木を愛し、土に親しみ、犬と戯れ、思いつくまま気ままに発信、知る人ぞ知る「山章工房」のブログです。
山章工房の木土愛楽(きどあいらく)



私が伊豆山中の改築に必要な木材は、
磐田市内に唯一残る製材屋さんから
「天竜杉」を購入してました。
「天竜杉」というと銘木そうですが、
(もちろん、高級品もあります)
しかし、マキ○製材さんは非常に良心的な方で、
私の厳しい財政状況を心得て、いわゆる「特一」の中で、
私の要求に見合うものを見つくろってくれました。
その価格と品質は見事にバランスがとれていました。
良い材料を使い、私はいつも建具や家の改築を気持ちよく進めることができました。
ところが、そのマキ○製材(株)さんが先月を持って製材部門を閉鎖しました。
今の日本の流通過程では、地元のよいものを「適切」な価格で販売するという
のは成り立たないのだそうです。
大手住宅メーカーによる価格の締め付けによる外材の使用、
公的補助による国産間伐材の安価流通、
その間に位置する、本来住宅建築にもっとも適した地場の木材は競争力を持ちません。
原木の仕入れ価格よりも製材後の角材の方が安価という逆転現象も起こっています。
「骨折り損のくたびれもうけ」
こうして、廃業にいたりました。
「地産地消」「国産材使用」が盛んに叫ばれていますが、
このような私の身近な例を見るにつけ、
日本の林業の将来は暗いと言わざるを得ません。
また、個人的にも適切な価格の安心できる木材が手に入らなくなることは
憂慮すべき事と思っています。
牧野製材さんから購入した木材のストックはあと半年で底をついてしますのです。


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