GITANESのカタチは明らかに変だ。
それとは無関係に・・・。
男性のズボンのカタチ。
流行は太くなったり細くなったりするが、それを採り入れる人よりも
そんなに頓着しない人の方が多いようだ。
30年前はスーツの組下でもそこそこズボンが太かった。
ツータックとかツープリーツとか言われるもので、渡り幅が非常に太かった。
海外のブランドなどは特にそうだった。
ただ、その渡りから下って膝幅や裾幅にかけては、太い渡り幅から整合性が
とれるようなデザインになっていたんだろうけど、脚が短い人が履くと
バランスをとっているはずの部分がカットされてしまい、悲しいほど太いズボンに
なっていた という説がある。
スーツの組下だけではなくて、腰回りに余裕がある2プリーツのパンツを履き慣れると
なかなかそこから抜け出せなくなる。ラクだからだ。
年輩の人ほどこの傾向は強くなる。
そもそも日本人男性は「パンツのカタチと散髪屋を変えない」という伝説もあるぐらいだ。
2プリーツのズボンに慣れた人は、世間がどんな流行を追っていようとも
自分は2プリーツのズボンをリピートし続ける。
バブルがはじけてしばらくすると、スーツ組下が劇的に変わったような記憶がある。
ピッチピチで、くるぶし全部出しが幅を利かせるようになり、特に若いスーツ着用者は
みなそんな感じになった。もっとも、これは例えば関東と関西でも時期のズレはあったが
数年経ったらみんなそんな感じになっていた。
ズボンがそんな感じだからか、上着の丈も超短く、ズボンのケツ丸出し状態だった。
あんなもんでも流行るんだなあと感じた記憶もある。
このぴちぴち時代は結構長く続いたんじゃないだろうか。
でここのところは太くなったり、太くなるだけではなくて裾に向かって細くなる、
いわゆるテーパーというのが主流になったり。
もうバギー、つまり裾に向かってあんまり絞っていないズボン型もじわじわ増えてきた。
昨年生成りの麻でズボンが極太のスーツを作ったが、田舎ではちょっと早すぎたようだ。
超マイノリティだった。
まあそのスーツはアソビ専用だが、基本のスーツ裾幅を流行によって大きく変えるという
心境には、最近は特になれない。
例えば19センチから21センチぐらいの、2センチの間をウロウロするような状態で
これはおそらくこれからもずっと変わらないだろう。
自分のスーツスタイルの確立なんて大げさなことは言わないが、まあある場所に
収まってきた感じがしている。
他人様のスーツは、他人様に任せる他ないし。
まああの、就職活動の学生さんや新社会人に近い人が着る「黒ベースのスーツ」だけは
はやく絶滅せんものかと思っている。
学生さんは「みんながそんなのを着てるし、洋服の○○の店員が『これがいいですよ』と
言ったから」という理由で着ているのは仕方ないにしても。
今はなんだか(いつもそうなんだけど)ズボンのスタイルに関しては大きい過渡期なんだろうか。
ユニクロには今2プリーツの(男性用)ズボンがない・もしくは極端に少なくなっていると聞いた。
セレクトショップによっては、2プリーツのズボンを主力として取り扱っている店も増えている。
私の同僚(服屋やで)で、太ーいものからやっと「ピチ目」にたどり着いた人もいる。
まあ彼の場合、流行をわざと半周ずらしているのではなく、単にずれているだけなんだけど。
ということで、ズボン買ってこよう。
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