the other side of SmokyGitanesCafe
それとは無関係に・・・。
 



GITANESは読書のお伴。
それとは無関係に・・・。

昨年の1月と比較するとかなり読書ペースが落ちた。
それは、昨年1月に三河雑兵心得シリーズの既刊分を一気読み
したせいだが、それがなくてもなんとなく年明けから
読み進めるスピードが上がらない。
それでも誰に迷惑をかける訳でもなく、スピードが上がったところで
何も得るものはないのだ。


〇今野敏/機捜235「昇華」
シリーズものの警察小説。巻が進むにつれてキャラクターはどんどん
立ってくるものだ。ほぼ最後まで真相がわからないので
面白がって読める本。

〇今野敏/東京湾臨海署安積班「秋麗」
こっちはもうキャラが随分前から確定している、息の長いシリーズ。
文庫化を待って買うようにしている。もちろん価格の問題である。
同じ作者の「隠蔽捜査シリーズ」は、出たらすぐに買って読む。
その違いは自分でもわからない。

〇時武里帆/護衛艦あさぎり艦長早乙女碧「試練」
前作を読んでいたので、間が空いたがこれも読んでみた。
可愛い漫画調の表紙にはかなり騙されるが、面白いエンタメ。
この手の表紙がついていることで得しているのか損しているのか。
まあ、得しているからそうしているんだろうけど。


〇アン・ウォームズリー/プリズン・ブック・クラブ
カナダの刑務所で服役している囚人対象の読書会のドキュメンタリー。
読書は服役者の更正に効果があるという。
囚人に課題図書を読ませ、その後の集会で感想などを話し合う
という活動の記録である。
取り組みも内容も面白い。
ただ、これを風呂に漬かりながら読んでいたが、少し濡れた表紙を
タオルで拭いたら、タオルが真っ赤に染まった。
白い衣服が擦れずよかった。




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GITANESを吸いながらじっくり考えるのが
書斎の整理だったのに。
それとは無関係に・・・。

しばしばここには「書斎の整理」というキーワードが登場するが、
先日の休みには久しぶりに「清掃と整理」をした。

まずはマスクを装着して、「ゴミか、ゴミではないのか」をしっかり分ける。
しかし「どちらでもない」というモノがいくつか出てきて、開始数分で
『しっかり分ける』ことを諦めた。
とにかく「確実にゴミだ」というものだけをゴミ袋に入れる。
あっちにもこっちにもある大小の空き段ボールをひとまとめにする。
軽くハタキであちこちをパサパサする。
今回は文庫本収納スペース不足の解消をメインの目的としているので
とりあえず乱暴に突っ込んだり重ねたりしている文庫本を棚から
おろす。ジャンルとか著者という分け方で、とにかく床に積み上げる。
色々考えすぎると作業はまったく進まなくなるから、雑にどんどん
進める。どうせまた無茶苦茶になるのだからそれでいい。
特に増え続ける文庫本はもうこじ入れるスペースすら足りなくなって
きていた。だからもう背表紙をきれいに並べるなんてことは諦め
横積みをメインにした。
あとで取り出しにくかろうが関係ない。取り出す・取り出さないの可能性
の話より、収納しておくスペースがない方が大問題なのだ。

横積みにしてどんどん整理していくと、当たり前だがどんどん空きスペース
が増えていく。おお、これでまだまだ文庫本は増やせるではないか。

文庫が片付いてくるとそのほかの本も気になってくる。
しかしもう、文庫本を何とかしただけで気力も体力も使い果たした。
あとは安らかに、厚着して書斎の床に寝そべって本を読むべきである。
だからその他の本(文庫より当然そっちの方が多いのだが)や
本以外のガラクタの整理は次の休日に持ち越しとなった。

↑整理前
↓整理後
このような横積みだと一冊抜き取るのに最大で10冊以上を一旦取り
出すことになり面倒ではあるのだが、面積は有限であり本は今後も
無限に出版されるのだから背に腹は代えられない。
さて今回の整理で「実は未読だった」本を7,8冊発見したので
未読棚へ移した。なんか、得したような気分になっている次第である。


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GITANESは読書のお伴。
それとは無関係に・・・。

年末年始というと読書習慣がある人にとっては格好の読書チャンス
なのだろうが、あいにく大晦日まで仕事で、明け2日から仕事に行く身
としては、ほかの時期とまったく変わりがない。
まとまった休みをこの時期に取ったことなどないから、読書と年末年始
はまったく結びつかない。
テレビの音がうるさかったりするので、逆に環境的には読書に
向いていない。
だから淡々と、いつものように読む。

村木嵐/いつかの朔日
徳川家康誕生前から天下統一直前まで、いくつかの局面をそれぞれ
短編で編成されたもの。
どちらかというと家康本人よりも周辺の人々の物語だった。
徳川家康にはまったく興味もないのだが、その時代のストーリー
となると無条件で読みたくなってしまう。
そういえば、初めて読んだ長編は山岡荘八の徳川家康全26巻だった。

冲方丁/十一人の賊軍
映画を観たという麗人に教えてもらったところによると、
小説と映画はエンディングがかなり、というよりまったく違っている
らしい。
映画の方を観る予定はないが、どうも映画の終わり方がいいような
気がしている。

オイゲン・ヘリゲル/弓と禅
来日して弓道の師匠に弟子入りした、ドイツ人哲学者の書いたもの。
ドイツ語を日本語に訳したからか、どうも独特の表現が続くなあと
思っていたが、解説を読んで、実はドイツ語と日本語の言い回しの
ズレというところにもこの本の肝があったのだとわかった。
それならば、そうなのだろう。
弓道から禅に近づくというアプローチに挑戦し、一応の成功を
得た著者だが、だからといって「ああしろ、こうしろ」と言わないところが
いい。

鈴峯紅也/風の忍び1
幼いころは忍者という世界が大好きだったが、どうもこの歳になって
ぶり返したようだ。忍者というタイトルにいちいち反応してしまい
書店では手に取ってしまう。
この本はとにかく、買ったその日に読んでしまえる本。
面白い。そして日本のものらしく、「技を繰り出すときにわざわざ
その名前を宣言する」という轍を踏んでいる。
つまり悟空は「かめはめ波ーーーーー!」と叫ぶし、デビルマンも
「デビルウィング!」と宣言するし、マジンガーZも「ブレスト
ファイアー!」と声を出す。
この本の登場人物も「風魔忍法●●!」と宣言しながら技を出す。
言わなければバレないのに。
でもこれは日本の活劇の様式美なのだから、この手法を採ることに
より「この作品は純然たる娯楽作品です」と宣言しているに等しく
だから安心して活劇を楽しめるのだ。


伊与原新/宙わたる教室
定時制高校の学校もの。物語の最後が「かなり大きな話になってきたなあ」
と感じたが、実はこれ実話をベースにしていると解説を読んで知り、
それならばそうなるのは必然だったのだ。
NHKのドラマで昨年の暮れに放映していたらしい。
そっちにも興味がなくもないが、私にはやはり「他人のペースであるドラマ」
よりも「自分のペースである本」が性に合う。


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GITANESは読書のお伴。
それとは無関係に・・・。

以前にも書いたが、子供のころから漠然と
「一年で100冊ぐらいの本が読めるようになったらいいな」と
思っていた。
100という数字にまったく根拠はなく、ただ「たくさん」という
程度の意味だったが、数字というのは掲げるとなんとなくしっかりした、
目印・目標になってしまうものだ。

一年で100冊の本を読もうと思ったら、まずは時間が必要だ。
読むのは速い方らしいが、へんてこりんな「速読術」なんてものを
身につけている訳ではないから、とにかく時間が要る。
また、100冊の本を買おうと思うと当然ながら金が要る。
不労所得なんてないのだから忙しく働いていなければならない。
忙しく働いていてもたくさんの本が買えるかどうかわからない上に
忙しいのだから暇がなくなってしまう。図書館へ行く時間もないだろう。

ということで、年間百冊というのはなかなかハードルが高いのだと
おとなになってやっと身に沁みた次第である。
それでも2024年は100冊に達した。
そうなると、2025年が今から億劫になる。矛盾している気も
するがそれがホントなんだから仕方ないのだ。

宮城谷昌光/長城のかげ
劉邦にまつわる短編集。
どうも最近古い中国についての小説が多くなっているが、別に
何かの意図などない。


植松三十里/イザベラ・バードと侍ボーイ
イザベラバートの「日本奥地紀行」やその解説本、ダイジェスト本
は読んだことがあったが、まさか小説になるとは思わなかった。
全然あれだったので、推奨しない。

向田和子編/向田邦子 ベストエッセイ
かつて山本夏彦が「突然現れてほとんど名人」と評した向田邦子の
エッセイ選集。
本当に名人である。普通の言葉がどっさり出てくるのにどこにも
無駄がないというか、だから名人なのだろう。
こういうのを書きたいなと思っていろいろ書いているアマチュアや
プロの人も多いだろう。
「父の詫び状」「眠る盃」ももう一度読もうと思う。

北方謙三/史記 武帝紀 二
次世代がどんどん登場し育つ。そうでなければ群像劇は成立しないだろう。
もちろん三国志や水滸伝などに比べると登場人物は少ないが
魅力的なキャラクターが古代中国を駆け回る。

北方謙三/史記 武帝紀 三
え!死ぬんかい!
歴史に昏いとは言え、知らなかった。
ともかく、これが年間100冊めになった。

現在読みかけが3冊あるが、もうこれは来年でいいだろうと思う。
これ以上読んだら来年の「冊数昨年度対比」が苦しくなるだろうから。


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GITANESは読書のお供。
それとは無関係に・・・。

意外にこの、本にまつわるカテゴリーの話を読んでいただいている
人が多いようだ。だからあんまり出鱈目も書けない。
かと言って参考になるようなことを書く能力もないので、そのあたりは
「所詮ネットの戯言だ」と、判断していただけると思う。
所詮ネットの、といえば表現知事選挙は、・・・ 略


柚月裕子/あしたの君へ
家裁調査官の物語で短編集。
それぞれも面白いのだが、解説がまた面白い。本編が終わったから
と言って油断してはいけない。
映画のエンドロールが面白いというケースもあるではないか
(ラヂオのじかん のように。)


ソフィー・エナフ/パリ警視庁迷宮捜査班
原題がPoulets grilles であり、翻訳すると「グリルチキン」。
本当かこれ?
読めば確かにそのタイトルでもおかしくないとわかるのだが。
迷宮捜査 というタイトルではテレビのサスペンスドラマとか
推理ものの本のありきたりなイメージで、でもそれなら売れる
んだろうなあとは思う。
内容は面白い。人生初のポケミスだった。

石井千湖/この山を見よ
作家他の書斎や仕事場の画像とインタビュー。
山というのは「積ん読」を指す。
積んでない書斎などあり得ないと個人的には思っている。
そういう嗜好であるとか、本を読まない人からすると
未読の本の山を放置するなんて立派な病気ではないかと
感じるだろうが、それを「恐れるな、ほらみんな病気だ。」
と積ん読をけしかける本。だから楽しい。


北方謙三/三国志 二
三国志 となると全部読みたくなるという人は多いだろう。
それでも北方謙三版はやはり別格なのだから読んだ方がいい。
そろそろ万人単位の戦が普通になってきたところ。


某/●●●●の審判
これがまったく面白くなかった。作者もタイトルもごまかしている
から何の参考にもならないだろうが、本当につまらない。
登場人物が何人か、場面を変えて座談するばかりのくだらない
物語。いいたいことがたくさんあるのだろう。セリフを借りて
何事かの説明をずっと続けている小説。
起伏も何もない。苦痛の600ページである。


北方謙三/史記 武帝紀 一
単行本の出版が2009年。
どうして今まで読まなかったのかと考えても、そもそも北方謙三
を読み始めたのがチンギス紀単行本が書店の平積みで目立って
いたからなのだが、とにかくこれを読み始めてよかった。
全7巻・現在まだ二巻の70ページ目だから、12月の本読みは
かなり充実するだろう。
たくさん休みが取れますように。



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GITANESは読書のお供。
それとは無関係に・・・。

もう10月が終わってしまった。読むペースは上がらない。
上がっても仕方ないけど、想像よりも遅いのだ。

●穂村弘 / 君がいない夜のごはん
すべて食に関するエッセイで、歌集ではない。
全体も所々も面白い。新刊が出たら買ってしまう。
なぜかわからない。

●堂場瞬一 / 大連合
まったく興味がでない高校野球の小説。
部員不足により近くの高校同士が連合チームを組み
地方予選で戦うというストーリー。地方によってはこの
連合チームは現実のものとなっている。
思い切り予想を外した結末。そうくるか。

●谷崎潤一郎 /陰翳礼讃
フォトブックになった陰翳礼讃ということだ。
最後の最後に※個人の感想です という注釈を載せれば
ピッタリなのではないかと思うが、「失いつつある陰翳の世界を
文学の領域にでも読み戻したい」というのが主旨であれば
そうか、そういうこともあるか と感じる。

●諏訪宗篤 /海賊忍者
「海賊」で「忍者」というタイトルだ。男子ならそりゃ
読むだろう。冒頭少しと週末が大活劇。これぞ海賊ものであり
忍者ものだ。
あるところで、表紙イラストの「真っ赤なマフラーの忍者って
目立つなあ」と書いたら、作者ご本人からメッセージがきた。
「やっぱり目立ちますかね?」とのこと。律儀な方だ。
しかし海賊でもあるのだから、もし海に落っこちたときのことを
考えると目立つほうがいい。ボーダーシャツと同じ理屈だ。


●角田光代 /降り積もる光の粒
旅に関するエッセイ。旅がお好きだという筆者の旅話。
はじめから60%ほどは楽しい話が続くが、そこから先は
打って変わってかなり重くなる。
貧困や女性蔑視がまだまだ当たり前の土地へ行く。
震災後の三陸地方にも行く。
重い。しかしこれはテーマがただ重苦しいのではなく、
この重さというのは「読み応え」でもある。

●北方謙三 /岳飛伝1
とうとう手を出してしまった。
「大水滸」と呼ばれる作品のうち、「水滸伝 全19巻」
「楊令伝 全15巻」を読んだところで休止していた。
微妙につながりのある「チンギス紀 全17巻」を先に
読んでしまって、もうこれでいいかなと思っていたのに
とうとう。
静かに進行していた物語だが、114ページでいきなりボルテージ
が急上昇。これが「2巻も買え。」と誘うのだ。
さらに、解説がキングダムの原泰久だった。

ということで10月は7冊読んだらしい。
年間で現在89冊。目標の100冊までにあと11冊。
3冊併読中だから、この数字には達するだろう。
あと2か月だ。


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GITANESは読書のお伴。
それとは無関係に・・・。

読書離れとか活字離れとか、相変わらず社会問題として
しばしば取り上げられる。

文化庁のアンケート調査・NHKの報道によると、
オトナの6割以上が「1か月に1冊も本を読まない」と答えたらしい。
スマホなどの利用時間が増えている・書店が減っている
などがその原因らしいのだが、
『読書時間を増やしたいと思うか?』と問われたら、40%以上が
「そうも思わない」と答えたとのことだ。

逆に、子供の間ではわずかながら読書量が増えているという
調査結果もあるらしい。
小学校高学年が月間12.6冊で10年前より2冊増
中学生は月間5.5冊で過去最多、10年前よりも1冊増
高校生は月間1.9冊  10年前と同じ。
高校生になると諸々忙しいのだということがわかる。そして
小学生って本をよく読むんだなあ、と素直に思う。

私も高校生のころは読書量が少なくなりかけたが、高1夏の
転居によって電車通学になり、往復で1日1時間ほど電車に
乗ることになったから、読書量が急激に増えた覚えがある。
それから随分歳を食ったが、それほど量的に変化はないような
気がする。
今ははっきり言ってそれ(読書量の多寡)が良いこととも
悪いこととも思わなくなった。
しかし確実に言えるのは、本を買うカネが恐ろしくなってきた。

先週はあまり進んでいない。

星野道夫/旅をする木(文春文庫)
若いころに椎名誠を好んで読んだ人は、多分そこから二人の
人物にたどり着く。
1人は野田知佑。カヌーに乗る人、本を書く人だ。
私は彼の本を何度も何度も読み返して飽きなかった。
惜しくも一昨年亡くなってしまったが、今でも書斎で彼の本、
特に「北極海へ」を立ち読みすることがある。
そしてもう一人がこの星野道夫。
アラスカに住み、自然を愛して写真を撮る人。
そろそろ星野道夫の本も読もうかな、と思っていた矢先に
彼の死を知った。カムチャツカ半島で熊に襲われ死んだらしい。
自然を愛して、自然に食われたのだ。
それが原因かどうか今となっては忘れてしまったが、どうも
彼の本(エッセイ、紀行文)を読む気にならず、ずっとそのまま
だった。
そして先週、書店で文庫を見かけ思い切って買って読んでみた。
結果的にそれがよかった。何ページかに折り目をつけて
読んだ。印象に残る部分がいくつもあったのだ。
wikiには彼がクマに襲われた事件が詳しく書かれている。


岩室忍/天祐は信長にあり(中央公論新社)
おそらく長くなりそうな、織田信長の一代記。
その第1巻は出生直前から正室を迎えるまで。
結末がどうなるのか分かっているのに読んでしまうという、
歴史小説の誘惑は激しい。
説明が多いのが面倒でもあるが、文字が多いのはマイナス
ばかりではない(プラスばかりでもないのだが)。


谷川俊太郎/ひとり暮らし(新潮文庫)
詩人の散文。詩集ではない。
自分の思い込みのせいに違いないのだが、詩集を読むというのが
どうにも億劫だから、谷川俊太郎といえどもエッセイしか読めない。
しかしそれゆえに愉しい部分はあちこちにあって、例えば
「食べ物を意識しすぎるのは自意識の過剰に似てあまり気分の
いいものではないと思っている」 
というようなところを読んで深く同意したりするのである。


現在読みかけが2冊。未読が300ほどある。
先は長い。







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GITANESは読書の伴。
それとは無関係に・・・。

シャワーをやめて、ゆっくり湯に浸かることを再開したら
やっぱりそれなりに読書量が増えた。
入浴中にゆっくり本を読むと話すと、相手から
「湯の中に本を落としたりしませんか?」とか
「本がふやけたりしませんか?」とよく訊かれる。
そりゃ落としますよ。ふやけますよ。
それの何が問題なんだろうか。
借りた本ならよろしくないが、すべて自分の本なのに。
それと、濡れたりふやけたりしますけど、溶けることは
ないですよ。すぐに掬い上げるし。
印刷された文字がすぐに消えてしまう訳でもなく、
文字が勝手に入れ替わることもなし。
概ね何の問題もない。

さて。
三國清三 / 三流シェフ
オテルドゥミクニのオーナーシェフによる、幼少期から
修業時代、やがて自分の店を持つまでになる仕事ノンフィクション?
自叙伝?
仕事ノンフィクションの本が好きなのだが、これも面白い。
彼にはいろいろあったようだが、そしてその料理を食べたことも
店を訪れたこともないが、この本の内容は面白い。
それだけで十分なのだ。

佐藤嚴太郎 / 控えよ小十郎
控えよと言うのは言わずと知れた伊達政宗。言われるのは
その腹心片倉小十郎。
NHK大河 独眼竜正宗を思い出してしまうので、政宗は渡辺謙
小十郎は西郷輝彦の顔が浮かびながら読んだ。
他にも錚々たる顔ぶれ。亡くなった俳優も多い。
原田芳雄、寺田農、いかりや長介もいた。
物語が90%以上進むまで面白かった。
しかし、タイトルが「控えよ小十郎」だからてっきり
最後の最後にもこれが効いてくるのだとばかり思っていた。


片岡たまき / あの頃、忌野清志郎と
        ボスと私の40年
本屋で買ってすぐ、路上で袋から取り出して読み始めた本。
誰かの目を通して誰かのことを語った本というのは、これほど
までに魅力的なのかと思う。
ずっと清志郎、RCサクセションの曲を聴きながら読んだ。
ドカドカうるさいR&Rバンドを聴きながら歩くと
完全に歩調がそれになった。


ピエロ・マルティン / 測る世界史
世界の基準となった7つの単位の物語

メートル、秒、キログラム、ケルビン、アンペア、モル
そしてカンデラ。
どれがなくても今の世の中が成立しない「単位」はどうやって
生まれたのか という本。
はっきり言って私は最近まで、まだメートル原器が長さの
基準になっているとばかり思っていた。メートル原器に
ついては小学5年生のときのS先生に聞いた話だったから
それから数十年、私の知識がアップデートされていなかった
ということになる。恥ずかしい。

中島らも / エッセイコレクション
深夜のテレビ、なげやり倶楽部だったか
いやもっと前のものだったか忘れたが、それに彼が出演して
いたときに、「タコが海の生物でよかったですね。もし
陸上の生き物なら、たとえば箪笥をどけたらタコが
潜んでいたりしたら・・・」てなことを話していた。
それを観る前から彼のことは知っていたが、その話から
「変なやっちゃなあ・・・」と思っていた。
そのときはまさか後に自分が「明るい悩み相談室」から
始まって多数のエッセイを買いまくるなんて想像して
いなかった。
突然の事故で亡くなったが、彼ほど「突然いなくなる」のが
似合ってしまう人は珍しいと思っている。

ちなみに私もタコは海中の生物でよかったと思っているし、
ゴキブリに毒がなくてよかったと考えているし、ムカデに
羽がないことも良かったと感じている。
神に感謝したい。









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GITANESの匂いなど微塵もないリビング。
それとは無関係に・・・。

本をどこで読むかは、なかなか難しい問題である。
リビングにある布張りのソファーに寝転んで読もうとしても、
ものの数分もしないうちに暑くて堪らなくなる。
書斎の一人掛けソファは、ひじ掛け部分の高さが気に入らない
ので、長時間は無理だ。
ダイニングのチェアはちょうどいいが、座って読んでいると
寝転びたくなってくる。
畳の部屋は、もったいないからエアコンを使わず
つまり熱死するおそれがあるから無理。
ベッドで読んでしまったら、下手すると朝までぐっすり
ねてしまう。
となると、リビングの固い床に寝転ぶしかない。
結局これが一番快適なのだが、腰や背中が痛くなる。
床に胡坐で座り込んでも、余計に腰や背中が痛くなる。
腰や背中が痛い なんてことをうっかり口にしてしまうと
「そりゃあ内臓が悪いんだ!そうに決まってる!」と
口々に指摘され、世論に弱い私など「じゃあ病院で検査でも・・・」
となってしまい、先日のような大騒動になってしまうと困る。

最近イレギュラーな読書の仕方をした。
ターミナル駅の前で人待ちをすることがあり、時間の余裕が
あったから書店に寄り3冊ほど買う。
待ち合わせ地点にあるステンレスの柵にもたれて人待ち
することにした。
いい具合に手元には本が3冊もあるではないか。
そのうちの1冊を紙袋から取り出して、読んでみた。
周りでは人が行き交う。うるさくはないが賑やかではある。
その中で本を読むと、なんだかどんどん本読みが進むのだ。
結局時間つぶしには本が最適だということと、どこでだって
本は読めるということ、そして非日常は愉しいという要素
が重なって、ページがどんどん進んだのだろう。
といってもわずか10分ぐらいだったが、いい経験だった。

片岡たまき/あの頃、忌野清志郎と

という本だった。
雑踏向きの本だったのかもしれない。




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GITANESは読書の供。
それとは無関係に・・・。

今読んでいる本が今日読み切るか、明日以降になるか。
月末だからその境目になる。

やっぱり読むペースがかなり落ちているが
その中でも今月中旬から下旬で読んだ本。


湊かなえ/ブロードキャスト
ケガをした男性高校生がまったくジャンル違いの
部活に入り、
という話。
この作者の作品だからもっとドロドロと怖いストーリーが
展開するものと思い込んでいたが、かなりメインストリームな
青春もの・学園ものだった。
続編もあるらしい。多分いずれ読むだろう。


松嶋智佐/降格刑事
最後にシリーズ化するようなフレーズも出てくる。
結構多作な作家さんなのだろうか。

椰月美智子/昔はおれと同い年だった田中さんとの友情
「夏の庭」などが気に入った人ならおそらく楽しめる。
帯に「ドラマ化」宣伝があり、多分田中さんは岸部一徳
のようだ。だからもう読んでいるときからそういう顔しか
思い浮かばなかった。

オノナツメ/ザ・ゲームスターズ4
これはコミック。
ストーリー云々ではなく、この人の描くスーツ姿が
気に入っている。


kotoba 56  2024年夏号 /喫茶店と本

本を好んで読む人間なら、喫茶店と本の関係について
皆思うところがあると思う。
表紙の写真とタイトルで、完全にジャケ買いした。
ジャケ買いだからといって、内容が面白くない訳ではない。
全体の6割強がこの特集。
その他は、何やらいろいろこねくり回したのが
いくつか。そっちはまったくアレ。


やっぱり入浴がシャワーになってしまうと
読書量は減るなあ。






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GITANESは読書のお伴。
それとは無関係に・・・。

前回書いたように、入浴をシャワーで済ませることが
多くなると読書量はかなり減る。
大体1週に6時間は減ってしまうから無理もない。
それに、そもそも読まなければ死んでしまう訳でもない。

しかし、リビングで寝転がっているときに手にしている
のが本ではなくてスマホになりがちで、それに客観的に
気づいたときはちょっとよろしくないような気になる。
読書が高尚だとも思わないし、それこそ高尚な本ばかり
読んでいる訳ではないのに、どうしても「スマホ=堕落」
と考えてしまう。こういう考えは老害の一種を産むだろう。

●柚月裕子/風に立つ
この作家のミステリーはほぼ読んだのだが、ちょっと方向が
違う作品らしいから読んでみた。
ちょっと困ったのは帯に
「俺は親父のことを何もわかっていないのかも知れない」
「非行少年を預かることになった、不器用な父と子--」
と書かれていたことだ。
これでは読み始めから結末まで
『あ、何かの具合で親子に確執めいたものが長年あって
それが預かった非行少年をきっかけにして誤解が解けていき
大団円を迎えるのだろうなあ』という予感に支配されてしまい
感情自体が誘導されてしまう。
一昔前のテレビサスペンス番組で、新聞テレビ欄に
「湯煙連続殺人事件。主婦探偵の迷推理!
なぞの白髪老人を探せ!」てな予告文を見たら
「ああ、温泉で何人か死んで、おっちょこちょいな主婦の
主人公がなんとか推理を当てるんだなあ。白髪の老人が
キーパーソンだけど、犯人とは限らないな。」
という感じで、観る前からほぼわかってしまう
という現象と似ている。
あまり饒舌に、帯で語らない方がいいと思う。

●首木の民/誉田哲也
剣道女子の「武士道~」シリーズが好きだった。
途中の取り調べで延々とおカネ・税・国債の授業が
続けられる。これで「面倒くさい小説か?」と思っていたが
最後はちゃんと締めくくられるのだ。
ただ、面倒くさいところを無意識に飛ばし読みしていたらしく、
途中で「え、お前誰や?ここ誰目線や?」という混乱に
陥って、遡って読む羽目になった。


●私が見てきた日本経済/小峰隆夫
旧経企庁の元官僚・エコノミストが書いた本だが
学術書でも論文でもないから非常に読みやすい。おそらく
文章が上手いのだろう。
英語のタイトルがTHE LIFE OF AN ECONOMISTだから
邦題とはちょっとニュアンスが異なるのだが、それも
わざとだろう。
文字もそれほど小さくなく、読みやすい上に内容も読みやすい。
しかし途中に1か所出てくる「悦明」ってなんだろう。
「説明」の誤字だろうか?


と言う風に今月の前半は3冊読んだ訳である。


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GITANESは読書のお供。
それとは無関係に・・・。

あまり本を読まなかった7月。
これは理由がはっきりしている。
浴槽に湯をはりゆっくり浸かって本を読むのを
重要な日課にしていたのだが、続く暑さのせいで
シャワーに切り替えたからである。
いくら私でも、シャワーを浴びながら本を読むのは
至難の業だし本が勿体ない。
湯に浸かっていた時間は平均で30~40分もあったから
結構読書速度が速い私としては、この毎日の時間が
なくなると、本当に読書が進まなくなるのだ。
1日に35分だとすると35分×30日=1050分
=17時間以上になる。
これがなくなるとリビングで寝転んで読むか、書斎で
ソファに座って読むか しかない。

●宮城谷昌光/草原の風 下
いよいよ下巻。しかし上・中と比べるとものすごく駆け足で
淡々と進んだ印象。全体的には面白かったが。

●武田百合子/日日雑記
やはりちょっと苦手な、汚いものがダイレクトに書かれて
いそうな部分を飛ばし飛ばし、やっと読了。
表現が面白い。昔は男性のエッセイしか読まなかったが
近年は男女比50:50ぐらいだろう。
内田洋子氏や須賀敦子氏のものを集中して読んでいた時期は
それこそ女性が書くものばかり読んでいた気がする。

●井原忠政/三河雑兵心得14 豊臣仁義
続編がやっと出た。
しかし、去年から今年にかけての年末年始にどんどん
買い集めて読んでいた時期と比べると、あきらかに
熱量が下がってきた。
ああ、読んだなあという感じである。

●ベストエッセイ2024
数年前のこの本を読んだ時、そういう時勢であったのか
そういう編集であったのかはわからないが、どうも何やら
偏っているような気がして、読み終わるまでその感覚が
拭えなかった。
何でもない日常と、誰にでも起きるような時折の事件
について読むのが好きなのだが、その年のベストエッセイは
コロナ禍のせいでどうも多数が同じ方向を向いているような
気がした。
それが嫌で、昨年一昨年は読まなかった。
今年は何の気なくまた買ってしまい、これが結果的によかった。
堀江敏幸氏のところがよかった。
この人の書く小説で「動詞の現在形」で終わるものが
いくつかあって(短編集)、独特の閉じ方をするのが
印象的なのだが、エッセイも面白い。


というようなことで、また湯船でゆっくり読む時間を
作ろうと思っている。



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GITANESは読書のお供。
それとは無関係に・・・。

幅広く併読し過ぎているせいで
読了の数が増えない日々。
それでも何冊かは読んだ。

和田誠/わたくし大画報
和田誠といえば私も好きだったイラストレーター
だが、最近では平野レミの夫という方が伝わる人も
多いだろう。
令和元年に亡くなったが、1982年著作の復刻版
とのこと。
広告の世界にもいた人物だからか、文章も伝わりやすい。
もちろんイラストも愉しい。

山田詠美/ぼくは勉強ができない
久しぶりに読んだ山田詠美の小説。
まったく共感できない高校生の主人公だった。
しかし番外編・あとがき・解説と呼んでいくと
まあそうかも知れないな というような感情も
湧かなくもない。
買おうかどうしようか、読もうかどうしようかと
考え、アマゾンの欲しいものリストにも入れていたのだが
「新潮文庫の100冊2024」に入ったので
買った次第。


宮城谷昌光/草原の風 上・中
また読み始めてしまった宮城谷昌光。
今度は劉秀・光武帝の物語。光武帝だから
後漢時代、紀元10年ごろからのことを書いたもの。
2000年後にも「あんなことがあってこんなことがあった」
と伝えられるというのは、文字というのは本当に
それ以上ないほどの発明だったと言い切れる。


武田百合子/日日雑記
富士日記の武田百合子。夫が亡くなったあとの
日々の雑記。
時折この人は汚い話もそれほど加工しないで書いてしまう。
その部分が大嫌いだから少しだけ飛ばしながら読む。
それでも十分に面白い。
ただし、肝心の「富士日記」は未だに読んでいない。


というような読書生活だった。
ということで5冊読み終えて6冊買ったから
結局未読は減らないどころか増えている始末である。








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GITANESは読書の伴。
それとは無関係に・・・。

今回も軽いのしか読んでいないなあと思ったが
重いテーマの本など読んだことがないのだから
ただの常態だった。

椎名誠/旅先のオバケ
それまでの椎名誠の本を読んでいれば既出の話だが
「オバケ」というのだから、旅先で遭遇した得体の
知れない体験談をピックアップしたもの。
後半は怖い話でもない。
大体トイレの話は読み飛ばすことにしているので
すぐに読み終わった。
氏が書くこういう方向の本も面白がって読んだものだが
それは現在の自分と比較すると半分ぐらいの年齢だった
頃のこと。ああ、年月が流れたなあと思う。

燃え殻/夢に迷ってタクシーを呼んだ
私がきらいなのは「どんなこと物事に対しても、ちゃんとした
正解が自分の頭の中にあるんだけどさ、まあ教えてやらないけど
しかし巷間では上から下までバカなことやってるよねーー」
という何様スタンスの文章である。例えば新聞のコラム。
もっと細かくいえば天声人語。
そんなものより100倍も価値のある文章が並ぶ。

赤と青のガウン/彬子女王
ヒゲの殿下というともう懐かしい人になってしまったが
その寛仁親王のお嬢さん。
オックスフォード留学時の悪戦苦闘記。
元の本は絶版になってしまっていて、私も手に入らなかったが
最近文庫化されたのですぐに買った。
そしてすぐに売れまくっているらしい。
面白い。
それにしても自分の父に対して「●●してくださる」と
表現する。やはり皇室とは我々とまったく違うのだと
それだけでもよくわかる。

6月もあとわずかで終わる。
あと1冊は併読ですぐに読み終わりそうなのがある。
ここへきて宮城谷昌光モノが停滞中。
病院の待合室では宮城谷最強なんだがなあ。












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GITANESは本の供。
それとは無関係に・・・。

直近の本。

●乗代雄介/最高の任務
複数の感想や書評を見ると
「わかりにくかった」「難しい」とあって、たしかに
芥川賞候補作・織田作之助賞受賞作の「それは誠」の方が
ストレートで分かりやすかったが、「最高の任務」や
そこに収められていた「生き方の問題」も、あちこち
寄り道しながらもある地点(時点)に物語が収束していき
そしてそれは他人からみると大事件ではないという
部分では似ている気はする。
と、わざとわかりにくく書きました。
ちなみにこの「最高の任務」も第162回の芥川賞候補作。
「賀古鶴所がおそらく本邦最新の枕詞」というところで
強く惹かれてしまった。

●石田夏穂/わが友、スミス
帯に「筋トレ小説」とある。
筋トレに励む女性がボディービルの大会に出る顛末
のストーリー。
途中で挫折してしばらく放置していたが私のように、
自分の筋肉を愛でる感覚が皆無の人間でも途中から
ぐいぐいと引っ張られる。峠を越えれば緊迫の大会終了
まであっという間である。
「関東平野をひっくり返す勢いで、バーを渾身の力で引っ張る」
というフレーズが男前だ。

●川瀬巴水_木版画集
夜の飲食が終わり、入浴かちょっとだけエアロバイクを踏むか
という直前に眺めるのに最適の画集。
誰でも、どんな質問にも即答できるような用意はできないが
少なくとも「最も好きな版画家は?」と問われると
「川瀬巴水」と迷うことなく即答できる。
もちろん今のところは、であるが。











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