新国立劇場の「トーランドット」の初日公演がいま一つだったのでインターネット上で皆さんの感想を眺めていたところ、10月4日(土)に東京でとんでもないことが起こっていました。何と、3つの団体が「トーランドット」を公演し、しかも開演時間も全て14時!
新国立劇場 : 新国立劇場
東京文化会館 : ソフィア国立歌劇場
八王子市民会館 : キエフオペラ(ウクライナ国立歌劇場)
地元八王子ではお客さんの入りが芳しくなかったそうです。行ってみればよかった・・・
トゥーランドットといえば古代北京のお城(紫禁城)が舞台。時代の読み替えも面白いですが、オペラとしては伝統的なスペクタクルな演出を期待してしまいます。衛星放送を録画したビデオテープがあったのを思い出し、押入れを探したところ、1983年ヴェローナ野外劇場での公演録画が出てきました。
アレーナ・ディ・ヴェローナ 1983年
指揮 :マウリッツィオ・アレーナ
トゥーランドット :ゲーナ・ディミトローヴァ
カラフ :ニコラ・マルティヌッチ
リュー :チェチーリア・ガスディア
ティムール :イーヴォ・ヴィンコ
いやー、素晴らしい公演です。紫禁城よりも壮大な古代円形競技場での実況録画で迫力満点。舞台は簡素ですが、逆に音楽に集中できます。野外劇場に響き渡る主役2人の声の力、これこそオペラの原点でしょう。

カラフを歌うマルティヌッチ。情熱的で強靭、そしてスタイリッシュな歌唱は王子に適役。一幕の幕切れ、謎解き挑戦者になるために3度鐘を撞くクライマックスへ向かう高揚感には圧倒されました。演技力も抜群です。

2幕に登場するトゥーランドットを演じるディミトローヴァはもう怪物。野外劇場に響き渡る強靭な声で冷酷無比な姫になりきっています。2幕の歌い出し(この宮殿の中で)から3回の謎解き、そして皇帝賛歌に至る盛り上がりは、ビデオを通してでもオペラの醍醐味を堪能させてくれます。私はディミトローバのトゥーランドットを実際の公演で2回聴いていますが、感動というよりは震撼したといったほうが相応しいかもしれません。
主役2人に比べて、リューとティムールはやや弱いかなという印象ですが、リューを演じるガスディアは野外劇場向けはありません。リリックな役柄にはふさわしく、オペラ劇場で聞くときっと素敵な歌声なのでしょう。
ところで、第3幕のリューの死の場面が終わると、静寂に続き拍手が聞こえてました。やはりこうでないと・・・ 先日の新国立劇場の公演では、出演者が変身しながらこの場面を迎えたので興をそがれてしまいました。演出は音楽を邪魔してはいけないです。

ヴェローナの野外劇場は日本へ引越し公演を行ったことがあります。1991年の公演では、この「トゥーランドット」が国立代々木競技場体育館で公演され、ビデオと同じ主役2人が素晴らしい声を聞かせてくれました。ティムールを歌ったパータ・ブルチュラーゼも圧巻でした。
私が見に行った当日は、地震の影響で山手線がストップして、一幕の前半を見損なった悔しい思い出もあります。
新国立劇場 : 新国立劇場
東京文化会館 : ソフィア国立歌劇場
八王子市民会館 : キエフオペラ(ウクライナ国立歌劇場)
地元八王子ではお客さんの入りが芳しくなかったそうです。行ってみればよかった・・・
トゥーランドットといえば古代北京のお城(紫禁城)が舞台。時代の読み替えも面白いですが、オペラとしては伝統的なスペクタクルな演出を期待してしまいます。衛星放送を録画したビデオテープがあったのを思い出し、押入れを探したところ、1983年ヴェローナ野外劇場での公演録画が出てきました。
アレーナ・ディ・ヴェローナ 1983年
指揮 :マウリッツィオ・アレーナ
トゥーランドット :ゲーナ・ディミトローヴァ
カラフ :ニコラ・マルティヌッチ
リュー :チェチーリア・ガスディア
ティムール :イーヴォ・ヴィンコ
いやー、素晴らしい公演です。紫禁城よりも壮大な古代円形競技場での実況録画で迫力満点。舞台は簡素ですが、逆に音楽に集中できます。野外劇場に響き渡る主役2人の声の力、これこそオペラの原点でしょう。

カラフを歌うマルティヌッチ。情熱的で強靭、そしてスタイリッシュな歌唱は王子に適役。一幕の幕切れ、謎解き挑戦者になるために3度鐘を撞くクライマックスへ向かう高揚感には圧倒されました。演技力も抜群です。

2幕に登場するトゥーランドットを演じるディミトローヴァはもう怪物。野外劇場に響き渡る強靭な声で冷酷無比な姫になりきっています。2幕の歌い出し(この宮殿の中で)から3回の謎解き、そして皇帝賛歌に至る盛り上がりは、ビデオを通してでもオペラの醍醐味を堪能させてくれます。私はディミトローバのトゥーランドットを実際の公演で2回聴いていますが、感動というよりは震撼したといったほうが相応しいかもしれません。
主役2人に比べて、リューとティムールはやや弱いかなという印象ですが、リューを演じるガスディアは野外劇場向けはありません。リリックな役柄にはふさわしく、オペラ劇場で聞くときっと素敵な歌声なのでしょう。
ところで、第3幕のリューの死の場面が終わると、静寂に続き拍手が聞こえてました。やはりこうでないと・・・ 先日の新国立劇場の公演では、出演者が変身しながらこの場面を迎えたので興をそがれてしまいました。演出は音楽を邪魔してはいけないです。

ヴェローナの野外劇場は日本へ引越し公演を行ったことがあります。1991年の公演では、この「トゥーランドット」が国立代々木競技場体育館で公演され、ビデオと同じ主役2人が素晴らしい声を聞かせてくれました。ティムールを歌ったパータ・ブルチュラーゼも圧巻でした。
私が見に行った当日は、地震の影響で山手線がストップして、一幕の前半を見損なった悔しい思い出もあります。