GITANESを吸って頭の中を整理したいときもある。
それとは無関係に・・・。
事務所の電話が鳴る。
T「私N社のTと申します。野外(野立て)看板のご案内を
させていただいておりまして。」
私「ああ、そうですか。でも残念ながらそういう予定もまったく
ないので申し訳ないですが・・・」
T「そうですか。●●店へ連絡したら、ご担当がこちらだと
聞いたものですから。」
私「そうですね。担当です。ただ残念ながら今のところ看板を
設ける予定がないので・・・。」
T「そうですか。ちょっとご提案の資料なども作っておりまして。」
私「そうですか。残念ながら今のところ」
T「・・・。」
私「それではせっかくですので、今のところそういう計画も予算も
ありませんけど、後学のために資料を郵送していただきましょうか。
もちろん拝見するだけになりますけど。」
T「ありがとうございます」
私「では、住所を言いますからメモを取ってくださいね」
T「いえ、そちらのファックス番号を教えてもらえませんか?」
私「え?」
T「ファックス番号を教えていただけたら、こちらのメールアドレス
が書いてあるファックス送付状をおくりますので、送り先を
メールで送ってください。」
私「何かのクイズですか?」
T「は?」
私「いや、なんでもないですけど。住所を言うからメモしてくれれば
この電話で全て完結するのに。」
T「ぜひファックス番号を。」
私「面白いねアナタ。アナタの指示する方法に従えということですね。」
T「ありがとうございます」
私「こちらこそまったく意味がわかりませんがありがとうございます。」
翌日、事務所のドアが勢いよくノックされる。
かなり若い男だ。
突然の訪問は、常に強烈に忙しいときに集中する。
T「私、N社のTと申します。広告ご担当のSGCさんは
いらっしゃいますか?」
私「私ですけど・・・。郵送してくれって言いませんでした?」
T「あ、はじめましてTと申します。ちょっと資料の量が多かったので
直接持ってまいりました。」
私「郵送もできないほどの量を持ってこられても、読みきれないでしょうに。」
T「ちょっとお時間よろしいでしょうか?」
私「よくないから送ってくれと・・・。まあそこにかけてください。」
テーブルの上に広げられた資料は、A4用紙10枚ほどの地図と
設置予想図だった。
私「これだけ?」
T「はい。」
私「送れるでしょ?」
T「ちょっと量が・・・。」
私「・・・。」
T「説明させてもらってもよろしいでしょうか?」
私「はい・・・。」
5分強、T氏の説明が始まる。
T「・・・・・・・という感じになっております。」
私「はいわかりました。では電話でも申し上げたように今のところ
そういった計画も興味もまったくありませんので、この資料は
後学のために頂戴してもよろしいでしょうか?」
T「ええ、どうぞよろしくご検討ください。」
帰り際。
私「Tさん、この仕事に就いてどれぐらい?」
T「ええ、もう」
私「もう?」
T「もう2ヶ月になります。」
そうか。
でも、営業の相手は私のように気が長い人ばかりではない。
その調子ではきっと仕事を辞めたくなってしまうほど
相手を怒らせてしまうことがあるだろう。
でもそれは、多分あなたのせいなのだから
気をしっかり持って頑張ってください。
| Trackback ( 0 )
|