先日営業電話が掛かってきた。
電話口の女性は声の感じからして私より少しお姉さんのようにも思え、たどたどしく原稿を読み上げている口調が歴が浅いことを物語っていた。「弊社の営業マンが近くにお寄りする機会があるので、宜しければご挨拶に伺いたい」とのよくあるフレーズであるが、たまたまその職種に興味があったので快諾をすると、電話口から小さく「えっ」と聞こえた。すぐに取り繕うように「ご都合はいつが宜しいでしょうか?」との質問に「近くに寄るんじゃないのか?」なんて野暮なことは言わずに日程を決めた。
最近早期退職理由に「会社の電話に出られない」を理由に挙げる人が増加、「20代の七割が電話を苦手にしている」とのこと。ただそれは若者に限ったことではなく、知り合いの職場に新しく配属された60歳過ぎの派遣さんは「電話機の操作が分からない」との理由で電話に一切出ないらしい。年々面倒な時代において、先ほどの女性には頑張って欲しいものだと思ってしまう。