the other side of SmokyGitanesCafe
それとは無関係に・・・。
 



GITANESはまったく甘くない。
それとは無関係に・・・。

学校帰りの横断歩道の記憶私はあっちへ渡って、
友達あるいは彼女や彼氏はここを左に曲がる。

「それじゃあ」とどちらかが切り出すまで、何度も何度も
青信号をやり過ごし、ただそこに立ち止まったまま、
自転車にまたがったまま、別に明日でもかまわないような、
まったく急ぎではないくだらないことをいろいろ話す。
二人とも冷たい風が吹く方向に背を向け、横断歩道の前で
ひたすら喋る。
先生がどう言ったとか、うちの猫がどうしたとか、
試験がどうだったとか、あいつのあの言い方はないだろうとか。
いくらブロッコリーでもあんなに要らないとか、
オヤジとおふくろがケンカしてるとか、あ、ちょっとイヤホンを
左だけ寄越せとか。

寒い。マフラーでほぼ顔は隠れてるが、きっと相手も笑ってる。

明日もきっとこんな感じだ。
じゃあ明日は肉まんをひとつだけ買って、48:52ぐらいに割って
彼女には大きい方を差し出そう。


暗くなるのが恐ろしく早い。
毎日の根拠のない万能感と、同じぐらいの不安感を無視するように、
またしばらく話し、「じゃあ、また明日」と、やっと別れる。
立ち漕ぎの自転車で横断歩道を渡り、坂を登った。
・・・・・・・・・・・・
人生の、どの頃に戻れるなら
という設問はたびたび耳にするが、
別になんでもなかった普通の日の、
その横断歩道にかえるのがいいと思う。


今日も寒かったですね。



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