知らせが入ってないかと思いまして」
K「わかりました。では特徴を教えてください」
私「はい、柴犬の・・・」

数分後
K「お待たせしました。今のところそのような犬の届けは入っていないですねえ」
私「わかりました。お手数かけました」
K「いえいえ、ところでその犬は今どんな様子ですか?」
私「さっきまでうちの犬とヒソヒソ話をしていたのですが、とりあえず一区切りついたようで
散歩に出かけました」
K「アハハハハハ!」

豪快に笑う婦人警察官だった。



もう立ち去ったのだからいいか。それにしても人騒がせな犬だ。
どれ、もう一度様子を見るか。
と、フェンス付近に近づいてみると、また花子がやってきていて
フェンス越しにケンタロの様子をうかがっていた。


一体、どんなやりとりになっているのだろうか?
息を潜めて観察してみた。

微かな、「キューン、キューン」という声で、ケンタロを呼んでいる。
それを耳にしたケンタロが面倒臭そうに、しかし思いっきり尻尾を振りながら
でもあくまでもめんどうくさそうに「クンクン。」と鳴く。
フェンス越しに鼻と鼻をくっつけたりした後、花子はやや遠ざかる。
ケンタはロしばらく「クンクン」と鳴くが、花子が遠ざかってしまったもんだから
諦めて庭の奥に引っ込む。

引っ込むとまた花子が「キューン」と鳴く。ケンタロも戻ってきて「クン」と鳴く。

一生やってなさい という感じのやり取りだ。そして、種類を超えた「女子の戦略」という文字が頭に浮かびもした。


隣の管轄の警察署にも電話したが、そちらにも迷い犬の情報は入っていなかった。


どうしたものか。

手荒に追い返せないし、丁重にもてなす訳にもいかないし。


夜中になった。

小さい小さい「キューン」と「クン」の応酬は、間遠くなりながらも続いていた。



そういえば近所のW氏の実家には、赤い首輪の柴犬がいたなあ。
朝になったら電話で尋ねてみよう。
それと、保健所に問い合わせる人がいるかも知れないし、そっちにも訊いてみるか。



クンクン という小さい声を聴きながら眠ってしまった。





目が覚めるともう、全力の夏の朝だった。
ケンタロは物陰で日差しを避けている。

花子はどこにもいなかった。





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GITANESをくわえたまま仕事していた頃が猛烈に懐かしい。
それとは無関係に・・・。


忙しい。

面白いほど忙しい。

仕事上でこんなにいろいろあるんかい
と思うほど忙しい。

ああ、面白い。


やってるなあ、という実感はほとんどないが、
確実に色々な物事は進んでいく。
そんな職種だから仕方ない。

ああ、おもしろいほど忙しい。




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